こんにちは、岩崎将史です。
レコーディングの相談や問い合わせをいただく際、初めての方ですとミックスやマスタリング作業について理解を頂くのに苦労する場合があります。
「1日で6曲録って、そのままその日にCDにならないんですか?」と。
録りっぱなしのそのままのサウンドでよければ可能ですが、いわゆる皆さんが普段聴かれているCDなど録音作品は、ほとんどが「ミックス」や「マスタリング」という工程を経て出来たサウンドです。
作品として販売するものでなく、オーディションやコンサートの記念などであれば、そのままCDにすることが多いですが。
そこで試しに動画を作ってみました。
先日のブログに書いた、岐阜の社会人アマチュアバンド「トライオン」の8時間で6曲録音 YouTubeライブ配信。それのミックスとマスタリングを先日行いまして、バンドメンバーに許可を頂き動画にしてみました。
YouTubeは圧縮音声なので、音が良いと言うわけではありませんが、それぞれの工程でサウンドがブラッシュアップされていく様子は、感じて頂けるのではないでしょうか。
ミックス
録音が終了したのち、各パートを混ぜ混ぜします。各楽器ごとに別々のマイクを立てておりますので、ここは歌が大きく、とかギターを小さくとか、エフェクトと言って残響効果を足したりだとか、色々な処理、調整をして書き込んでいきます。
今回のこの曲は2時間くらいの作業でした。「フルハウス」や「きちんとした音のするスタジオ」などでレコーディングされたものは2時間程度でミックスを完了する場合が多いです。稀に苦労するのが、いわゆる「格安スタジオ」とかで録ってきた曲のミックスを頼まれる場合です(笑)。まあ、その辺りは別の機会に。
ミックスが終わると、より各楽器のバランスが整い綺麗に聴きやすくなります。
マスタリング
各曲のミックス作業が終了したら、マスタリングという工程になります。
これはCDや配信などで全部の曲を並べた時に、違和感がないように調性する作業です。雑誌で例えると、ミックスは各記事のレイアウト。マスタリングはそれを一冊の本に並べた時に、全体の色味や余白など整えて一つの作品に仕上げる、というイメージが近いと思っています。
音楽の場合は、この時に楽曲全体の「音圧感」「音抜け感」などを調性して、もう1段階、サウンドが磨かれます。
この作業、自分でミックスした作品であれば15分程度。他のスタジオやエンジニア持ち込みだと30分程度の作業で進めることが多いです。
ハイレゾ配信もスタート
今回の動画素材に協力頂いたバンド「トライオン」。
早速、先日より音楽配信が始まっております。「iTunes」などはもとより、「e-onkyo」や「MORA」と言ったハイレゾ配信サイトでも購入できます。圧縮のない、CDの数倍の解像度のマスター音源をそのまま聴くことができますので、オススメです。
こちらで、全曲視聴もできますので、よかったら。
https://www.tunecore.co.jp/artist/tryon
全体の進行
今回のバンド「トライオン」のアルバムはどれくらいの時間でレコーディングを終えたのか。
その前に「レコーディング」とは何を指すのか? と言うのが結構、人によって解釈が違います。分かっている人だと「今はレコーディング」「今はミックス」と細かく分けて考えますが、大抵の人は「レコーディング」というと、「録音作品が全部仕上るまで」という意味で使われていると思います。
その意味でいうと、この回のトライオンの作品は3日間の作業となりました。
1日目
以前グログにも書いたとうり、8時間で6曲を録音しました。
2日目
1曲2時間程度でミックス作業。8時間で4曲ほど完了。
3日目
残り2曲を4時間程度で完了させて、マスタリング作業を3時間ほど。
最後1時間で、配信用のアップロードを済ませて無事完了。
これで、数日後にダウンロード配信が始まった、という感じです。
ミックスは6曲のうち、2曲だけ僕が担当させて頂いて、残りは弊社エンジニア山田に担当してもらいました。
このようにスムーズにレコーディングを終えるには事前のリハーサルなどが重要になります。そのあたりの準備の仕方などから、必要があればアドヴァイスさせて頂いてます。今回も、コード構成譜の準備など説明させて頂きました。
フルハウスの録音エンジニア一同、最高の作品になるようにお手伝いさせていただけたらと常に思っております。
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