こんにちは、岩崎将史です。
先日、ライブ・レコーディングの相談がありました。
場所は東京、渋谷の”マウントレイニア”ホール渋谷とのこと。
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA より引用
都心にあるとてもおしゃれなライブハウスです。
ミキサーにAvid SC-48が導入されている
このライブハウスにはAvidのSC-48が導入されています。
AvidはProToolsで有名なDAWメーカーです。
Avidのシステムが入っているライブハウスであれば、ProToolsソフトウェアの入ったノートPCを持ち込むだけで、簡単にマルチトラックのレコーディングが可能です。
今回は僕は帯同せずに、MacBookProをお貸しするだけでライブレコーディングが実現しました。
少し詳しく解説します。
相談者は第一線のPAエンジニア
相談者は第一線のPAエンジニア。
マウントレーニアホールでの、とある2日間の公演の担当PAさんです。
PAと同じ回線をそのままマルチトラックでレコーディングしたいんですよ。
であれば、ProToolsのインストールされたMacBookProをお貸しするので、それだけで録音できますね。
そうなんです。
ただし…、ライブハウスの人が言うには、持ち込まれるPCに問題があってレコーディングできないことが多いそうです。
お貸しするMacBookProは、ドライバーもOSもProToolsのバージョンも、Avidが求めている状態に最適化されていますので、大丈夫だと思いますよ。
と言うことで、フルハウスのMacBook Proをお貸しすることにしました。
設定、接続の仕込みを済ませてお渡し。当日はファイルを開くだけ
僕は普段、MacもProToolsも触ることがないので、現場でスムーズに仕込めるか不安なんですよね。
大丈夫ですよ。
こちらで設定を仕込んでセッションファイルを開くだけの状態に準備しておきます
PAエンジニアより頂いたトラック数を元に、こちらであらかじめProToolsのI/O設定、トラックの作成、セッションファイルの作成などを全ての準備を済ませておきました。
2日の公演それぞれのセッションファイルを別に作成し、エイリアス (Windowsでいうことろのショートカット)をデスクトップに貼っておきました。
これならどんな人でも問題なくレコーディングできるはず。
OSには専用のログインアカウントを作成しておきました。
Macが起動したら、デスクトップのこれをダブルクリックすれば、あとは録音ボタンを押すだけです〜
ちょっと端折り過ぎですが、概ねこんな感じで設定して準備をしておきました。
ありがとうございます。
分かりやすいです。
もし仕込みでなにか問題あれば、連絡してもよいですか?
もちろんOKです〜。
TELでもチャットでもFaceTimeでも〜
ということでMacBookProをお渡しして当日を待つこととなりました。
当日、連絡があるのか?待っていると…
当日、僕は何かあれば対応できるようにしつつ、別の仕事をしていました。
特に何の連絡もなくお昼になりました。
仕込みは午前だったはずなので、気になりつつも午後のリハーサル時間も特になにも連絡はありませんでした。
夜の本番も、2日目も同じく連絡はありませんでした。
連絡がないということは、上手くいっているということですね。
よかったよかった
無事に完了して返却。トラブルなしでハウス・エンジニアも驚く
無事にMacBookProが無事に返却されました。
なんのトラブルもなくライブハウスのスタッフも驚いていましたよ。
何事もなくスムーズにいったのは珍しかったみたいです。
イェーイ。よかったです〜
ライブハウスのシステムには何の問題もないのに、持ち込まれたPCのOSやドライバー、ProToolsのバージョンなどなどがAvidが求める状態に最適化されていない事が多く、上手くいかない事が続いていたようです。
Avid SC48とMacBookProとの接続詳細
設定やシステムには常に気を使っています。
SC48はFW400。MacBookPro 2012 ミドルエディションを選択
SC48自体はAvidの一世代前のコンソールということで、少し注意が必要でした。
ファイヤーワイヤー(FW)400という少し古い規格での接続です。
そのため今回はMacBookProの2012 ミドル・エディションのモデルを選択しました。
このモデルにはFW800が内蔵されています。
FW400<>FW800の変換ケーブルが必要ですが、2012年モデルを導入した当時はFW400とFW800が市場で混在していた時代でした。
そのため変換ケーブルを使ってのレコーディングを頻繁に行なっていましたので、安心感があります。
2018モデルも持っています。
サンダーボルト3(TB3)など、最新の接続方法の時はこちらを選択しています。
心配性につき、できる限りの準備で無事故無違反を更新
僕はかなりの心配性です。
ライブレコーディングやコンサートレコーディングなどはトラブルを常に想像してしまいます。
数学的に0%にすることは不可能ですが、限りなくゼロに近づけるためにも、ノートPCも余裕をもったスペックを用意することにしています。
メモリーもSSDも出来るだけ最大容量にする
今回のMacBookPro 2012は、導入した当時の最大メモリである16GB RAMにしています。
また、SSDは512GBを2機をMacBookPro本体に内蔵させる改造をほどこしました。
MacBookPro 2018モデルの方はRAMは32GB、内蔵ストレージはSSD4TBにしています。
流石にこれだけのスペックがあれば、多トラックのヘビーなレコーディングにも耐えられます。
外付けHDDやSSDドライブを使わない
僕は外付けのHDDやSSDドライブを使いたくない派です。
ライブやコンサートのレコーディングの時の話です。
屋内スタジオではガンガン使っています。
ライブやコンサート本番で使わない理由としては2つ。
- ケーブルやコネクタなどが増えるためリスクが増える。
- 電源の取り回しなど仕込みやバラシの工数が増える
ケーブルで繋いでいる時点で、ケーブル、コネクタなどが不安要素になります。
何か不慮の自体で触ってしまい、ドライブを動かしたり接点が振動したら。
まず大丈夫としても何年か毎日、運搬と抜き差しを繰り返していたら心配になってきます。
内蔵できるなら、その方が精神的にも安心です。
また、会場でPCに繋いで電源も挿して、と。
この時間も無駄ですし場所も取りますし、接点が増えれば事故要因が増えてしまいます。
そのため、ストレージは内蔵を使用する方が良いと考えています。
スタジオレコーディングの場合は逆ですが。
ライブレコーディングはどんな形でもサポート可能
Avidのコンソールが入っているライブハウスであれば、MacBookProを持ち込むだけでマルチトラックでレコーディングできます。
が、現場環境に合わせて臨機応変に対応しています。
Dante や MADIも対応可能。もちろんアナログも
YAMAHAのコンソールが入っているライブハウスではDanteで対応しています。
以前に書いた「ブルーノート名古屋でのジャズライブのレコーディングシステム|佐藤竹善さん編」では、WindowsのノートPCを2台持ち込んで、YAMAHAからイーサネットで接続し、Cubaseにてレコーディングしました。
バックアップを2台にして、メインと合わせると3台のDAWでレコーディングで何がおきても大丈夫なシステムを用意しました。
MADIやアナログなども使い、会場ごとに合わせてプランしています。
複数のDAWに対応可能
ProToolsだけでなく、LOGIC Pro X、Cubase、Sequoiaも日々運用しています。
それぞれの良さを考えて現場ごとに最適なDAWを選択しています。
ということで、なんでも相談ください
ということで、今回のように「〇〇貸して〜」でも対応しています。
あまり需要は無いとは思いますが、困った時はいつでも相談ください〜。
では、今日はこの辺で。
また。
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