こんにちは岩崎まさふみです。
突然に今までリファレンスで使っていたオーディオ・アンプが死んでしまいました。
朝、電源スイッチを押しても電源が入らない。
もちろん電源ケーブルが抜けているということもありません。
- こういった症例があるのか?
- 対処方法があるのか?
ググってみてると、どうも多いらしい。
購入後1~2年くらいで突然に電源が入らなくなると。
こうなると修理に出すしかなさそうですが、何分にも毎日の様に仕事で使っているもの。
修理期間にアンプが無くなるのは困ります。
取り急ぎ新しいのを購入して、修理するかを検討することにしました。
『DENON PMA-60』が手に入らない
修理に出している間のスタジオ運用を考え、手っ取り早く新品をもう1台購入しようと考えました。
ところがどっこいう、購入できない事態に。
どのショップでも取り扱いがなくなっています。
そんな事はない。
発売された数年前。
まだ新しいモデルです。
メーカーサイトを見ると既に販売終了。
では新モデルが出てるのかモ〜?
と考え調べてみますが、特にない。
『PMA-60』よりも古い機種と思われる製品は引き続き販売していました。
各所から報告されている「1~2年で電源が入らなくなる」という問題を解決できなくて生産終了になったのでしょうか?
完全な推測の1つで実際の所は分かりませんが。
代わりになるアンプを探す
仕方がないので、代わりになるデジタル・アンプを探す事にしました。
条件としては、
- PMA-60と同じ様な10万円以下で購入できる価格帯
- AES/EBUかSPDI/F入力があること (必然的にDクラス・デジタルアンプ)
- 最低限の出力を持っていること (40W~80W程度)
の2点のみです。
この2点だけだったのですが…。
無い。
以前は数万円で手に入っていたオーディオ・アンプ(プリメイン・アンプ)という商品が現在ではどのメーカーも無くなっているではありませんか。
コロナの影響で生産ができなくなっているというのもあるのかも知れませんし、ONKYOも倒産する時代です。
ハイエンドでない一般層のオーディオ離れというのは、相当に進んでいて売れなくなっているのかも知れません。
その代わり、数千円台で15W程度までの小型の中華製デジタルアンプは死ぬほどヒットします。
スピーカーで音楽を聴くといっても、卓上の小型ニアフィールドモニターを再生させるのユーザーが層としては多いのでしょう。
こうなると後はハイエンド・モデルに出を出さざる負えない…。
流石に故障による急遽の対応にそんな予算は捻出できません。
少し話はそれますが…。
ハイエンド・オーディオアンプといえば、以前オーディオ・マニアからSHARP SM-SX1 というアンプを払い下げて頂く機会があったのです。
なんと当時の販売価格は350万円ほどした。
楽しみにしていたのですが、スタジオに持ち帰ったら壊れていて使用できず。
一度使って見たかった夢のアンプでした。
今は音楽レコーディングの業界に全くパワーはありません。
少なくとも僕の周りではですが。
そのためアンプに高額なアンプに投資をするのは経営的には現実的ではないのです。
そこまでの値段でなくとも、10万円〜20万円程度でも良い物がないだろうかと探してみました。
一昔前は様々にあったように記憶しているのですが…。
現行での良さげな製品が見当たりません。
全く売れない商品群になっているのでしょうか…。
時代はスマホやPCと小型スピーカーになり、オーディオは安価な中華勢に駆逐されているのか…。
まあ、僕もプライベートではMacBook Proのスピーカーで何の不満なく生活できていますからね。
業務用機器と違い、こうした民生オーディオ機器は全く詳しくないので、もしオススメの情報があれば是非お知らせ欲しいモ〜。
DENON PMA-800NE を購入
調べた結果、少ないながら在庫があったのが『DENON PMA-800NE』というモデルでした。
デジタル・アンプながら1Bitには非対応ですし、デザインもかなり古めで大きい。
その事から先のPMA-60よりも少し設計が古いのだと思われます。
ただしメーカーでは現行品。
これを手に入れようと考え、各ショップの在庫状況を確認。
ところがどこも在庫なしで、注文しても入荷時期未定との表記。
これは完全にコロナが影響か…。
探し回って、1店舗だけ在庫があるのを発見。
速攻で注文しました。
そして到着。
開封し設置してみます。
音を聴いてみますが…。
これは、ショック…。
もうPMA-60とは全くの別物。
位相感が悪く薄くフェイザー掛かったみたいにシュワシュワモワモワしています。
中域は良い感じですが、なんともモワッとしていて、これはミックス確認では全く使い物にならない。
酷い…。
TEAC AI-301DA を購入
『DENON PMA-800NE』の音質にショックを受けたので、代わりのデジタルアンプを物色しました。
『DENON PMA-60』的な物が、他に無いだろうか?と。
そしてコチラを見つけました。
TEACの『AI-301DA』です。
『DENON PMA-60』と同じ様な価格帯。
サイズ感も同じ様な大きさで、1Bit対応とコンセプトもそっくり。
出力が少し小さいのが懸念で、初回のアンプ選定時には候補に入らなかったのですが、一縷の望みを持ってポチりました。
『DENON PMA-800NE』の開封から2日後。
早速、開封して音を聴いてみます。
印象は
と良かったのですが、最大の問題が、
ということでした。
低域が鳴ってない訳ではないのです。
言語化するのが難しいのですが、押し出し感というか薄い感じでピアノなどのコード楽器などは200~300Hzを大きくブーストしてしまいそうです。
ちょっとバランス確認には厳しい。
逆に言うと欠点はそこだけでしたが…。
どちらが優れているか?
前項までの試聴を終えた時点では、どちらも合格点ではない。
ただし急場を凌がなければなりませんので、敢えてどちらを残すかという選択で全域に渡って位相感が悪くムワッとしている『DENON PMA-800NE』を売却するつもりでした。
最後の最後に、同じ最新のミキシングソースを聴き比べしようと思い、もう一度『DENON PMA-800NE』をセットアップ。
その際に発見したのが『SOURCE DIRECT』というスイッチ。
?!?! 何故デフォルトでOFFになっていた?!?!
通常、アンプのEQなどを使う場合はONにして使うこの手のスイッチですが、『DENON PMA-800NE』は逆。
押してONにするとEQなどに送られるバスをパスしてダイレクのサウンドを聴くことができるという仕様でした。
そんな物は一切必要がありません。
オーディオは如何にダイレクトに素の素材をそのまま再生するかが重要です。
早速『SOURCE DIRECT』をONにして聴いてみました。
別物のアンプになった!!
音が激変しました。
シュワシュワモワモワ感が無くなりました。
音の立ち上がりや余韻のダンピングも改善。
ピュアなサウンドになりました。
『DENON PMA-60』より少しだけ甘さは感じますが、逆に長時間聴いても疲れないという解釈もできます。
これは問題がほぼ解決です。
ハイエンド・オーディオの高音質な凄いアンプという感じではありませんが、バランスの取れた素直な音で僕がミキシング確認で使うのに必要条件を満たしている音です。
当面はDENON PMA-800NE
ということで『DENON PMA-800NE』と『TEAC AI-301DA』の対決。
僕の結論としては『DENON PMA-800NE』を選択する事にしました。
当面はこちらで仕事を続け、PMA-60が修理対応可能なのか?をメーカーに確認しつつ、時期を見て更に良いアンプの予算を組めたらと考えています。
ただし経営としては良いアンプへの投資って中々難しいのですよね。
それなりの物だと100万円くらいになってきますが、今は時代の移りがとても早い。
20世紀は買い替えを5年~8年程度で考えて予算を組めば良い感じでしたが、今は2年くらいで考えないとリスクにしかなりません。
そうするとアンプだけで月4.2万円。
スタジオは100万円単位の機材が数十個も必要です。
機材維持費だけで着く数十万円を見続けることになるので、中々に厳しい。
時代はできるだけ簡単に早く、安く、自宅でもそこそこの高音質で製作、配信みたいな流れですからね。
次の予算編成がどの時点でできるか分かりませんが、頑張っていきたいと思います。
ということで、今回はこの辺で。
ではまた。