こんにちは、岩崎将史です。
今日は僕が作曲を担当したTVコマーシャルのご案内です。
秋田県にある「あいば歯科」という大きな歯科医院です。現地にも行ったのですが、5階建?くらいの大きなビルが丸っと全部歯科医院という作りで、治療する部屋も沢山あったり、歯科技工士って言うんですか?色々作る人もたくさん居まして、名古屋ではあまり見ない規模の歯科医院だなぁと驚きました。
今回そんな歯科医院のTVコマーシャルの作曲依頼がありまして、15秒バージョンの曲の動画がYouTubeになってます。早速どうぞ。
医院の凄さ、規模感を音楽で表現
壮大なオーケストラ曲になってます。
企画サイドの方から「こんな感じの曲が良いな〜」といくつかリクエストがありまして、120%で答えれたと思います。歯科医院の音楽としては少々大げさな感じもしますが、それくらいの規模感のある歯科医院でしたので、企画からオーダー来た時も「なるほどね〜」という感じでした。音楽を通して医院の凄さが感じてもらえれたらなぁと思います。
作曲はピアノだけで
僕は基本的には作曲はピアノだけで行います。そこで何曲かデモ音源と呼ばれるオーディオファイルをピアノだけで作成した物をクライアントに送ります。これは僕が一緒に仕事させて頂いてい今は故人となっているような大御所の作曲家達も皆さんそうでした。
機会があればブログでも書きたいと思いますが、学校でもそのスタイルを徹底的に教えています。音大作曲家の学生が必ずオーケストレーションで学ぶような曲も、原曲は大抵の場合ピアノで作曲されています。
それでテンポ感、曲のイメージ、映像との合わせのタイミングなどを、映像サイドを擦り合わせて行きます。
若い作曲家だといきなり「MIDIでイメージが伝わるように〜」と様々な楽器を塗りたくって行きますが、とても時間の無駄。そして曲の魅力はどんどん判断しにくくなります。例えるならドラクエの初期の曲は全部PSG3声ですが、名曲です。古典も一緒で、元々はチェンバロや室内楽、せいぜい3~4声。その歴史の中で、対位法だとか和声学と言われる様々な響かせ方の実験と研究があってのオーケストラなので。まあ、バンドも一緒なんですけど。
今回は、クライアントから曲のイメージをしっかり伝えてもらっていたので、実は1時間くらいでさっと数曲を作曲して、この曲でOKを頂けました。プロデューサーが20年来の友人というのもあって、阿吽の呼吸で理解できたというのもあるかもですが。
編曲はMACとLOGICで
19歳の時にLOGIC ver.1を使い始めて、早くも26年。当時はNotator LOGIC と言う名前でした。LOGICでオーケストラ曲を編曲する時に、色々と僕なりのこだわりのポイントがあるのですが、その一つがサブディスプレイの縦画面です。
オーケストラ曲は特にですが、30段前後におよぶ各楽器の関係性がとても重要です。各楽器のリズムやハーモニーの関係性を、緻密に計算して作る必要がありますので、僕にはこの縦画面が欠かせません。1枚の画面で、前段が表示されてないと、頻繁にスクロールをして確認をしなければならず、多分、編曲の時間がそれこそ数倍になってしまうように思います。
今回は生録音は無し。全て打ち込みで
今回は残念ながら生録音はできませんでした。全てLOGICでの打ち込みでのサウンドです。プロはともかく、普通の人には全然分からないんじゃないかな。どうなんでしょう。僕らはやっぱり生録音をさせてもらえると嬉しいのですが。
生録音ができない分、アーティクレーションの再現には相当力を入れます。例えばこの曲だと、真ん中部分の金管楽器のフォルテッシモのアクセント。普通にシンセの音源を使うだけだと、全然迫力がだせないので、ここだけ音色を切り替えてバリっとしたパンチのあるスタッカートの音色にして、次のレガートは元に戻す。なんてのをかなり細かく頻繁にやっています。
MIXはProToolsで
ミックス(各楽器の音量バランスや残響の調整など)は、毎回僕はProToolsで行なって居ます。LOGICで作成した編曲トラックを各楽器ごとにWAVファイルにsてProToolsへ写しています。大きな理由の一つとしては、すごく残念ですが、LOGICはMIDIなどの打ち込み機能は大変素晴らしいですが、ミックスなどAUDIO機能は、、、、凄くやりにくいのと、やっぱりProToolsに比べて音はよくないです、、。
作編曲のLOGIC部屋から、スタジオのコントトールルームに場所を変えて上記の写真のようにProToolsでスタジオにてミックスします。
そして、完成。
なお、今回のCMですが、ナレーションはフルハウスではなくて、別の映像屋さんで録ったみたいです。個人的には少しだけぼやけているので、次回は「フルハウスで録りましょう」と言っておきました(笑)
では、また。