こんにちは、岩崎将史です。
音楽配信ストアに載せるための新たなサービス「BIG UP! 」
今まではインディーズや自主制作の音楽作品を音楽配信ストアで展開したい場合は「Tunecore JAPAN」のサービスを利用するのが一般的でした。
最近はそれに対抗して「BIG UP! 」というサービスが台頭してきています。
年間更新料が無料の「BIG UP! 」
「Tunecore JAPAN」との違いは料金設定。
「Tunecore JAPAN」は年間の登録・更新料が必要ですが、「BIG UP! 」は無料。
その代わり「Tunecore JAPAN」が配信料などを全額受け取れるのに対して、「BIG UP! 」は70%からとなっています。
ですので配信してもどれくらい収益を上げるか予測できないアーティストや作品などは「BIG UP! 」を利用するのがお得かもしれません。
「Tunecore JAPAN」同様に年間更新料を支払って全額還元されるプランもあり、当記事執筆時点では金額も若干安いようです。
「BIG UP! 」には欠点がない?
では「BIG UP! 」には欠点がなく「Tunecore JAPAN」より良いのか?
というと、そうでもありません。
意外な落とし穴があるので知っておいた方が良いです。
「BIG UP! 」の欠点|ハイレゾ配信非対応
「BIG UP! 」の欠点はハイレゾ配信に対応していないことです。※記事執筆時点
丁度先日に僕が録音・ミックス・マスタリングなどに携わった作品を、クライアントが「BIG UP! 」にて配信開始しました。
96K24Bitのハイレゾで作成した「Lyr」の1st EP「films」
その作品がこちらです。
浅野 早央莉とKazuyuki Itoによるユニット「Lyr」の1st EP「films」。
上記動画はその中から1曲、「think of you」をレコーディング時に僕が撮影しYouTubeにアップしたものです。
レコーディングからマスタリングまでを一貫して96Khzで行い、96Khzのマスターを作成しました。
各音楽配信ストアへ下記から飛べます。
全てのプラットフォームがハイレゾではなくCDフォーマットにて配信
ところがです…
ハイレゾ配信が1つもないんですよね。
いずれも44.1Kでの配信になっています。
僕は44.1Kのマスターは作成も納品もしていませんでした。
音楽CDの規格はは PCM 44.1Khz/16Bit という解像度。
それに対して48Khz以上の解像度のロスレス音源をハイレゾと定義されています。
ハイレゾで入稿はできるか44.1Kにダウンコンバートされる
「BIG UP! 」の配信ガイドライン(細則)を見るとハイレゾ配信には対応しているようにも見えます。
48Khz以上の入稿もOKと書いてありますからね。
ところが結果の配信は全て44.1KHzになっています。
サンプリングレート変換は多少サウンドが意図しない方向に変化してしまうので、できればハイレゾでマスター音源そのままの音声を聴いて欲しかったですが、まあそれは仕方ない。
検索すると過去に同じ様な経験をして記事を書いている方がいらっしゃいました。
「BIG UP! 」で配信するなら44.1Khzマスターを
ということで「BIG UP! 」での配信の際にはハイレゾのマスター音源ではなく44.1KhzのCDフォーマットの解像度で納品した方が良さそうですね。
デジタルでのダウンコンバートはどうしても音像感が変化してしまいます。
僕のスタジオ「フルハウス」では、マスタリング時にアナログ変換で96Kから44.1Kのマスターを作成しています。
「BIG UP! 」のプラットフォーム側でデジタル変換されるよりも良いサウンドになると考えています。
同じソースを「BIG UP! 」で2重配信して比較する、という様な事ができないので経験即からの推察です。
逆にハイレゾでしっかりと良い音で配信をしたいなら「Tunecore JAPAN」という事になりますね。
今回はこの辺で。
ではまた。