岩崎将史です。
新型コロナに対しての影響が各所で大変な事になっています。
感染拡大防止の対策や要請に対して「騒ぎすぎ」「〇〇の方が死亡数が」という投稿が良く流れてきます。
個別にはその通りなのですが、だから「対策は不要」「ヤリ過ぎ」という意見をみると今回の目的と現状が分かっていない人が多いのだと改めて思います。
そんな中、凄い分かりやすいと言われているブログ記事が回ってきました。
元のソース達が難しいのでこれは超分かりやすいとの意見が多かったです。
確かに分かりやすいです。
が!これでも分からなくて反論飛ばしている人達をみました。
ですので僕なりの理解を、専門用語や難しい名詞は一切使わずに(というか使えません^^;)、僕なりの説明してみたいと思います。
今回の対応策のコンセプト
2月23日に発表した厚生労働省の図がこちらです。
対策の趣旨は、
- 何としても青い線を超えないようにしなければ
- 超えたら武漢と同じ状況になり得る
と理解しました。
戦いは3つのフェイズ
主要な対策として、真ん中のバーがあります。
3色グラデーションがあります。
- 国内侵入防止 (日本に入れない)
- 感染拡大防止(感染者を増やさない)
- 重症化防止(重症者を増やさない)
の3段階のフェイズになっています。
現在は第2フェイズの終盤戦
現在は2月の最終週から始まった第2フェイズの戦いのど真ん中です。
新型コロナウィスを出来るだけ広めない為の挑戦が続いています。
感染したって若者は大したこと無い。
インフルエンザの方が重症化率高いのに何でそんなに対策するの?
「感染対策がやりすぎだ」というSNS上での意見の殆どは、「インフルエンザの方が重症化率高い」です。
今回の場合は大事なのは重症化率ではないのです。
問題は重症化率よりも感染力の高さ
大事なのは重症化率ではなくて、感染力と重症化率の掛け算です。
つまり重症患者の最終的な数量です。
もう少しいうと重症化というと人によって解釈が変わりそうです。
今回の目的は医療リソースを破綻させないことですので大事なのは、
【感染力】 ✕ 【入院者率】
です。
大事なのは【感染力 ✕ 入院者率】
仮に重症化率がインフルエンザの1/2だとします。
感染力が8倍だったとしたら、重症患者の総数は4倍になります。
それなりに信頼性のありそうな資料を元に数字を入れてみました。
感染力は分からないので、例えばで入れてあります。
インフルエンザ | 新型コロナ | |
---|---|---|
そこにいた人数 | 100人 | 100人 |
感染力 | 0.5倍(例えです) | 1倍(例えです) |
感染した人数 | 50人 | 100人 |
入院化率 | 0.5% (重篤化&入院率) | 5% (重篤化率) ※肺炎も入れると19% |
入院患者数 | 0.25人 | 5人 |
ただしこちらの記事ではWHO曰く「致死率は高いけど、感染力はインフルエンザより低い」と書いています。
ほんと良くわからモ〜
というのが今回の困ったところです。
今までのインフルエンザや肺炎患者にプラスして増えてくる
これから重症患者が出てきます。
大切なの重症患者数の増加を極力抑えて、重症患者に対する医療リソースを確保し続けることです。
それが中央の青の点線ライン。
現在、日本が持っている疫病重症患者に対応できる医療リソースの限界点です。
これを超えると恐ろしいことになります。
病床数や医療リソースの確保
2週間〜4週間が感染拡大の重要な期間とアナウンスされています。
実際にそうなのかは僕らには分かりませんが、一次情報を信じるしかないです。
そうだとすると、このあと第三フェイズである重症患者が徐々に発生して増えてきます。
今日は下の参考記事の報道がありました。
この報道では20代男性会社員ということで、健康な人だったのかどうかまでは分かりません。
ただし医療リソースとしては「健康な人ではなかったから治療しない」という訳にはいきません。
残念ながら、これから重症患者は増えるはずです。
5%のデータに間違いがなければ。
増えないことを望みますが、もし増えないということは世界中から届いたデータが間違っていましたということで、嬉しい誤情報だったことになります。
「〇〇の方が、死亡者数は〜」という意見はナンセンス
タバコの方が死亡数多いのに、タバコは怖がらないのか
などの「〇〇の方が〜」という投稿もたくさん流れてきます。
タバコからの癌だったり、交通事故だったり、自殺だったり。
それ自体は事実でしょう。
それはその通りです。
必要以上に怖がる必要はないと思います。
ただし「対策や要請はおかしい」と言いたいのでしょうか?
対策や要請がやり過ぎかは専門家しか分からない
だから対策が行き過ぎか? と言われると違います。
行き過ぎではないと断言しているわけではありません。
行き過ぎかも知れないし、まだ足りないかも知れません。
僕自身は正解は分からないです。
ただし、厚生労働省や疫学に詳しい専門家は分かっているはずです。
ただし医療の知識があれば分かるという話ではありません。
何故かというと、今回の第2フェイズの目的は医療崩壊を起こさない事だからです。
重症患者に対応できる医療リソースの量は専門家しか分かりません。
先程の
【感染力 ✕ 重症化率】=?人
これが全てです。
この?人の数が医療リソース量を超えたら武漢になりえます。
既に韓国の一部で起こり始めているという情報もあります。
が実際に見ている訳ではないので何とも言えないですが。
他の医療リソースを削れるの?回せるの?
〇〇の方が〜
対策しすぎ〜
という人達は他の医療ソースが回せると考えているのでしょうか?
癌の先生が新型コロナの治療をするの?
煙草によるガン患者死亡数は現状では新型コロナによる重傷者数より圧倒的に多いと言われています。
だから安心なのでしょうか?
新型コロナウィルスによる重篤者数が想定している医療リソースを突破してきたとします。
その時に、
- ガン治療の医師が新型コロナの対応をする?
- 癌資料患者が入院している部屋やベットを使う?
交通事故の死亡者数の方が多い
交通事故の死亡者の方が〜
これも一緒です。
交通事故死亡者数の方が多いのは確かにその通りです。
癌と一緒で、交通事故で負傷した重傷者を治療する先生が、新型コロナで重症化した人を治療したりなど同じリソースを使う訳ではありません。
現状はそれぞれに最適化されている
それぞれのリソースは現状のそれぞれに最適化されていますので、そこに新たに爆発的な他の要素が加わっても対応できません。
マスクやトイレットペーパーの不足と同じ
リソースの使い回しは出来ないという例で、1番分かりやすい話はマスクだと思います。
代用品では役不足
マスクが買い占められ不足したために、様々な代用品の情報が出回りました。
それで十分に対応可能であれば、皆さんマスクを買い求めて困ったりしなかったはずです。
代用品を街や電車でしている人は殆ど見かけたことがありませんでした。
キッチンペーパーでお尻を拭いた人もいるかも知れませんが、少なくとも多くの人が探し求めてさまよったのは事実です。
医者や病院も同じで、感染症と外科の対応は設備も専門性も違うはずです。
在庫は十分でも結局は人の数
トイレットペーパーにいたって、常に十分な在庫がメーカーにはあることが常時アナウンスされていました。
それでも瞬間的にお店からなくなれば、それはレギュラーの配送リソースでは対応できません。
イメージとしては配送屋は元々1日8時間働いていて丁度よいようにトラックも人員も確保しています。
いきなり7日分の量を同じリソースで1日で運べと言われても無理です。
じゃあ他の運送業者を使えば良いじゃん
他の運送業者ってそんなに暇なんですかね。
レギュラーの仕事ないんですかね?
もしかして数時間しか働いてないから、他の仕事請ける余地があるんですかね?
既存の他の病気の患者はケアしないの?
仮に医療リソースを使い回せたとします。
マスクやトイレットペーパーと同じ様に現状に合わせて最適化されていました。
めちゃくちゃ暇な医者や看護師が大量にこれまでもいたなら話は別ですが。
厚生労働省は「現在対応可能なリソース量」を想定しているからこそ、最初の図が出てきたのだと思います。
新型コロナによる重傷者が増えたらから、他の患者はベット空けてください(テヘペロッ)
とはならないです。
だから、
今は感染者数を増やさない行動はとても大切
と考えています。
もちろん中長期に続けば経済を中心にとても困ります。
が、だから対策をしなくて良いと言うことにはなりません。
医療リソースを増やす
厚生労働省も図に書いているように、
新型コロナウイルスの重篤者に対応できる医療リソースを増やす
と言っています。
それが増えれば、たとえ感染しても、
治癒すれば良いから、感染した時は感染した時だわ〜
と言える日が来るかも知れません。
同時に様々な対策、対処法もでてくると期待しています。
その間の経済対策もとても重要です。
ただ現時点は、
医療リソースが足りなくなって、死者数が増えた らしいという情報が隣の国から入ってきています。
少なくとも今暫く絶えて「同じ状況になりそうにはないね」というそれなりの確証が取れるまでは、迂闊なことは言うべきではないと考えています。
伝わったか分かりませんが、早く元のように戻れることを願いつつ。
ということで、ではまた。