こんにちは、岩崎将史です。
多目的ホールで長唄のレコーディングを行いました。
「犬山こども長唄クラブ」という団体のレコーディングで、CDと音楽配信ストアでのリリースが始まりました。
スタジオではなく多目的ホールで行ったのですが、理由があります。
今回はそのレコーディングについて解説します。
犬山こども長唄クラブ「ことのはうた」
リリースされた作品は犬山こども長唄クラブの「ことのはうた」。
上にその中から1曲「雛鶴三番叟」のYouTube Musicを貼っておきます。
下記に各音楽配信ストアを貼っておきます。
あなたがご利用のあらゆる音楽配信サービスで聴くことができます。
犬山こども長唄クラブの存在は、録音のご依頼を頂いて私は知ることとなりました。
愛知県犬山市で活動する、こども達が長唄を学べるクラブです。
長唄とは?
歌舞伎の音楽として発展した三味線音楽の一種です。特に江戸時代に発展し、歌舞伎の舞台で演奏されるほか、お座敷などで鑑賞用としても演奏されます。
何処で録音するのが良いか?
今回の録音依頼は「何処で録音するか?」というのが最初の相談になりました。
録音スタジオという選択肢もありますが、歌唱が大勢の子ども達ということで、それなりに広い空間、かつ活動拠点の近くが望ましい。
更にはできるだけ費用も抑制したい。
上記の理由から地域の公共ホールでの録音をご提案させて頂きました。
公共多目的ホールでの録音
その結果、愛知県犬山市になる犬山市南部公民館で録音する事になりました。
このホールは以前にコンサートの録音や映像収録で訪れた事があります。
配置の検討

当初は上記の様な配置を検討しました。
舞台の真ん中にステレオでマイクを用意。
これがメインマイクとなり、ここに向かって音の定位と位相が理想的になるうように配置をしてみました。
太鼓、三味線、歌を左右均等に、等距離に配置することにより同じ音量バランスと位相で集音することができます。
これを基本として、マイクの位置を少し歌側に寄せれば歌が大きくなるので、その塩梅で音量バランスも取れます。
さらに各楽器にスポットマイクを置くことによりミキシング時にも個別の音量調整が可能となります。
公演本番の前に録音
主催である犬山こども長唄クラブに会場予約を取って頂きました。
録音の為だけの予約は勿体ないという事で、日中に録音を行い、夜は本番公演を行う事になりました。
そのため予定より少し配置を変更。

上の写真が録音時の物です。
公演本番用のひな壇を設置。
そこに子ども達を配置しました。
そのため最初の図面とは逆に楽器を舞台ツラに配置して向き合うようにしました。
向き合うのはメインマイクへの音の距離と方向性を揃えたいという音響的な意味もありますが、録音の時は奏者同士のコミュニケーションが重要ですので、向かい合って演奏した方がスムーズというのもありあす。
三味線の位置は左右均等に出来るように上手、下手で分ける予定でしたが、本番公演のように上手で並ぶ形に変更となりました。
その方が演奏がしやすいというのが理由ですが、そうすることで実際に会場で聴衆が聴いているのと同じ定位感で録音することができます。
スピーカーやイヤフォンで聴いた際に、左右均等で聴きやすい魅力もありますが、実際のコンサートを追体験できる臨場感も魅力があります。
録音の流れと様子はVLOG映像で
今回の録音はVLOGとして映像化しました。
動画を見た方が流れが理解しやすいかと思います。
スタジオに持ち帰っての編集、ミキシング、マスタリング
録音した素材は私のスタジオ「フルハウス」に持ち帰って仕上げました。
先ず最初に編集作業を行いました。
編集では収録したテイクの良い部分を必要に応じて繋げていきます。
ミキシングで各マイクの音量や定位の微調整。
マスタリングでアルバム作品としてのサウンドの質感や音量、曲順、曲間などを確定させていきます。
完成したマスターファイルを納というこ品させて頂き今回の業務は完了。
実際に完成した作品からもう1曲の「供奴」。
ということで今回はこの辺で。
ではまた。
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