こんにちは、岩崎将史です。
僕の会社「フルハウス」では常日頃からフリーランスの皆さんに仕事を手伝って頂いてます。
- ミュージシャン
- デザイナー
- 音楽クリエイター
などなど。
その際に、たまに面白い事がおこるのが請求書のやりとりです。
フリーランスは雇用される人ではなく、独立した個人の事業主です。
一人一人がある意味では社長です。会社、つまり法人にはしていなくても。
僕からするといわゆる外注さんと言うことになります。
その場合の費用の支払いは請求書を頂いて然るべき期日で経理に振り込んでもらいます。
請求書がないと外注費として通常の経理処理ができないのです。
これはどこの会社でも一緒かと思います。
頂く請求書でマジでよくある困った事例
そのように大切な請求書ですが、こんな状態で来ることが時々あります。
むむむ…これは困ったも〜
99.9%のビジネスパーソンは上の請求書(っぽいもの)をみて、
何じゃこりゃ〜?!
と感じだと思います。
でも、知らない人にはは何がおかしいのか分からないものですよね。
- 何が駄目なのか?
- どのように書けば良いのか?
- 請求書作成が簡単にできるツール
この3つを解説します。
請求書に必要な項目
請求書に必要な記載事項を次の7つです。
- 請求先の情報
- 請求内容
- 税金
- 発行日
- 支払期日
- 発行者
- 振込先
この7つが書いてあれば大丈夫です。
と言ってもたくさんありますよね。
順番に解説します。
請求先の情報
請求先の情報には、
- 請求先(クライアント)名
- 部署
- 担当者氏名
の3つの項目が一般的には必要です。
請求先名
請求先が法人の場合
請求先が法人の場合は、
- 株式会社
- 有限会社
- 合同会社
など、会社の登記形態がいくつかあります。
場合によっては公共団体だったり社団法人だったりする場合もあります。
正式な請求先名をクライアントに確認しましょう。
前株か後株かも大事
仮に株式会社だとした場合にもこれら法人の形態名が前につくのか後ろにつくのかなどもあります。
- 株式会社フルハウス
- フルハウス株式会社
前株や後株などと呼ばれるますが、この位置も法人の登記事項と完全に一致している必要があります。
間違っていると同じ法人と認められないのです。
請求先が個人の場合
請求先が個人事業の場合は屋号か代表者名です。
これはクライアントに確認しましょう。
請求内容
項目は案件ごとに発注者が伝えます。
僕から依頼した場合だと、
- 歌唱料
- 演奏料
- デザイン料
などが多いです。
例えば演奏料であれば、
〇〇(楽器名)演奏料 / 〇〇 (曲名やプロジェクト名など)
などと何についての請求か分かるようになっていることが大切です。
必要に応じて明細を
作業した項目が多岐に渡る場合には、総額だけではなく一つ一つの、
- 作業内容
- 単価
- 数量
を分かるようにした方が良い場合もあります。
例えば、
- 見積書
- 納品書
などを請求する前にやり取りをしていて、項目が別れている場合には、それに合わせて内容を同じにしておいた方が良いです。
ただし合計金額は分かるようにも〜
税の表示
そして請求する金額を書いたら、税金関連の表記です。
フリーランスの場合の税金の記載は、少しややこしいので注意が必要です。
- 源泉所得税
- 消費税
上記の2つの計算と記載が必須です。
税というと「消費税」が真っ先に浮かぶと思いますが、フリーランスの場合はその前に「源泉所得税」が必要です。
源泉所得税の計算方法
税率は10.21%
この記事を書いている現在では税率は10.21%です。
10%以上も取られるの?
そうなんです。
大きい金額ですよね。
決してクライアントが理不尽な事をしているわけではありません。
法人が個人に報酬を支払う際には必ず源泉所得税を引いて支払い、法人が税務署に納める事が義務となっています。
源泉所得税は確定申告で取り戻そう
ただし源泉所得税は確定申告で一部を取り戻せます。
フリーランスは経費分などを相殺して後日に税務署から戻ってくる場合が多いです。
是非、しっかりと確定申告を行って取り戻してください。
自分で税金を申告して納税すると言えば源泉は引かれない?
というお願いを極稀にフリーランスからされることがあります。
結論は駄目です。
詳しくはこちらの記事に書いています。
以前は10%だった
ちなみにですが、源泉所得税の税率は2009年以前は10%でしたが、東日本大震災をうけて復興特別税という項目が新たに追加されました。
会社によっては、
- 源泉所得税 10%
- 復興特別税 0.21%
この2つを分けて記載するようになっている所もあります。
ただし分けると手間なのので、まとめて 10.21% と表記する所が僕の周りでは多いです。
復興特別税は25年間のみ?
この「復興特別税」は期限があって、25年間だったかと思います。
僕の予想では25年たったらなくすと言うのが法案制定時の趣旨ですが、僕は無くならないと予想しています。
恐らく期限が来たときまでには、別の災害があったりすると思います。
そうした災害への対策に名目を変えてそのまま新たな時限税制として、引き継がれていくのでは?と予想しています。
税収を増やすことは考えても、減らすことは考えないのが過去100年の財務省だモ〜
源泉所得税の厳密な詳細が気になる人は、国税庁のホームページで確認できます。
対象は報酬のみ
さらにこの源泉所得税はややこしいことがあります。
- 対象は支払い報酬のみ
- 物品の販売やレンタルなどは対象外
なのです。
全てをまとめて10.21%を引いても問題はありませんが、どうせなら手元に直ぐに入る金額は少しでも多いほうが良いですよね?
分けて計算した方が良いです。
消費税は源泉所得税を引く前の金額に掛かる
そして、もう一つややこしいのが消費税の計算です。
最初の「良くある例」で出したものは消費税が書かれていません。
クライアントが、
1万円で〇〇をして頂けますか?
と依頼されたら、請求する金額は、1万円ではなく1万1千円になります。(執筆時時点)
消費税はサービスなどの金額とは別にして絶対に支払わなければならない物と、規定されています。
もし後で、
いや、税込みの金額で1万円のつもりだったんですけど…
と言われたら直ぐに通報しましょう。
その辺りは国はかなり厳しく対応するようにしているみたいです。
僕の会社にも毎年のように経産省の外郭団体から
消費税を値切ってくる事業者は無いですか?
もしあればいつでも報告してくださいね。
という電話があります。
消費税は必ず必須の税金です。
消費税については新たに適格請求書制度というのが始まります。
消費税の支払いを厳密にするための物で個人事業者には重要な改訂となります。
発行日
請求書を作成して送った日にちを書いてください。
支払期日
案件ごとに違うので、都度、説明して承諾頂いてからの発注となります。
発行者
報酬を貰う人の氏名と情報を書いてください。
基本は個人名ですが、屋号のある人は屋号名+担当者氏名でお願いします。
住所、電話番号の記載も必須です。
印刷した紙などの原本を渡す場合は印鑑も必須です
PDF等の場合は印鑑の画像データを加えておきます。
必須事項
- 名前 (屋号のある人は屋号も)
- 住所
- 電話番号
- 印鑑(印影)
振込先
振込先の欄には、
- 銀行名
- 支店名
- 口座種類
- 口座名
- 口座番号
上記を記載します。
振込手数料を負担してもらう場合は、その旨を記載するのがオススメです。
記載がない場合は、振込手数料500円〜800円程を引いた金額を振り込んでくる企業もあります。
記載していても引いてくる企業もありますが…。
フリーランスで単価が安い場合は、これはかなりの影響があります。
1万円の仕事で1,000円近く引かれたら、10%の減収です。
全てがそのような対応であれば年収10%減収となりますので大きいです。
できれば仕事を受注する際に、事前に確認しておくことをお勧めします。
僕の会社は振込手数料をこちらが全て負担しています。
ご心配なさらずに。
ただし、他の取引先をみてみると、請求額から引かれている場合は半分くらいはあります。
特記事項
長期間にわたるプロダクトの場合などに、条件がある場合には記載します。
- 支払い期日の変更
- 分割払いでの請求
などの請求と支払いに関して特別な条件がある場合に記載します。
請求書番号
後の確認作業をしやすいように、通し番号を記載します。
たくさんやりとりしていると、同じ項目、似たようなタイトルが出現してきますので、番号で管理するのがお薦めです。
請求書の見本
一通り説明してきましたが、文字だけの説明だと分かりにくいかと思います。
正しい請求書のサンプルを作成してみました。
この様な形になっていれば問題ないです。
大事なのは必須な項目があるかどうかですので、レイアウトの決まりはありません。
表計算ソフトで請求書を作るのは時代遅れ
一昔前であればこうした請求書を作成するのは、
- Excel
- Numbers
などの表計算ソフトを使うのが定番でした。
会社などでは弥生販売の様なソフトを使うのが1990年代のWindows普及意向では一般的です。
この辺りのツールは僕もさんざんに使い倒してきました。
ですが、もはや時代は違います。
今は表計算ソフトなんて使う時代じゃないです。
もっと便利なツールがあります。
ということで紹介したいです。
僕も使っているオススメ請求書作成サービス「MISOCA」
オススメしたいのは、MISOCAというクラウドツールで、ブラウザで簡単に請求書が作れます。
ブラウザベースの請求書作成ツールで、スマホアプリでも利用可能です。
僕は個人時代はエクセルを使い、法人にしてからは弥生販売などを使ってきましたが、今は完全にMISOCAに切り替えています。
下にリンクを貼っておきますので、表計算ソフトを使っている人や手書きの人は登録してみてください。
弥生販売と弥生会計を使っている人にもお薦めです。
ものすごく使いやすいですし、1年間は無料のお試し期間があります。
有料になっても利用料は安いですし、販売管理アプリ買うよりオススメです。
ただし法人の場合で仕入れや在庫管理も合わせて行う場合には役不足です。
などの職種にはバッチリです。
他にも合う職業は多くあると思いますが、あまり僕に縁のない職業については確信をもてないのであえて書きません。
Misoca の何が便利?
Misoca の何が便利かと言うと、それはそれはたくさんあるのですが、一言でまとめると。
見積もり書、納品書、請求書などの作成に掛ける時間が10%に減った
です。
流石に10%というのは体感でデータに基づく数字ですが、でももしかしたらそれ以上の効果のような気もします。
いくつかのメリットを上げるとしたら、
などなどです。
表計算ソフトの場合、プリントアウトやPDFで保管して入金があったら「処理済み」に移動して、未入金がないかなどを定期的に確認して…。
そんな事務作業の時間があったら、もっと本業に集中したいですよね。
クラウドならPCブラウザやスマホアプリから、さっと見えれて何が未入金なのか?など一目瞭然。
以前は未入金があるのに次の依頼の電話が来たりして、確認を取るのも面倒でしたがブラウザで一瞬で確認できます。
さらに、自動で郵送で請求書を発送してくれたり、見積、納品書も作成できます。
そして、経理や確定申告の処理も自動で弥生会計などのメジャーな会計ソフトにデータを連動できます。
そして何よりも便利なのは!!
自動でプリントアウト&郵送サービです。
僕もこれまでは請求書などの作成、発送は事務員に任せていましたが、ほんと一瞬で作成や発送処理、確認ができる様になったので、事務員の出勤日数をこれで大きく減らせました。
こうして単純事務作業の労働力は必要なくなりリストラへ…はまた別の話として…。
そしてたまたま偶然ですが、この「MISOCA」は名古屋の会社らしいです。
味噌カツから来てるんですかね。
サービスのが名前が。
もう、コレは使うしかないでしょう(笑)
と言うことで、これからは請求書の書き方指導に取られていたり、僕が全部書いてあげてサインと印鑑を頂く、という雑務から解放されることを信じてます… ^^/
まとめ:請求書は必須。インボイス制度も必ずチェック!
人件費と経費、源泉税、消費税が盛り込まれた請求書が書ければ大丈夫です。
が、それは2022年までの話です。
この記事を読んでいるあなたには絶対に知っておかなければならない新たなことが登場します。
請求書には事実上、必ず事業者番号が必要になります。
でないとフリーランスは仕事を受注しにくくなります。
どういうこと??
合わせてフリーランス【適格請求書】になる?1,000万円以下【要注意】インボイス制度が始まるは必ずチェックしてください。
では、また。
そう言った場合、毎回、書き方を指導したり、場合よってはこちらで書いてあげて、記名捺印を貰うという事もあります。
が、案件が増えるにつけ、それに取られる時間がかなり厳しいので、こちらのブログを案内させて頂いてます。