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スマイルシード【熊本地震復興】YouTube公開への道【音楽の改編と映像】

スタジオ・レコーディングの仕事
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こんにちは、岩崎将史です。

以前にレコーディングさせて頂いた曲がYouTubeで公開されています。

スマイルシードという曲です。

下にYoutubeの画像を貼っておきますが、都合によりこのブログで再生することはできません。

下のリンクからYouTubeを開いていただければ、聴くことができます。

理由はこれから説明します。
またリンクは最後にも貼りますので、先に説明を読んでもOKです。

熊本復興のために有名曲「The Rose」をオリジナルの歌詞に変えて動画化を実現

音楽業界の人ならこの曲は皆さん知っているとおもいます。
The Rose」という曲で、映画「ローズ」の主題歌です。

2016年の熊本地震の時です。
地元で整骨院を営む先生がいました。
現地で復興支援として無料診療や炊き出しなどの活動を行なっていました。
そんな中、少しでも多くの人に癒しを与えられればと、

オリジナルの歌詞を作詞しました。音源化と映像化して診療所なので流したい。CDとYouTubeにもしたい」

との相談を受けました。

オリジナルの歌詞→大変。映像化→超大変

詳しい人ならわかると思いますが、実はコレはなかなか大変な相談でした。

オリジナルの歌詞を変えるのはNG。権利者からの改編許諾が必要

すでに歌詞が付いている楽曲ですので、作詞と作曲は合わせて1つの著作物です。
著作物の詩を勝手に変更し公表することはNGです。

自身で替え歌を作って歌っている人もいるかもですが、録音物にしたり動画などで公表するのはダメです。

自分で訳詞をするのはOK?

勝手にやるのはダメです。必ず権利者の許諾が必要です。

まずこの問題をクリアしなければなりません。

外国曲の映像利用はさらに困難。シンクロ権の許諾が必要。

そして2つ目の問題。

  • 映像にして診療所で流したい
  • YouTubeにしたい

音楽家の中でもあまり知られていませんが、ほとんどの場合において外国曲を無許可で動画で利用するのは禁止されています。

これは知らない音楽家多いです。

洋楽曲を自分で演奏してYouTubeなどで公表したりしている場合は、大抵NGです。

以前、友人のミュージシャンにこの話をしたら、

ミュージシャンAさん
ミュージシャンAさん

YouTubeは包括契約でJASRACが著作権使用料を払っているから、自分で演奏している動画ならOKなんじゃないの?

と思っていたようです。

映像利用の場合はシンクロ権という映像に合わせて使う権利として著作権とは別の権利があるのです。
この部分にはJASRACは関係ないです。

なお、ややこしいのですがJASRACが管理している内国曲はOKです。
いくつかの条件はありますが、JASRAC「動画投稿サイトでの音楽利用」で確認できます。

JASRACは色々文句も言われますが、JASRACに管理が信託されている内国曲は、基本的には決まった使用料さえ払えば誰でもCD化したり演奏したりできます。しかも大した金額ではありません。これは凄く大事なことです。

日本での管理を委託されている出版社へ問い合わせる

クライアントからの相談を受けて、早速、日本での管理をしている音楽出版社へ相談の電話をしました。
日本でも最大手と言って良い音楽出版社です。

岩崎
岩崎

〇〇という理由で詩の改編と映像利用の許諾をいただきたいのですが…

大手出版社担当さん
大手出版社担当さん

本国権利者に確認はしますが、印象としては許諾が下りる可能性は絶対に無いと思いますよ。

普通に申請すると全然ダメっぽいので、作戦を考えることにしました。

なんとかクライアントの被災者たちを支えたいという思いと意義を権利者に伝えられないか…。

クラアイントにそのあたりを切々と手紙にしてもらいました。
手紙は日本語ですので、それを預かって英語の翻訳家にお願いし詰めていきます。
そして、歌詞も英語に訳していつくかの資料を加えて現地権利者あてに手紙を送りました。

あとは返事がくるのをひたすら待つしかありません。

2ヶ月の期間を経て、無事に許諾が下りた

クライアントへは「ダメ元ですから、いつか返事がきたらラッキーくらいの気持ちで待ちましょう」と話していました。

2ヶ月…。

音楽出版社からメールが来ました。
権利者から改編の許諾が下りました、と。

自分の作った作品が知らない人によって、違う歌詞に変えられる。
大きな心で英断をして頂けました。

これで晴れてレコーディングとCD化が可能になりました。

西みほさんのボーカルと北川美晃さんとの演奏でレコーディング

レコーディングは、ボーカルが西みほさん、ピアノは北川美晃さんでフルハウスで行いました。

その様子は当時のブログ 西みほ&北川美晃【ボーカルとピアノのレコーディングを解説】 に書いています。

CD化を経て動画化を実現

完成したCDをクライアントへお渡しして、次はYouTubeでの動画利用の許諾申請をし無事に認められました。
無償ではなく許諾料は発生しますが、これで晴れてYouTubeへ投稿利用できることになりました。

ここまでで僕がお手伝いできることは終わりです。

先生が動画にしてアップロードしてくれました。
精神的な落ち着きが得られる図だそうです。

許諾の条件として他のサイトでは埋め込みで使用できないようになっています。
YouTubeでしか聴くことができません。
下のボタンでYouTubeに飛びます。
興味があれば聴いてみてください。

ではまた。

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