岩崎将史です。
世間はコロナウイルスの話題一色になっています。
そんな中、近ごろ叫ばれはじめていたテレワークが脚光を浴びて、広まる期待と予測を語る人が増えてきました。
長期的にみたら物事はより合理的な方向に進むのは間違いないので、テレワークなどで在宅勤務ですむなら、それで対応する業種や会社が増えてくるのは当然です。
ただし、スピードはそれほどではなく時間は掛かるだろうと予想していました。
今回のコロナウィルスの騒動がどの程度に影響するのかは未知数です。
が、10年という長いスパンで見るならより現在より進行するのは間違いないと考えています。
これを想定することで、次の時代が少しでも見え安くなるのでは?と思い、少し考えてみたくなりました。
内需の構成が大きく変わりそう
テレワークが一定以上進むと、人々の移動がそれなりに減ります。
そうした移動に付随するサービスの業界は変化していきそうです。
その場合は内需の構造が大きく変化しそうです。
利用が減っていく物、逆に増えていく物。
世の中に求められるニーズや、必要とされる仕事が大きく変わってきそうな物を考えてみます。
失うもの
まずは失ないそうなものを考えてみます。
公共交通機関
当たり前ですが人の移動が減れば、公共交通機関の売上は減りそうです。
多くのメリットが生まれそうです。
メリット
魅力的ですね。
僕も通勤に片道1時間ほど掛かるのですが、往復の2時間がもったいないです。
スタジオを引っ越すには家を数件購入できるほどの費用が必要です。
自宅を変えるのも、新たに家賃やローンを抱えるのも嫌ですし何しろ子供3人の環境を変えたくないというのもあります。
働く人皆んなが、他の事に使えるようになれば、技術の進歩なり娯楽サービスなり世の中にかなりの影響が作れそうです。
ただし、仮に人々が定額のサブスク動画サービスなどにその時間を全て使ってしまったとすると…。
経済的には何も変わらなどころか、1コンテンツあたりの収益がどんどん落ちるだけというと結果にしかならなさそうですが…。
デメリット
デメリットもあります。
交通機関の利用者は減ります。
主に鉄道、地下鉄などの毎日の出勤の足になっている公共交通機関は確実に減りそうです。
ラッシュが改善する一方で収益構造は悪化します。
鉄道の収益構造の悪化
都心部はそもそも人が多すぎるので、利用者が減って丁度良いかも知れません。
現在、運営収支がギリギリや適切な所は、何かしらの変化が必要になりそうです。
その分、運行本数を減らせば良いかというとそういう簡単な話でもなく、ゼロでない限りは一定の固定費が必要です。
移動経路でのサービス
駅の近くだからということで成り立ってい飲食や娯楽などのサービスも影響がありそうです。
通勤のついでにといった利用者が減ることなります。
こちらも今でちょうど経営がギリギリという所は何か対応準備を始めた方がよいかもです。
栄のプレゼンス低下
「そんなに影響でるかな〜?」と感じる人もいると思います。
構造が変わってくると、消費行動が大きく変わってくる例として、名古屋エリアの人には栄の変化が分かりやすいと思います。
90年代までは名古屋駅エリアよりも栄エリアの方が存在感を放っていました。
今ももちろん大きな街ですが、以前よりプレゼンスは弱まっていて、人を呼ぶための様々なイベントや計画が行われています。
商業施設の街
栄は三越、丸栄、松坂屋、パルコなどを始めとした商業施設が数多くあり、それに伴って飲食や娯楽の多くのサービスがあります。
それに対して名古屋駅はオフィスが中心でした。
名古屋駅の再開発にともなって人を取られたという見方もできます。
多くの人の消費行動が変わったことの方が大きいです。
消費行動が変化した代表例はAmazonとスマホです。
Amazonなどのネット通販で街へ出る回数が減った
多くの人の買い物の仕方が大きく変わりました。
Amazon、楽天などを中心としたネットでの買い物のメインになりました。
1990年代は買い物をしようと思ったら街へでるしかありませんでした。
今はその必要がなくなりましたので、デパートなどの大型商業施設がある、というのは人が集まる要因にはならなくなりました。
人が減れば、それらによって成り立っていたサービスが以前より難しくなるのは当然です。
娯楽の滞在時間がスマホに変わった
もう一つの理由がスマホです。
これまで娯楽やエンターテイメントに割かれていた人の時間が、スマホの利用時間に置き換わっていきました。
昔であれば「少し退屈だし遊びに出たい」となると街へ出て人と合って食事をしたり買い物をしたり、カラオケやゲームセンターなどで遊ぶというのも一般的でした。
今は以前に比べればこれらに時間やお金を使う機会は減っています。
商業の街のプレゼンスは落ちるのは必然
こうした時代的な変化がありますので、栄が昔に比べれば人が減っているというのは仕方がないことです。
その上で名古屋駅エリアの再開発で大くの会社、事務所が名駅にエリアに移っていきました。
僕のクライアント企業でも2000年代に栄、新栄、千種エリアから名古屋駅、丸の内、伏見エリアへ引越した会社も多いです。
同じ様な事がもっと大規模に
テレワークにより働く人達の移動量がもし減れば、当然同じ様な事が起こる可能性があります。
駅を中心とした公共交通機関の利用者が減れば、それに伴って飲食や娯楽のサービスなども利用者が減るのは必然でしょう。
やっかいそうなのは急激な変化ではなく、コンマ数%とか1%とか徐々に減っていく、それに伴って薄利のサービスから立ち行かなくなり、多くの人が「時代が変わった」と認識できずに地味に変化していって50年位たったら、
なんか爺ちゃん世代は毎日1時間も掛けて全員が会社に通っていたらしいよ
という時代になっていそうなことです。
都市部不動産マイナスと郊外駅近のプラス
社員全員が同時に出社しないとなると、オフィスの合理化縮小化も進みそうです。
通勤時間を短くしたいからと都心の高価な物件に住んでいる人達の中で、郊外へ引っ越す人も一部出でくると思います。
都市部不動産にはマイナス
そしてそれらにともなうサービスも需要が減るとなると、オフィス街の不動産の需要にはマイナスの効果になります。
マイナスだから価格が下るという意味ではないです。
価格が決まるのではそれだけの要素ではないので。
郊外駅近にはプラス
その代わりに、郊外の駅チカエリアの不動産にはプラスの効果になりそうです。
毎日会社に出勤しなくて良いなら、無理して会社近くの割高な狭い物件に住む必要はないと考える人も出てきそうです。
ただし、出勤を完全にゼロにというのも難しいでしょうから駅から離れたところは選びにくい。
という事になりそうな気がします。
ただしこちらも都市部不動産と同様に「だらか価格が上がる」というものでもありません。
仕事をする人、世帯での利用は増えると思いますが、そもそも人口自体が今の所は減少していくベクトルです。
プラスの要素の働くいたとしても最終的な相場がどのような結果に繋がらうか寄りマクロな要因の方が影響は大きいです。
増えるもの
減っていく物を中心に考えてきましたが、逆に増える物、必要度が上がっていく物も考えれられます。
通信インフラ
通信インフラは必須です。
そもそもこれがないとテレワークが実現できません。
5Gが盛んに取り上げられていますが、5G第2世代のインフラが整ってくれば、技術的に可能な範囲がさらに広がりより一層のテレワークが進みます。
電気
電気の使用量がさらに増えそうです。
PCと通信回線の利用がさらに増える
PC端末などが必須ですので、これまでそれほど使う時間の長くなかった業種でも常時オンラインでという人が増えそうです。
PCもよりハイスペックになるのは間違いないので、消費電力は増えることはあっても減ることは難しそうです。
エアコンの利用がさらに増える
エアコンの利用が増えそうです。
これまでは多くに人がオフィスに集まっていました。
その間は自宅のエアコンは使っていないでしょうが、在宅での仕事が増えれば皆さん夏場であれば常時クーラーを回すことになるとおっもいます。
一方でオフィスのエアコンは切るのか?
これは難しそうです。
テレワークが増えたとしてもオフィスに誰もいない、という状況は簡単には実現しないと予想します。
規模縮小化などはあるでしょうが、エアコン利用が増える分以上に減るというのは考えにくいです。
運搬・運送
運送、輸送はさらに需要が高まりそうです。
出勤時や移動時のついでに買い物をしたり何かを届けたりというのが減ります。
Amazonなどのネット通販利用がさらに増えるのは間違いなさそうです。
店舗を持つ小売は更に厳しくなります。
WEBサービス
テレワークが進めばより便利なWEBサービスの利用が増えるのは間違いないです。
Slackやチャットワーク、DropBox Paperなども使い倒していますが、先日新たに業務管理のためにKintoneというサービスの契約をしました。
WEB上で簡単に管理ツールをカスタマイズして作成することができるサービスでとても便利です。
こういったサービスのニーズがより高まることは間違いないのです、これらサービスを作ったり提供する側の業界はさらに発展していくと思います。
中核都市が発展する時代?
今回考えたような事をイメージすると、結構良い時代かも知れません。
- 都心の異常な混雑や高騰が緩和される
- 地方の中核都市、主要都市が発展する
こんなイメージが出来てきます。
中核都市以外のエリアは
そういった時代に活躍できるのはどんな仕事でどんな人達なのでしょうか?
サービスの大元に徐々に集約。本質を提供する仕事を
時代と共に技術が進んでいくと、道具や機会が解決してくれる仕事はどんどんなくなります。
サービスや商品の根本は残りますが、それに付随したサービスは遠いところか消えていく運命にあります。
サービスの為のスキルやサービスは、別の方法でより簡易に提供ができるならば必要がなくなります。
常に代替えの効かない本質を仕事の中心に据えていなければならないと改めて感じます。
掘り下げていくと終わらなくなるので、今日はココまでに。
大きな技術革新があれば良いのですが。