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音楽アーティストに事務所機能が必要な理由

事務所は何故必要なのか?_アイキャッチ 音楽の学び
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こんにちは、岩崎将史まさふみです。

音楽活動をしていく上で「事務所」という言葉が良くでてきます。
著名な音楽アーティストの多くは事務所に所属しているというイメージがあるかと思います。

では何故、事務所が必要なのでしょうか?

「音楽アーティストの事務所の役割」を一言で書くと「人を売る」ビジネスモデルと言えます。

事務所の主な役割については過去記事でも書いてきました。

近年は「事務所から独立」とか「セルフマネジメント」などという言葉も多く見かけるようになりました。
そうすると「事務所のメリットは何?」「なぜ事務所と契約するの?」という疑問を生まれてくるかと思います。

音楽事業活動を活動をそれなりに軌道に乗せようとすると「事務所なしでは活動は中々に厳しい」というのが現実ですが、今回はその辺りを解説します。

音楽活動のマネージメント

「音楽アーティストの事務所の役割」の基本は音楽事業活動のマネージメントです。

「マネージメント」とは?

ただし「マネージメント」という言葉は少々厄介です。

過去にこのようなツィートをした事がありまして…

人によって「マネジメント」というワードは「管理」とだけ認識している場合もありますが、どちらかというと「経営」という意味がより重要だと私は考えています。

「音楽アーティストのビジネス的活動」の全てに絡んでくるのが事務所で、そこはレコード会社や出版社などの大きく変わってくる所です。

音楽演奏活動の基本は2種類

音楽アーティストの初期の活動としては、ものすごくざっくりと分類すると以下の2つに集約されると思います。

  1. 自身で企画して演奏(制作)する
  2. 依頼を受けて演奏(制作)する

前者の「自身で企画して演奏(制作)する」は、自身で「企画」をし、広告素材を作成して「宣伝」をし、チケットなどを「販売」し、演目の中身の「制作」や「運営」を行っていきます。

これらの項目を全て音楽アーティスト自身が行うのは中々に大変ですが、絶対に必要な要素です。

後者の「依頼を受けて演奏(制作)する」あれば依頼主クライアントからのオーダー内容や金額などを確認したり交渉したりする「営業」活動なども必要となってきます。

どちらも本番(完了)後に精算を行います。

これらの活動は1つの案件ごとに順番にこなしていくのではなく、同時並行で進んでいきます。
企画Aの本番をしているのと同時に、次の企画Bの宣伝や営業などは始まっています。

これらを1人でやり切ることは、実際には不可能に近いです。
その当たりは後述しますが、先ずはセルフマネジメントの定義を明確にしておきます。

最初はセルフ・マネージメント

自身でマネージメントを行うことを「セルフ・マネージメント」と呼ばます。
いわゆる「どの事務所にも所属していない」もしくは「自分の個人事務所を立ち上げた」という状態です。

セルフマネージメントの別な使われ方

個人事務所を立ち上げた際にも「セルフ・マネージメント」という呼び方をされる場合があります。
個人事務所に所属(=契約)しているので、事務所に所属していない訳ではないですが、

  • 自分自身が経営に参画している
  • 決定権、決済権が自身にある

というニュアンスで「セルフマネジメント」と呼ばれます。
音楽アーティスト1名の為の専用事務所だとしても「経営権」「決定権」「決裁権」をアーティスト自身が所有していない場合は「セルフマネジメント」とは呼ばれません。

セルフ・マネジメントでは、あらゆる事を自分で行う必要があります。

  • 企画計画やブランディング
  • 宣伝やクライアント・関係者とのコミュニケーションなどの営業活動
  • 商談・交渉・契約
  • 実演やそれに当たっての準備や確認など
  • 売上の請求や支払いなどの経理処理
  • 税などの計算や申告と支払い
  • ファンへの対応

セルフ・マネージメントの限界

多くの音楽アーティストは、活動の初期は自分自身でマネージメントを行う必要に迫られます。
売上も安定しないので人を使うこともできません。

ただしビジネス的に必須とされている前項の業務を全て本人が行うのは時間物理的に不可能です。
そのために多くの音楽アーティストは、どこかが疎かになり事業活動が安定しないという例の方が圧倒的に多くみられます。

もう一度記します下記の業務は他の一般的なビジネスでは日常的に行われていることです。

  • 企画計画やブランディング
  • 宣伝やクライアント・関係者とのコミュニケーションなどの営業活動
  • 商談・交渉・契約
  • 実演やそれに当たっての準備や確認など
  • 売上の請求や支払いなどの経理処理
  • 税などの計算や申告と支払い
  • ファンへの対応

しかもビジネスの世界ではどれか1つでも掛けると勝てない、成功しないと言われています。
全てを完璧に行った上で、それでも競合に勝って生き残っていけるのか?というのが市場経済だったりします。

そのためにある程度優先順位をつけつつ、どの程度を実践していく必要があるかは意見が分かれるでしょう。
少なくとも「やれるべきことを全部やる」と1人のリソースでは中々に難しい量の業務タスクであることは想像しやすいと思います。

セルフ・マネジメントは仕事の量やクォリティの低下に繋がる

僕も経験がありますが、本番前のリハーサル中にも、次のクライアントから変更や確認、交渉などの電話がバンバン入ってきたりします。

全くもって仕事が進まないどころか、仕事全体のクォリティが下がる事にもなってしまいます。

またタイミング良く電話に出られなかったり、確認と返信が遅れることにより仕事を逃すなどの「機会損失」と呼ばれる経営ではあるべきではない状況が頻繁に発生するようになります。

チームとして音楽ビジネス活動を発展させる

趣味として音楽活動を行うのであれば、自分自身で出来る範囲でゆっくりとで良いですが、ビジネスとして生計を立てて数十年に渡り発展、安定させていこうと思うと個人では限界があります。

1人からチームとしてビジネスを昇華させる段階になります。

そこで登場するのが「事務所」です。

チームとしてビジネスを発展させるための「事務所」

音楽アーティストにとって、割と直ぐに「事務所」が必要になる理由がお分かり頂けたかと思います。

ファンや顧客の数が増えて千や万単位になると個人では対応に限界あります。

事務所が必要になった際に、一般的に2つの選択肢があります。

  1. スタッフを雇い、個人事務所を立ち上げる
  2. 既存の事務所にお世話になる

事務所に入る、あるいは立ち上げることにより人員を増やし、様々な業務を分担することによって活動の効率を上げ生産性(利益)を上げるというのが目的になります。

経費が必要になりますので音楽アーティスト個人の所得は売上に対しての率としては下がることとなります。経費の初期は投資となり膨大な出費になります。
ただしその分、より高い営業力などで活動することによりファンを増やし知名度を上げ、結果として将来の利益にで帰って来ることを目指します。

というのが事務所の大きな捉え方と言って良いでしょう。

今回は「音楽アーティストにとって事務所が必要な理由」がテーマですので、この当たりはまた次のタイミングで書こうと思います。

ではまた。

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