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CFX、Ivory II、Keyscape、QLP|4つのピアノ音源【他も】を徹底比較【2020】

DTM・レコーディング系ノウハウ
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こんにちは、岩崎将史まさふみです。

いくつかのプラグインピアノ音源を買い揃えていて、曲に合わせて使い分けています。
購入を検討している人の参考になれば、と違いをブログ記事にまとめます。

ピアノ音源の比較表【プラグインシンセ】

表にまとめてみました。
それぞれの名前から各詳細に飛びます。

  名前 メーカー 価格帯

Vel.Lyer

倍音 マイク 容量
良く使う❤️ YAMAHA CFX Vienna ¥32,000~ 最大4,200サンプル X 5~10 115GB~240GB
Keyscape SpectraSonic ¥27,000~¥40,000 ? X 1 ?
Ivory II Synthogy

¥25,000~¥40,000

16~24 1 50GB~90GB
Quantum Leap Pianos East West ¥22,000~¥40,000 5~16 3 270GB
ほぼ使わない😢 KOMPLEAT 12 Ultimate Native Instrument ¥55,000~¥130,000 ? X 1 ?
気になる🤔 Pianoteq MODARTT ¥36,000~¥58,000 ? ? 40MB
Ravenscroft 275 VI LABS ¥27,000~¥28,000 ? ? ? ?
必要ないかな EZkeys GRAND PIANO ToonTrack ¥12,000~¥17,000 ? ? ? ?
VIENNA IMPERIAL Vienna instruments ? ? ? ?
Addictive Keys XLN Audio ¥8,000~¥22,000 ? ? ? ?

僕が重要視しているのは下記で、主にこれらを中心にレビューと評価をしています。

  1. サンプルのクォリティ
  2. サウンドドライバーのクォリティ
  3. ベロシティ・レイヤーの細かさ
  4. 倍音による共振

簡単に言うと、

岩崎
岩崎

動作は重くてよいから、とにかく生ピアノでのレコーディングの代わりになるやつ頼むも〜

です。

それぞれの要素を解説しておきますが、面倒くさい人は飛ばしてください。

ほとんどの音源はホールやスタジオで本物のピアノをPCM方式でデジタル・レコーディングをし、その波形を演算処理して再生します。
このレコーディング時のクォリティが高いことは何より絶対条件です。

正直2,000年代は「ひどり録音だなぁ」と思えるピアノ音源がも多かったですが、最近の定番ものはどれも問題ない印象です。

たとえ良いレコーディングをされた波形を持っていても、プラグインの再生方法がよくないと音の良さを活かせません。プラグインによってはプラグイン内部でサウンドを調整すると音が悪くなったり、あきらかにDSP処理が荒いと思われる、高域の解像度が極端にあらくなるようなプラグインシンセもたくさんあります。

トップエンドのあらい詰まった感じ、艶のなさがプラグインシンセ特徴。最近は改善されてきているものも出始めてきてはいますので、今後にも期待したいです。

ベロシティー・レイヤーとは鍵盤の打鍵の強さが、何段階くらいでサンプリングされているか?です。
細かければ細かいほど、強弱のニュアンスなどの再現性が高いです。
ピアニスト視点でみると、僕は最も重要視している部分です。
ここが荒かったり、レイヤーごとの繋ぎの処理で音が悪いと、ほんと使えなくて、

岩崎
岩崎

生ピアノで録っちゃうも〜

となってました。
最近はかなり良いものが出てきて、調律代と時間とを天秤にかけて、このまま打ち込みでいこうと思えることも増えてきました。

岩崎
岩崎

聴き比べたら生の方が断然良いのだけども〜

本物のピアノは倍音によって他の弦の共振を引き起こします。

例えばペダルオープンの時とクローズの時では、1つの弦を演奏したときでもサウンドは変わります。他の弦の共鳴が影響するからです。
ペダルオープンでなくとも、キーを抑えてハンマーが下がって入れば倍音がなります。

2000年代のピアノ音源は、単発音のPCMサンプルを再生するだけで、これらのアクションによる微妙なサウンドや倍音の変化は再現できていませんでした。
僕はデジタルピアノのYAMAHA Pシリーズを長く使っていたのですが、すでに抑えているKEYの共鳴が再現されていて好きです。

近年では、Synthogyが「ハーモニック・レゾナンス・モデリング技術」などと歌い、すでに打鍵しているKEYの倍音については再現されています。遠いKEYだと本物より弱い気がしますが。

ただしペダルオープンじの倍音を再現してくれるピアノ音源に僕はまだ出会ったことがありません。すでにあるのかも知れませんが、僕が持っている限りではないです。

サスティンペダルを踏まないCと踏んだCでは、共鳴が発生して音数は全く別物なんですけどね…。

【詳細1】普段から使っているピアノ音源

まずは普段から使っているピアノ音源の紹介です。

VIENNNA|YAMAHA CFX

Synchron Stage Vienna というスコアリングスタジオでレコーディングしたYAMAHA CFXのピアノ音源です。

CFXとは?
CFXについては説明するまでもないと思います。
YAMAHAが2012年に発表したフルコンサートピアノの最高峰です。
もしフルハウスのピアノを買いかえなければいけないとなったら、次はCFXにしたい…買えないけど。

VIENNNA|YAMAHA CFX の良いところ

めちゃめちゃ良いです。
最近はこればっかり使っています。
個人的に今、一番おすすめですが、具体的に解説します。

  • ダイナミクスのバリエーションが精細
  • あらゆるペダルテクニックを再現
  • レコーディングされたホールのサウンドが素晴らしい
  • マルチマイキングの位相処理もパーフェクト
  • サウンドドライバーが超優秀
ダイナミクスのバリエーションが豊富

1鍵あたり最大4,200 サンプル

本当に生ピアノを弾いているみたいです。
特にピアニッシモでの演奏時が凄い色気です。
うまく言えないけどエロい音です。

最大で10箇所のマルチマイクですので、チャンネル単位でみたら1鍵420サンプル。
ペダル音などもあるので、もう少し減りますが、とても自然な音色変化です。

あらゆるペダルテクニックを再現

ペダルサウンドも網羅しています。
ソフトペダル、ソステヌート、サスティーンはもちろんのこと、ハーフ・ペダルやリ・ペダリングまで再現しています。

レコーディングされたホールのサウンドが素晴らしい

メインマイクとホールマイクのサウンドは濁りのない綺麗な音です。
プラグイン音源のホールマイクというと何故だか遠くてぼやぼやした音になってしまっている物もありますが、実際のコンサートホールでレコーディングしているかのような使える音です。

マルチマイキングの位相処理もパーフェクト

Room, Close, Main, Main-C, Surround など、マイクポジションも豊富です。
そして混ぜた時の位相処理も完璧です。

サウンドドライバーが超優秀

元のサンプルのクォリティは高いのに、再生時の処理が残念なプラグインシンセはこれまでたくさんありました。
ハイエンドが落ちたり荒くなってチリチリ感が出てきたり、生演奏録音のトラックと比べて明らかに上がない感じで抜けが悪かったり。
この辺りが大きく改善されていて、トップエンドもスムーズです。

VIENNNA|YAMAHA CFX の惜しいところ

ないです。
強いて言えばというところで「他の弦の共鳴がない」だけです。
僕はそれだけですが、一般的に気にする人も多いだろうと思われることをあげます。

  • 他弦の共鳴がない
  • 強いて言えば、音量差が大きい
  • ピアノ自体を変更することはできない
  • 最大240GBの大容量データ
他弦の共鳴がない

僕が惜しいと思うのではこれだけです。
サスティンペダル時も打鍵中のキーも共鳴は発生しません。

ここはIvory IIが勝ってます。
将来のアップデートで対応することを願っています。

他の弦への共鳴?
Ivory II で詳しく説明してますので、そちらをご覧ください。

音量差が大きい

音量差が大きいといって、普段、生ピアノをレコーディングしているのと同じようにトラッキングされます。
レコーディングエンジニアでもある僕としてはとても嬉しいです。
余計な処理がされていない分、音が良いのだと思います。

ただし、これまで作られた音で慣れてきている人が、これまでのデータを再生しようとすると、

とあるDTMミュージシャン
とあるDTMミュージシャン

フォルテッシモがでかすぎて、ピアニッシモが聴こえないんだけど

となるかも知れません。
それだけ表現の幅がすごいので、既存データのVelocityの調整は必要かもです。

ピアノ自体を変更することはできない

CFXだけなので、CFXが嫌いな人には合わないです。
ただし僕には十分で、本物のCFXが入っているスタジオがあったらめっちゃ喜んじゃいます。
Vienna のピアノ音源が欲しいけどCFXが嫌だという人は、後述するImperialが良いかもしれません。

最大240GBの大容量データ

他のピアノ音源の数倍の容量があります。
しかも1台で。
それだけでリアリティが伝わると思います。

使用条件はSSD(外部ドライブの場合はUSB3以上)が推奨されています。

なお、僕のMacBookPro2018モデルでは、内臓SSDにインストールしました。
何の問題もなくサクサク動きます。
オーケストラやバンドのトラックの中でも問題ないです。

低スペックだともしかしたら、すこし厳しい場合もあるのかも知れないですね。

生ピアノのレコーディングができない低予算案件でもストレスが減った

低予算で生ピアノ録音が難しい時に相当ストレスがありましたが、CFXにしてからかなり軽減されました。
もちろん生録音の音の魅力には勝てませんが、「こういう曲なら生じゃないと」というハードルはかなり下がりました。

まだ使い始めてそれほど日月が立っていないので、公表できるYouTubeなどがありませんが、ぼちぼち出てくると思いますので、かたブログで紹介していきます。

VIENNAキーが必須

別売りのVIENNAキーが必要です。
これで所有権のオーサライズを管理します。
持ってない人は合わせて購入するのを忘れずに。

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VIENNA
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SPECTRASONIC|KEYSCAPE

ピアノは次の3種類です。

  • YAMAHA C7 LAカスタム系
  • Wing Track Piano系
  • Wing Upright系

ピアノ専用音源ではなく、キーボード系音源としてリリースされています。

SPECTRASONIC|KEYSCAPE の良いところ

  • 鍵盤楽器の種類が豊富
  • エレピやクラビネットなどは、1stチョイス
  • ポピュラーミュージッ系にはピアノもバッチリ
鍵盤楽器の種類が豊富

ピアノ以外のエレピやクラビネットなどの鍵盤楽器系が豊富です。

エレピやクラビネットなどは、1stチョイス

生ピアノ以外のキーボードに関しては、Keyscapeの一択です。
エレピやクラビネットなどの使える音が必要な人は最初に購入するべき音源です。

ポピュラーミュージッ系にはバッチリ

その上で、ピアノも十分に使えるクォリティです。
明るくはっきりした音なのでポピュラー中心であれば、これだけでも十分だと思います。

岩崎
岩崎

尚、フルハウスのピアノはYAMAHA C7LAモデルだども〜

フルハウスのピアノ
フルハウスのピアノ

SPECTRASONIC|KEYSCAPE の惜しいところ

  • ピアノの種類が少ない

ピアノの種類が少ない

ピアノの種類が少ない、というかグランドピアノに関してはYAMAHAのC7 LA Custumしかないです。
サウンド的には少し硬めの明るい音ですので、クラシックが中心の人には向かないです。

ステレージの使用容量は?
これが何故だかSSDドライブの中のどこにライブラリーが保存されているのか不明なのです…。どこかにはあるのだと思いますが、検索しても見つからない…。インストールする時に指定していると思うのですが。

EAST WEST|Quantum Leap Pianos

East Westのピアノ音源です。
下記の4種類があります。

  • Bechstein 280
  • Bösendorfer 290 
  • Steinway D
  • Yamaha C7

しっかりと王道を押さえてきています。

下の動画のBGMで使いました。


冒頭部分にピアノが出てくるので分かりやすいかと思います。
この曲ではHornやStringsもEast Westのオーケストラ音源がたくさん活躍しています。

他にもこのピアノ音源を使った曲はたくさんありますので、見つけたら加筆しようとおもいます。

EAST WEST|Quantum Leap Pianos の良いところ

実用的なマルチマイキング

ハリウッド的な空間の大きなピアノサウンドにベスト

実用的なマルチマイキング

マイキングは、3種類。

  1. Close
  2. Player
  3. Room

僕が昔、仕事を通して学んだグラミーエンジニアがこの3つのポジションを巧みに使い分けていました。そのノウハウがそのまま活かせるサウンドなのでとても扱いやすいです。

ハリウッド的な空間の大きなピアノサウンドにベスト

East West のサウンドは全体的にそうですが、ハリウッド映画で使われるような大きな空間のサウンドに向いています。

EAST WEST|Quantum Leap Pianos の悪いところ

これといってないですが1つあるとしたらこれです。

Gold Edtion は買ってはいけない

East West のほとんどの音源に言えることですが大抵は、

  • Gold Edition
  • Platinum Edition

の2種類があります。

昔はSilver Edtionとかもあったけど、今もるのかな?

Gold Editionだとマイクポジションが1つだけだったりするので、僕はいろんな人に買わないように言っています。
Gold Editionのマイクポジションだけだと、近接音が使えないので距離感の調整ができないです。

SYNTHOGY|Ivory II

2000年代に登場した初代 Ivoryアイボリー
当時としてはダントツの音の良さで、速攻で購入しました。
その代わり、ものすごく容量が大いため当時のPCスペックでの動作は中々に重かったです。

追加音源もリリースされ現在では以下の5のラインナップになっています。

  1. Grand Pianos
  2. Italian Piano
  3. Amreican Concert D
  4. Sutdio Grands
  5. Upright Pianos

とても多いので、まずは全体ざっくり評価です。

SYNTHOGY|Ivory II の良いところ

Ivory Iから10年ほど愛用中

操作がシンプルでわかりやすい

打鍵中の共鳴が再現されている

Ivory I から10年ほど愛用中

当時は他に選択肢がないと言って良いほどにダントツの音質でした。
その代わり思いですが、クラシック系では今でも使っている人が一番多いのではと思います。

操作もシンプル

操作もシンプルで使いやすいです。
プリセットを選んで、お好みにスライダーを触るだけ。

打鍵中の共鳴が再現されている

共鳴が再現されているのがピアニスト視点では超絶嬉しいです。
Synthogyは次のように謳っています。

ハーモニック・レゾナンス・モデリング技術による、リアルなストリング・レゾナンス共鳴(打鍵時にすでに押さえている鍵盤の弦が共鳴する現象)がある

とても良いです。
なんで他はこれを再現しないのか、全く意味がわかりません。
Ivory II 最高です!

が、2つ問題というか残念がまだあります。

残念その1|共鳴するのは1度と5度だけ

共鳴するのが何故か1度と5度だけなんですよね…。
例えば、C1を叩いた時に、こんな感じで共鳴します。

倍音NOTE共鳴するか?
2倍C2
3倍G2
4倍C3
5倍E3X
6倍G3
7倍Bb3X
8倍C4
9倍G4

という感じで、1度5度はどこまでも共鳴するのですが、3度や7度は全く共鳴しません。
特に7倍のBb3が全く共鳴しないのに、次の8倍が大きく共鳴するのには強烈な違和感を感じます
本物のグランドピアノと大きく違うところです。

SYNTHOGYには是非、次のバージョンアップでの改善を期待したいです。

ただし他のピアノ音源は共鳴がないので、それを考えたら素晴らしい機能です。

残念その2|サスティンペダルでのオープン時は倍音がない

共鳴するのは、鍵盤がONになっている音のみで、ペダルオープン時は倍音が発生しません
88鍵のペダルオープンを再現しようとすると、ものすごい同時発音すで今のPCスペックでは現実的ではないのでしょうが、量子コンピューターが実現するころには再現されるようになるのでしょうか…。

SYNTHOGY|Ivory II の惜しいところ

倍音に関してはネガティブなことも書きましたが、他にはない昨日ですし全体としてはポジティブなので良いところで書きました。

サンプル数が少ない(CFXにくらべて)

左右の位相差に気をつけよ

マルチマイクではない

サンプル数が少ない(CFXにくらべて)

CFXに比べてサンプル数が少なく表現力がやや落ちます。
これはCFXを購入する同期になりました。

特に初代リリースのGrand Pianosは、Velocity Layerが18段階程度ということもあり、ピアニッシモでの音色変化の色気なのはCFXに負けます。
フォルテエリアではひけはとらないですが。

1KEYあたり最大4,200サンプルというCFXが凄すぎて異常なんですけどね…。

後発のItalian GrandやNewYork Concert Dなどは24段階ということで、Grand Pianosよりオススメです。

左右の位相差に気をつけよ

これ注意が必要です。
Stereo Withなるパラメータがあります。
ステレオマイキングのパンニングの広さを調整するものです。
デフォルトだと80%になっているものもありますが、位相悪いです。
なんかもこもこしておかしいなと思ったらこのパラメータを発見。
100%にすると、スッキリ音がよくなります

これ、実際の生のピアノレコーディングでもあるんです。
マイクポジションにもよるのですけれど。

マルチマイクではない

YAMAHA CFXやQuantum Leap Pianosなどと違い、Ivory IIはマイクポジションが1つです。
実際上はそんなに困らないですが、サラウンドの制作をするときにはLSやRSのサウンドは仕方がないのでリバーブで作っています。

個別音源ごとの詳細と評価

それでは個別の音源ごとの評価詳細です。
それぞれ別商品として選択して購入できます。

Ivory II|Grand Pianos

最初にリリースされたIvoryになります
77GBのデータ容量の中に、下記に3台が収録されています。

  • Bösendorfer 290 Imperial Grand
  • Steinway D Concert Grand
  • Yamaha C7 Grand

発売当時の売りは何と言っても売りは、Bösendorfer 290 Imperial でした。
Steinway D は、後発のAmerican Concert DがNewYorkモデルなのに対して、ドイツモデル(だったはず)です。
C7はノーマルC7で明るい音がするのと、容量が軽く低スペックPCでも扱いやすくなっています。

今となってはVelocityが18段階は少し物足りないです。

Ivory II|Italian Piano

メーカーサイトだと、「イタリアの幻のピアノ」としか書いていません。
権利上から公表できないのだろうと推察しますが、FAZIOLIファツィオーリ だと思います。

名古屋ブルーノートに入っていて、演奏したこともありますしレコーディングも何度もさせていただきました。

先日、このIvory II -Italian Grand-を使った、SaxとPianoのCDのミックスとマスタリングをしました。
クラシカルなシンプルな編成でも全く違和感のないサウンドでした。
ペダルを踏む音もシミュレートされていて、パット聴きには生録音のように感じます。

ベロシティ・レイーヤが最大24段階ということで、後述するAmerican Conert Dと並んでIvory IIの中では最も細かいので、その効果も高いと感じました。

Ivory II|American Concert D

Steinway & SonsスタインウェイモデルDです。
1951年製の“New York” Steinway® Model D とのことで、ジャズなどポピュラー系で人気があります。

ベロシティレイヤーが最大24段階ということで、Ivory IIシリーズのなかではItalian Grandとならんで一番細かいです。

Ivory II|Studio Grands

名前の通りスタジオで収録されたサンプルが使用されています。

  • SteinwayのモデルB(録音:Power Station NE / コネチカット州)
  • Bösendorfer 225 (録音:Firehouse Recording Studios / カルフォルニア)

Grand Pianosよりも多いサンプル数、そしてスタジオ収録でより音の良いピアノ音源を目指したと思われます。(推察です)

Ivory II|Upright Pianos

アップライトピアノの音源です。

  • Yamaha U5 Modern Upright
  • 1914 A.M. Hume Vintage Upright
  • Honky Tonk Barroom Upright
  • Real Tack Piano

の4種類で数が豊富です。
その分、データ容量が84GB以上ということで、なかなか膨大です。
ただし、各KEYのベロシティーレイヤーが16段階ということで、ピアニスト的にはちょっと残念なのではと想像します。

僕はアップライトピアノが必要なシチュエーションが未だかつてなく、購入するには至っていません。カテゴリーを分けるとややこしいのでこちらに記載しました。

Ivory II の総評

全種類を集めると膨大なデータ容量になります。
1つのパッケージで80GBとして5パッケージをフルに集めると400GBになりますので、SSDドライブをこのために1台専用にしないとです。

ただし、どれもクォリティが高いので、僕はどれか1つを購入すれば十分です。

  • クラシックならItalian Grand
  • ジャズならAmerican Concert D
  • ポップスならStudio Pianos

が良いとかと思います。
が、どれを買ってもオールジャンルいけます。

僕は購入した時はGrand Pianosしかなかったのですが、今ならこの3つでGrand Pianosは買わないです。

KOMPLEAT 12 Ultimate|Native Instrument

NATIVE INSTRUMENTのKOMPLEATには、KONTACTプレイヤー上で動くピアノ音源が数種類、同梱されています。

  • TEH MARVERICK (グランドピアノ)
  • THE GRANDEUR (コンサートグランド)
  • THE GENTLEMAN (アップライトピアノ)
  • UNA CORDA
  • ALICIA’S KEYS

KOMPLEAT 12 Ultimate のピアノの良いところ

容量、動作が軽い

容量、動作が軽い

KONTACT全体では膨大なストレージ領域を必要とします。
が、ピアノに限定すると、ひつつひとつのサンプル容量はピアノ専用音源より軽いです。
そのため、さっとデモなどをまとめたい時には向いでいます。
特にそれほどPCスペックが高くない人には、他の専用音源だと重すぎてピアノ以外の楽器を同時に動作させるのがきつくなってくるかもしれません。

もし、DTMユーザーでNative InstrumentのKONTAKTを持っていない方なら、ピアノ専用音源の前にささっと購入すべきです。
これで一通りのサウンドは手に入ります。
あまりにも業界標準すぎて、「持ってない人なんでいないよね?」という位置づけです。

KOMPLEAT 12 Ultimate のピアノの残念なところ

音も軽い

サウンドクオリティだけで言えば、他のピアノ音源に圧倒的に負けます…。
動作が軽い分、音色も軽く、表情の変化に乏しくグッと来ません。

僕の記憶が正しければ、今まで僕は本番ミックスでどれも使ったことがないです。

ただしユニークなピアノも入っているので、変わった音が欲しい時には使えるのかもです。

【詳細2】持ってないけど気になるピアノ音源

MODARTT |Pianoteq

物理モデリングのピアノ音源です。

物理モデリングとは?
PCMサンプリングのようにあらかじめ録音された音を再生するのではなく、演算処理で弦やボディーの振動を計算して再生音を作りだす方式です。

物理モデリングというのがとても興味があります。
PCMサンプリングの音源ですと、

  • 録音の問題:PCMサンプリング時のサウンドクォリティー
  • ミックスの問題:度重なるDSP処理によるサウンドの劣化
  • 楽器としての問題複数の打鍵時のやペダル時の他の弦やボディーなど全体への影響

これらが気になります。
特にサスティンペダル時の倍音共鳴については、サンプリング方式では現実的ではないと思うので、物理演算なら、論理的には可能になっていくのでは?と期待しています。

これらの問題を Pianoteq が解決しているという意味ではありません。
(使ったことがないので分からないです)
論理的には、そこまで計算させることは可能という意味です。

またサンプリング方式ではないため、データ容量が40MBととても軽いのも魅力。
誰か使ってる人いませんかね?

VI LABS|Ravenscroft 275

気になる理由は、なんといってもレアなRavenscroftモデル275のサンプリング音源であるということです。
動画を見るかぎり、音もとても良さそうです。

2つ目の動画では、ペダルレゾナンスも緻密に再現されているようです。

【詳細3】有名だけど必要ないピアノ音源

この項で書くのは、僕の周りで使っている人が多いけど僕には必要ないと考えている音源です。
それは音源のクォリティが低いからではなく、既に持っている音源と被るからの理由です。

ToonTrack|EZ KEYS GRAND PIANO

学生で使ってい人が多いです。値段が安いというのが1つの魅力だと思います。
悪い印象はないです。

Vienna Instruments|VIENNA IMPERIAL

あんまり詳しくチェックしていなくて、先にYAMAHA CFXを購入してしまったので導入することはないかなという感じです。
IMPERIALということであれば、Ivory IIがあるので。
Ivory IIを持ってない人は、CFXと合わせてこちらでパリエーションを広げるのは全然ありだと思います。

XLN Audio|Addictive Keys

こちらもよく話題にでます。
既に作り込まれた派手な音で、ミックスの中で映えるという友人もいます。

購入おすすめピアノ音源の組み合わせ

定番のプラグインピアノ音源について書いてきました。
最後に僕のオススメのチョイスです。

ピアノがメインの人

ピアノがメインの人は悩みますが、Vienna の YAMAHA CFX が良いと思います。
クラシックもポップスもいけます。

Ivory II なら、

  • ポピュラー系の人なら、Studio PianoNewYork model D
  • クラシック系の人なら、Italian Grand

が良いと思います。

ポピュラー中心でエレピなども重要な人

Keyscapeは必須です。
グランドピアノに不満が出てきたら、CFXかIvory IIを足すのが良いです。

あまりプラグインシンセを持っていない人

まずはNaitive InstrumentのKOMPLEAT Ultimate を買いましょう。
ほぼ全ての楽器のサウンドを手に入れられます。
ピアノ自体の評価は辛口で書きましたが悪い訳ではないので、まずはオールマイティに全楽器が手に入るKOMPLEATがオススメです。

その後、必要性に合わせて専用音源を買い足していくのが良いです。

最後に

ということで、おすすめの使っているピアノ音源を中心に買いてみました。
皆さんの音楽活動にちょっとでも役に経てば嬉しいです。

僕の会社フルハウスでは、あなたの音楽作品、DTM作品などのミックスやマスタリングなどのお手伝いをできます。
是非一度ホームページを覗いてみてください。

では、また。

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