こんにちは、岩崎将史です。
日々、楽曲のミックス作業のオーダーをいただいてますが、良く質問を頂きます。
どのようにデータを作ってお渡しするのが良いですか?
エンジニアにミックスを依頼する時の楽曲データについて解説します。
搬入するデータのフォーマット
まずミックス依頼時の受け入れ可能なフォーマットは下記です。
- WAVファイル、AIFFファイル、SD2ファイルなどのオーディオファイル
- サンプリングレートは44.1Khz〜192Khzの範囲
- Bit Depthは16Bit〜32Bit(浮動小数店)
楽器ごとにファイルを分ける
楽器ごと、トラックごとにファイルを分けてください。
そうすることによって、楽器の定位やバランス、音質などを細かくミックス調整できます。
ファイル名はどのようにしたら良いか?
ファイル名をみて何の楽器がわかるようにしておいてください。
下記画像をご参考ください。
ピアノの左手と右手は、別々がよいですか?
右手と左手の音色やエフェクト、音量バランスなどをミックスで調性する場合は分かれている必要があります。
そうでない場合は、1つに纏まっていて問題ありません。
ドラムキットやパーカッションキットはまとまっていても良いのですか?
できるだけ分けてください。
特にドラムはバス(=キック)やスネア、タム、ハイハットなど個別のバランス調整や音作りが重要です。
プラグイン・エフェクトは有りと無しの両方あるとベスト
ミックス前の状態でも仮ミックスとしてEQやコンプレッサー、リバーブを始めとした各種エフェクトを使っていると思います。
その場合は、エフェクト有りと無しの両方を頂けると、作業が著しく効率的(≒安く)になります。
ファイル名はどのように変えれば良い?
特に決まりはありませんが、下記のような感じで違いが分かるようになっているとありがたいです。
エフェクト有り
- “楽器名”+“EFX”
- “楽器名”+“Wet”
エフェクト無し
- “楽器名”+“Dry”
さらにエフェクト有りと無しでフォルダ別になっていれば完璧です。
自分の仮ミックスのボリューム情報はどうすれば?
非常に悩むところですが、僕は下記が良いと考えています。
- 「エフェクトなし」はボリューム情報を含めない
- 「エフェクトあり」はボリューム情報を含める
理由を説明します。
エフェクト無しの場合
極限まで音の良さを追求したいので、ボリューム情報は含めずにオーディオファイルを作成してください。
エフェクト有りの場合
エフェクトありの方はボリューム情報を含めてください。
ただし絶対ではないです。
理由は、各トラック(≒オーディオファイル)を並べたらほぼ現状の仮ミックスが再現される状態になるからです。
これによって僕は作成者がどういうサウンドを意図していたのかを素早く的確に理解できます。
また、もし音質に問題がなければ本番ミックスでもそのまま使うことによって、作業時間の節約(≒ミックス費用の縮減)に繋げることができます。
モノラルとステレオの使いわけは?
楽器や欲しいサウンドによってモノラルファイルとステレオファイルのどちらが良いかは変わってきます。
基本はステレオでOK
モノラルとステレオは適切に使い分けて欲しいですが、良く分からない場合は全てステレオにしておいてください。
可能であればモノラル・ファイルのままで作成して欲しいもの
- ラインでレコーディングされてEギターやEベースのトラック
- モノラルマイクでレコーディングされたボーカルマイクや楽器用マイクのトラック
などです。
必ずステレオ・ファイルで作成して欲しいもの
- ストリングスやシンセパッドなどの左右に広がっているサウンドが望ましいトラック
- 上記と同様なピアノ、オルガン(特にレズリー系など)
- ドラムスやパーカッションやオーバーヘッドなど
作成したデータの送り方
僕の場合は、ご連絡を頂ければデータアップロード用のURLをご案内しています。
お使いのPCブラウザにファイルをドラッグ&ドロップして頂ければ簡単にアップロードできます。
それ以外にもいくつかの方法があります。
宅ふぁいる便、ギガファイル便などのファイル転送サービス
宅ふぁいる便、ギガファイル便などのファイル転送サービスでお送りいただいても大丈夫です。
送り先のメールアドレスは、フルハウスのお問い合わせフォームからご連絡を頂ければご案内します。
DropBox、One Driveなどのクラウドサーバーの場合
アップロードしているURLをお知らせください。
それ以外にも、ほぼ何でも対応可能
他にも、
- USBメモリやハードディスクして宅配便で
- DVD-Rなどにプリントして郵送
なども可能ですし、提案いただければ大抵のことには対応します。
自分で作るのは無理そうな場合
う〜ん、良く分からなくて難しそう…
という場合は一緒に作成作業を行いましょう。
お使いのマルチトラックレコーダーや、PCをお持ち込みいただいて一緒に作成作業を行うことはままあります。
作業代は必要ですが、1曲作業しながらやり方を説明しますので、2曲め以降はご自身でできるようになると思います。
DAWのプロジェクトファイル(セッションファイル)での搬入
ProToolsの場合は問題ない
ProToolsのセッションファイルであれば、特殊な場合をのぞいて問題ないです。
それで搬入ください。
プラグインやソフトシンセはオーディオファイル化しておくんだも〜
Logic Pro XかCubaseの場合
Logic Pro X、Cubaseであれば対応は可能です。
ただしその場合は、所有しているプラグインなど違うためソフトシンセやエフェクトなどは再現されませんので、オーディオファイル化していただく必要があります。
理由1:マルチ作成と手間は同じだから
その場合は1つづつオーディオファイル化しなければいけないので、それなら通常通りにマルチのオーディオファイルを作成するのと手間は一緒です。
マルチの書き出しにしましょう。
理由2:費用が余分にかかる
僕は最終ミックスはProToolsで行なっています。
LogicやCubaseの場合、書き出し作業が必要になりますので、その分の作業代が必要になります。
上記以外のDAWの場合
フルハウスで持っていないDAWのプロジェクトファイル(セッションファイル)での持ち込みは無理です。
最後に
以上、ミックスの依頼時に良く訊ねられることに回答してみました。
他にも質問あればなんでも問い合わせください。
ではまた。