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バンダとは?【名フィル定期】ベルリオーズ幻想交響曲【録音】

バンダとは?名フィル定期演奏会 ベルリオーズ 幻想交響曲 ホール・レコーディングの仕事
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先週末の2日間は名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会で録音でした。
第473回目との事。

曲は以前に記事にしたベルリオーズの幻想交響曲。
グレゴリオ聖歌について書いたときです。

グレゴリオ聖歌の「怒りの日」がモチーフで登場するのですが、この曲はもう一つの特徴があります。

バンダとは?

オーケストラとバンダ
オーケストラとバンダ

それはバンダです。
この曲ではバンダと呼ばれる楽器群が登場します。

舞台上にはいない小編成の別働隊

メインの編成とは別に組まれた別働隊として演奏する小規模アンサンブルをバンダといいます。
イタリア語です。
英語だとbandバンドになります。

1隊、1団など集合体を単数で考える呼び方。
ブラスバンドやジャズバンドのバンドです。

ステージ袖か裏が多い

バンダは一般的には舞台の袖か裏などの客席から見えない位置で演奏することが多いです。

遠くで演奏している状態を演出

何故、見えない位置で演奏するのか?と言うと、主に2つの理由があります。

ストーリーを表現

ストーリーを表現する上で、同じ場所から音が聴こえるのが望ましくない場合ばあります。
演劇やストーリーのある音楽で、遠くの方で奏でているシチュエーションなどです。

遠くの方で鳴っている管楽器や太鼓など。

単純に音量が大きい

舞台上では音がうるさすぎる楽器をバンダにするという場合もあります。

今回は鐘

幻想交響曲では2つの鐘が登場します。
教会の鐘の音をイメージしているのでしょうか、低音域でのC2、G1での表記があります。
楽譜ではバンダとして指示されています。

鐘の場所に再生場所をセットしてます。

カラヤン指揮、ベルリン・フィルでの動画です。
遠くの方で大きな鐘の音がなっている様子がイメージできます。

鐘の手配ができない時は、チューブラーベルなどでも代用されるようですが、オクターブが高くなりますので、ベルリオーズの意図とは違う物になってしまうように感じます。

チューブラーベルとは?

先程の曲中の鐘と比べると明るく軽い音がするのが分かると思います。

距離や袖の開閉具合でサウンドを調整

バンダ配置の距離感と袖のドアなどの開閉具合によって、サウンドを作っていきます。
距離感や音のこもり具合などを調整する事ができます。

録音の音が、万が一バンダの音が遠すぎた場合に備えて舞台袖にもマイクを設置しました。

バンダにもマイクを設置
バンダにもマイクを設置

バンダにしない場合も

楽譜にバンダという指示があってもで、バンダにせずに舞台上で演奏する場合もあります。

1976年のバーンスタイン指揮のこの動画では、バンダとしてではなくパーカッションの位置に置いているようですね。

この場合にはアタック音が直撃でちょっと少しキツイと僕は感じます。

モニターが必要

バンダとしてステージの袖や裏で演奏する場合、ステージ上の音は聴こえなくなります。
全く聴こえないわけではないですが、演奏を始めるとバンドの楽器音にき消されるため、タイミングを合わせることが困難になります。

そのためステージ上の演奏を聴くためのモニタースピーカーを設置することが多いです。

録音の回線を送る

モニターにはマイクで拾った録音の回線を送ることもありますが、その場合、遅延の問題が気になる場合があります。

2箇所で遅延が発生

遅延は主に2箇所で発生します。

  • マイクとの距離
  • AD/DA変換
マイクとの距離

オーケストラ録音の場合、メインマイクは釣りマイクを使います。
その場合、まず演奏者からそれなりに離れたポジションにマイクがありますので、距離に遅延が発生します。

AD/DA変換

その後、様々な線や機器、回路を経てスピーカーへ到着しますので少しづつ遅延が発生します。
デジタル録音の場合は、AD/DAというアナログ→デジタル→アナログという変換をします。
これは音が良い機器を使うほどオーバーサンプリングとなり遅延が発生しやすいというジレンマがあります。

解決方法

これらの問題を解決するために、僕はいつも録音回線とは別のモニター回線の設置を奨めています。

オーケストラ中央に無指向性マイクを設置することによって、楽器音とマイク収録音の遅延をなくします。
またモノラル収録することによって、モニタースピーカーへ”L+R”ミックスを送る際に発生する低域の濁りも解消できます。

その回線をダイレクトにアンプ経由でモニタースピーカーへ送り、最短の距離と回路を実現します。

今回の公演は僕は録音ですので、モニターには関与していません。
他の公演などで関わる際などの一般的な対応方法を記事にしています。

スタインバーグのNEWインターフェース AXR4T

スタインバーグのNEWインターフェース AXR4T
録音用に設置したSteinberg社のAXR4T

余談ですが、今月からSteinbergスタインバーグ社の新しいオーディオインターフェースをテストしています。
スタインバーグはドイツのレコーディング機器カンパニーでCubaseなどのDAWなどで有名です。

AXR4Tというオーディオインターフェースを2019年にリリースしています。

担当者より使ってみて欲しいとのことで、送っていだきました。

サンプリングレートが384Khzというスーパーハイレゾリューションでの録音が可能です。
僕が健在使っているApogeeのSymphony I/Oは192Khzまでですので、サンプリングレートだけで言えば、AXR4Tが買っています。

ただし音の良さは解像度だけでは決まりません。
様々なバランスの上で成り立っていますが、その辺りはどうなのか?

しばらく様々なシチュエーションで使い倒して、またこのブログでもレビュー記事を書いてみたいと思います。

今回はバックアップレコーダーのI/Oとして

Symphony I/O と AXR4T のダブルシステムでのレコーディング
Symphony I/O と AXR4T のダブルシステムでのレコーディング

今回は、バックアップレコーダーとして使ってみました。
流石にコンサート録音での384Kでは怖いのです。
ProTools HDXでも192Khzでの録音はデータ転送が間に合わずに稀に止まります。

マスターレコーダーと同様に96Kで録音しました。
マイクプリは同じでI/Oでどれくらい音が変わるのか?

気になるところですが、これについてはまた詳しくレビューします。
忙しすぎてまだ聴き比べできていません。

今回は、ここまで。
では、また。

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