こんにちは、岩崎将史です。
ショックな出来事が起こりました。
愛機である Lavry Engineering「AD122-96 MK3」 が壊れたのです。
2回目の故障
Lavry Engineering「AD122-96 MK3」の故障は2回目です。
5年前の2017年に一度、修理に出しています。
その時の症状と修理内容は
症状
R(右)チャンネルの音が途切れる、サイン波が矩形波になる
対応
トリムの不良修理およびアンプボックスの不良のため交換
その当時の価格で税抜243000円
というものでした。
修理は米国本社でしかメーカーが対応を認めておらず、アンプボックスの交換だけで24万円という高額な金額。
これには代理店の担当者も「高すぎる」ということで一度交渉をしてくれましたが覆りませんでした。
そして5年後の先日、ほぼ同じ症状でR(右)チャンネルの音声入力が来なくなってしまったという…。
修理に出した場合、現在は運送費用も高騰していますので、30万円を超えるのではないか?と予想しています。
修理をどうするかは別にして、この時は加藤梨菜さんの新曲「make me smile」の完成直前でした。
あとは配信用のハイレゾ・マスターと動画用の48KHzマスターをトラックダウンするだけ…。
それが出来なくなってしまったのです。
急遽に付きサンプリングレート・コンバートで対応
Lavry Engineering「AD122-96 MK3」と同クォリティのA/Dコンバーターを直ぐに手配するのは無理。
リリース日、公開日が数日後に迫っている中、今回は半分は仕方なく、半分は面白いかもと思い、今回のリリースはSRコンバートで対応する事にしました。
加藤梨菜「make me smile」はProToolsにて96Khz/32Bitのセッションファイルで制作を進めていました。
音楽配信ストアはハイレゾ配信を予定していたので、サンプリングレートは96KhzのままでOK。
今回はAD/DAコンバーターが使用できなくなったことで、アナログのEQやコンプを使うことができなくなありましたが、大きな問題にはなりません。
やっかいのなのはYouTubeのミュージック・ビデオ。
動画は基本的にサンプリングレートは48Khzなので、アナログ変換ができなくなった以上、サンプリングレート(SR)コンバートで対応する事にしました。
サンプリングレートを変更する2つの方法
一般的にサンプリングレートを変更するには次の2つの方法があります。
- DA/AD変換
- SRコンバート
大手マスタリング専門スタジオは、DA/AD変換を行います。
その間にEQやコンプレッサーなどを挟んでサウンドを調整していく、いわゆるアナログ・マスタリング。
僕のスタジオ・フルハウスも同じ手法でマスタリングを行っていました。
今回はDAコンバーターが故障してしまったということで、この手法が使えませんので、SRコンバートをしました。
2つのDAWで対決
SRコンバートはDAW毎に音質が大きく異なります。
今回試したDAWは次の2つです。
- ProTools HDX
- Studio One
ProTools HDX はレコーディングやミキシングで使っているメインのDAW。
Studio One は先日マスタリング用として入れ替えた新しいDAWです。
マスタリング・システムの入れ替えについてはこちらの記事にも書いています。
この2つのどちらがサウンド的に優れているのか?
それとも同じなのか?
対決実験してみる事にしました。
聴き比べてみよう
どれくらいサウンドに違いがでるのか?は是非聴き比べてみてください。
加藤梨菜「make me smile」の一部をWAVファイルでアップロードしてみました。
次の3つを聴き比べてみてください。
96Khzのオリジナル・ミックスファイルと2つのDAWで48Khzに変換したAとBの3種類をアップしました。
どちらのSRコンバートが優秀?
皆さんは違いをどう感じられましたか?
良かったらアンケートに回答してみてください。
今後の制作の参考にさせていただきます。
AとBのどちらが好みかは個人差があると思います。
また、聴く環境によって大きく変わるでしょう。
僕の場合はスタジオのラージ・スピーカーで聴いた場合とMacBook Proのスピーカーで聴いた場合で評価が逆転しました。
聴く帯域、聴き方で変わってきますね。
いずれにせよデジタル・コンバートはどうしても元MIXと印象が変わってしますので、音楽クリエイターとしては悩みです。
DA/ADによるミックス・マスタリングであれば、48Kもほぼ96Khzミックスマスターと同じ印象で作成できるので、やっぱり旧来のやり方が正解だと思います。
次の機会にはAD-DA変換も試します
と書かれるとDA/ADでどれくらいサウンドが変わるのかも気になりますよね?
今回はリリース直前ということもあり、時間的にアナログ変換との差は試せなかったのですが、次回以降のブログではその辺りもお伝えできるようにしていこうと思います。
お楽しみに。
ではまた。