MacBookPro16インチ【Catalina】を使い始める時に、これまで使っていたMacBookPro15インチ【HighSierra】を引き継ぐために、データの引越し移行作業をしました。
難しい作業ではないです。 が、割と手数が多いのと、いくつか気をつけた方が良い事があります。
数年毎にしかやらない作業でもあるので、次回やる時にも、忘れていることが多かったりします。たまに移行作業に失敗して相談を受けたりすることもあります。
また、古いMacBookProは順番にスタッフや子供たちに引き継がれていくので、彼らが移行作業をする時にあたって、同じことを何回も説明する機会が多いです。
そのため今回の作業の流れを書いておきます。
せっかくなので動画も撮影してみました。
ただし、ただの記録です。
初心者向けへの説明動画ではありません。
ご了承ください。
Macを開封とセットアップ
早速、Macを開封してセットアップを始めていきます。
必ず電源を接続してね
必ず電源を接続してから設定作業を開始します。
デスクトップPCであれば、電源を繋がないと起動ができません。
が、ノートPCのは電源を繋がなくても起動できちゃいます。
これがちょっと危険な場合があります。
ここで、ひとつ疑問が出てきます。
工場出荷時にバッテリーって充電されているも〜?
そこであえて電源を繋がずに起動ボタンをオンにしてみます。
普通に起動しました。
工場出荷時点である程度はバッテリーは充電されているようです。
電源接続を忘れたままPCの設定と引き継ぎを始めてしまうと危険です。
(多分、アラートがでるようになっているとは思いますが)
好奇心は満たされたということで、電源を接続します。
電源が少し大きくなった
電源の大きさは2018年15インチ・モデルよりも少しだけ大きくなっています。
15インチ・モデルは確か85Wだったはず。
16インチ・モデルは96Wにパワーアップということで、その分だけ大きくなってます。
Thunderbolt 3のPower Deliveryもそれに対応してバージョンアップしていってるようですね。(ぶっちゃけPDは詳しくない)
OSの基本設定
起動したらOSの基本設定をしていきます。
キーボードの選択
言語は日本語を選択。キーボードも日本語を選択します。
JIS配列という奴です。
少し脱線、キーボード配列の話
ノートPCを最初に買ったのは1990年でした。それいらい日本語JIS配列を使っています。多くの日本人がそうだと思います。が、英語US配列にした方が良いのか?という考えもあります。
大きな理由としては日本語JIS配列だとUS配列とは、コントロール・キーとオプション(⌥/alt)キー、コマンド(⌘)キーの位置が微妙に違うからです。
ProToolsやLogicなどのアプリケーションの多くはUS配列のキーボードで正確に早く操作ができるように作られています。「上記3つのキー」+「別のキー」というようなショート・カットも多いのですが、日本語JIS配列だと、コントロールキーだけ離れてしまっていたりで、少し使い勝手が悪い。そしてスタジオ内ではUS配列キーボードを敢えて使っているので、一貫性があったほうが良い?とも思うからです。
ただし、US配列にすると「かな・英数」切り替えキーがなくなるので、それはそれで不便そうだなぁと。ProToolsなどのDAWでは英文字しか使わないようにしているので、気になってはいませんが…。
ノートPCの場合、デスクトップPCと違い、
やっぱり日本語配列のキーボードに変更しようも〜
と思っても、買ったあとで変更することは出来ません。
試しに買ってみるという事ができる金額でもないので、
MacBookProを敢えてUS配列を使っていますよ〜
という人がいたら話を聞きたいです。
Macの引越し移行作業【3つの選択肢】
古いMacからの引越し方法として、移行アシスタントには3つの選択肢が出てきます。
- Mac、Time Machine バックアップ、起動ディスクから
- Windows PCから
- 今は情報を転送しない
最もPCトラブルが少ないのは「新しいMac」として使う
一番トラブルが少ないのは「新規のMac」として使う方法です。
これは過去のMacのデータなどを引き継がずに、新しいMacとして設定する方法です。
移行アシスタントでは、3番目の「今は情報を転送しない」がこれにあたります。
ただし、これを選んだ場合は、後で必要なデータやアプリなどをひとつづ手動でコピーしたりインストールする作業が必要です。
面倒ですがPCに詳しい人界隈では、一番オススメとされている方法です。
ここ10年ほどはこのやり方はやっていません
僕も2000年〜2010年頃までは、このやり方を行っていました。
2010年以降からは3世代のMacBookProを乗り継いでいますが、このやり方はもうやっていません。
手動でアプリをインストールしたりデータをコピーしたりしなければならず、
面倒くさいも〜
時間もかかるも〜
だからです。
ちゃっちゃっと引っ越し作業を終わらせたいので、今回は(も)移行アシスタントを使います。
効率性を考えて「Macから」を選択
今回は1番の
- Mac、Time Machine バックアップ、起動ディスクから
を選択します。
「Mac、Time Machine バックアップ、起動ディスクから」どれが正解?
1番の「Mac、Time Machine バックアップ、起動ディスクから」を選択したら、旧Macを新Macに接続してデータを転送します。
Macの起動ディスクからデータを転送する状態です。
TIme Machine バックアップからでも問題はありませんが、直接繋ぐ理由は2つあります。
- 早い(多分)
- 楽(人による)
早い(多分)
タイム・マシンで引っ張り出しながら構築するよりも、ダイレクトにシステムを見にいった方が早い?はずという仮説を持っています。
タイムマシンは直前の状態だけでなく、2世代以前の差分も記録していて直前に戻すだけでなく、より古い状態に戻したりすることもできます。
そういうことができる分、何かしらの解釈をしながらのコピーとなっていそうです。
ですので、ダイレクトの方が早いだろうと。
楽(人による)
もうひとつは、僕の「タイムマシン・ストレージ」は会社のMacOSXサーバーにUSBにぶら下がっています。
会社のマシンルームに「ストレージ・ドライブ」があるので、
ドライブを抜いて取ってくるのが面倒くさいモ〜
ということで、今回は旧MacBookProのストレージを直接、新しいMacBookPro16インチに繋げることにしました。
データ移行の注意点
データ移行を開始する前に、1つ大事な注意点があります。
旧Macのシステム・ストレージの使用量をチェック【超重要】
良く考えてみれば当たり前のことなのですが、普段、ストレージの使用容量をあまりチェックしていない初心者の方などの被害をちょいちょい見聞します。
例えば、旧Macが200GBのデータを持っていたとします。
新Macがもし180GBしかストレージの空き容量がなかったとしたら…
入り切らないので移行が終盤で止まります。
実際にフルハウススタッフでそれをやらかして、面倒なことに人がいます。
必ず移行先に十分なストレージの空き容量が確保されていることを確認してから実行しましょう。
SSDは要領も大事ですが、外付けの場合はケースの速度性能も重要です。
僕はサムスンの内蔵タイプを購入してケースは同じものを使いまわしています。
旧Macのデータが多い場合
古いMacの使用領域が多い場合でも心配無用です。
対処法はいつくかります。
フルハウスでは以下の3点のケースが多いのです。
1.写真データが多い
2.書類データが多い
3.DropBoxデータが多い
対応方法は簡単ですが、これだけで一つの記事になるくらいの文章量になると思うので、後日別の記事にします。
ターゲット・ディスク・モードで旧Macを接続する
次に、旧MacBookProをテーゲット・ディスク・モードで起動します。
テーゲット・ディスク・モードとは?
ターゲット・ディスク・モードとはMacをPCとしてではなく、ただのストレージ・ドライブとして起動させる方法です。
簡単に言うと見た目はPCではなく、ただの「外付けハードディスクドライブの振りをする」という状態です。
この状態で新Macに旧Macを接続してデータを新Macに引っ張り出してもらうのが一番手堅い方法です。
ターゲット・ディスク・モードは、”⌘”+”T”(”Command”+”T”)で起動です。
こんな感じで立ち上がってきます。
詳細はアップルのユーザーガイドで説明されています。
Thunderbolt 3ケーブルで新旧の両Macを接続
ターゲット・ディスク・モードで旧Macが起動してきたら、新MacとThunderbolt 3ケーブルで接続します。
Thunderbolt 3ケーブルをお持ちでない方は、こちらをどうぞ。
接続する度どのストレージ・ドライブからデータを転送するのかを聞いてきます。
旧Macのシステム・ストレージ・ドライブ「Machintosh HD」を選択します。
ロック解除パスワードを聞いてきます。
旧Macのシステムへのアクセス権を持っている人かどうかを確認してくる作業ですので、ここでは旧Macの管理者アカウントのパスワードを入力します。
次に転送したいデータの種類を選択します。
初心者の方はまず全てにチェックを入れておいて問題ないです。
これによって完了後には、直ぐに旧Macと同じ環境で仕事が開始できます。
今回は全てを選択します。
一番楽ちんですから。
また、パスワードを聞いてきやがりました。
本当に本人なのか、念には念を入れて確認するっぷる〜
って事なのでしょう。
続いて利用条件の同意画面
こんなの読んでたら、すぐに寿命になってしまいます。
使うために同意以外の選択肢はないですし。
転送スタート
無事に転送が始まります。
前回は数十分からせいぜい1~2時間だったような記憶もあります。
あまり覚えていないので記憶違いかも知れません。
今回の時間は…
なんとビックリの17時間。
転送レートが何故か遅い。
SSD & TB3とは思えない遅さ。
大抵、この手の速度は徐々に早くなって時間もどんどん短くなって物ですが、ちょっと待ってられないぞ、と。
既に良い時間でしたので、このまま放置して、この日は帰宅することにします。
そして翌朝の出勤です。
無事に移行作業は完了しています。
上手く行ったようです。
Mac OSX Catalinaを起動して、システムとアプリの設定
最後に、Mac OSXの内部とアプリケーション周りの設定をしたら、いよいよこのMacで仕事が始められます。
アプリやデータは全て転送で引き継がれているので、おそらく最初に起動する時にアカウントやパスワードの入力を求められてくると予想しています。
iColudの設定
アップル製品は基本的なデータはiCloudに紐付いてますので、まずはiCloudの設定を行います。
アカウントとパスワードを入力するだけです。
2段階認証でスマホにパスコードが来ますので、それを入力します。
iPhone、iPadユーザーであれば、Mac1択なのは、この辺の連動性も大きな要因です。
これでAppleのサービス、メールやカレンダー、リマインダー、写真など基本的な物は全て自動で同期して最新状態に揃うでしょう。
デバイス関係のドライバーは既に移行されていた
デバイス関係を確認します。
ケンジントンのトラックボールのドライバーは転送されていました。
ただし中をみてみると「サポートされていない」との事。
ケンジントンのHPにいって最新のドライバー状況をチェックします。
確認したところ、Catalinaに対応のバージョンがアップロードされていました。
こちらをダウンロードしてインストールしてみます。
むむむ、無事にインストールしましたが「サポートされていない」と出ています。
ドライバーの更新年を確認したところ2018年。
どうもリインストールの必要はなかった模様。
トラックボールを接続してみたら普通に認識して使えました。
DropBoxの移行
DropBoxはバックグラウンドアプリになっているので、直ぐに「アカウントとパスワード」の入力を求められました。入力するだけの作業ですが、少しだけ問題というほどでありませんが
混乱する事がありました。
一瞬、DropBoxのデータが2重に
DropBoxの内容も「古いMacを引き継ぐ」でDropBoxの内容も内蔵ストレージにコピーされています。そしてDropBoxの同期が開始したとたんDropBoxフォルダが2つ出来ました。時間の経過と共に徐々に纏まっていって1日~2日くらいで一つになりました。ですので、結果的には特に問題はなかったです。が、初日に作成したデータをDropBoxに保存しようとところ、「あれ?全然DropBox内に殆どデータが無いぞ」みたいなことがありました。そこに保存してしまうと、本来のDropBoxには保存されないので、ちょっとだけ注意が必要です。
移行前にDropBoxのスマートシンクを外しておくと良いかも
一番良い方法は移行前に旧MacのDropBoxのスマートシンクを全て外してローカルからは消して置くことかも知れません。そうすれば移行のデータ容量も大幅に抑えられ時間も早くなります。新MacでDropBoxを設定しスマートシンクをONにすれば、データはクラウドから再び降りてきますし。
メーラーのチェック
使用頻度の高いアプリを順番にチェックしていきます。
まずはメーラーのチェックです。特に問題なくこれまでのMacと同じ様に直ぐに使えました。
ブラウザーのチェック
最近はブラウザーベースのツールが増えたの、これも重要です。僕はGoogle Chromeをメインで使っています。これまでと全く同じ設定で起動しました。ブックマークも旧Macのまま引き継いでいて完全に同一です。
一応サファリもサブで使っているので、こちらもチェック。何も問題なし。
adobe系をチェック
adobeのCreative Cloud関連も問題なし。
イラストレレーター、フォトショップ、Premiere Proのメインで使うアプリだけ確認します。
CCなので大元のアカウント名とパスワードだけ入れれば、後は全て立ち上がるはず。
これも2段階認証。
最初だけとは言え、そろそろウザくなってきましたよ…。
過去の作成データも問題なく見に行ってます。
問題なさそう。
アップル系アプリのチェック
旧アップルワークス系の三種の神器。Pages、Numbers、Keynotesも確認していきます。
アプリはCatalinaと最新iOSとの連動に最適な最新バージョンになっています。こちらも問題なく普段良く使うデータやテンプレ―もと開きました。
Windows 10をチェック
一応、パラレルデスクトップでWindows 10も乗せています。
シリアルコードの移植で若干手こずりましたが起動ています。
この辺りまで来ると、IDとPWの入力作業にかなり嫌気が指してきます。
が、あともう少し…
LOGIC pro X
いよいよ最後の本丸、LOGIC pro Xの起動です。最初なのでAUプラグインなどを見にいきますので、少し時間が必要です。5分くらいだったような印象です。
残念ながらいくつかのプラグインが弾かれた
OSXがCatalinaになったということで、残念ながらいくつかのプラグインが「適応しない」で弾かれてます。
僕が使っている外部プラグインで言うと現状は、FxPanasionのドラム音源「BFD3」とNative Instrumentの「Guitar Rig5」です。
残念…。しばらくこの2つの音源は使用せずに楽曲制作を進めなければなりません。
それ以外は大丈夫そうと言うところまで確認できました。
音楽制作環境以外はこれにて終了
後は具体的に各種ソフトシンセサイザーのライブラリーを内蔵SSDにインストールさせて紐付けさせる作業を一つ一つ行っていく必要があります。これは経験者なら分かりますが、道のりの長い作業です。ずっと作業し続けられる環境ではなく、業務の合間に確認とインストールなどをしていきますので、まだ日にちが必要です。
音楽制作以外はこれで仕事が使える状態になりましたので、いよいよ16インチモデルで仕事開始となりました。
音楽系、ソフトシンセ系の移行については、また別で書く予定です。
では、また。
1ヶ月使ってみた話も書いています。