岩崎将史です。
日産の経常益98%ダウンという凄い数字のニュースがありました。
どうも販売台数世界一を目指して販売奨励金、つまり値引きの大盤振る舞いをしたのが要因との見方が有力みたいです。
2兆円以上も自動車を売って、利益が16億円。
利益率が0.1% という、あるんだかないんだか分からない数字です。
消費税増の2%とかが物凄く大きく感じます。
それでも赤字になってないのは流石と思いますが、これによって1万2千人のリストラか?という情報も出ていて関係者は大変と思います。
日産のような大きな会社のことを、どうこう言える立場ではないですが、学生たちにも、これから仕事をしていく上での基本事項として、値引きの恐ろしさをよく話をしています。
また、最低賃金アップも決まりました。
政府は調性インフレ値上げが狙いです。
少しブログに書いてみようと思います。
売上を増やしたいと利益を増やしたいは違う
例え話として、シンプルにこんな感じの設定としてみます。
- 1日に100名の接客して100個を販売するバイトをしている学生がいたとします。
- 1件の販売価格は¥1,000で原価が60%。
- 100個売ると粗利益が4万円で、半分の2万円が自分のバイト代になるとします。
そして、
1日100個を売ってくれてるけど、200個売るためにはどうしたら良い?
値引きしてお得にすれば、お客さん増えてたくさん売りやすくなるかも
必ずと言って良いとほど最初に出てくる回答です。
どれくらいの値引きなら、売れそう?
そうですね〜。思い切って20%値引きとかにしたら、お得感が。
お客さん倍増できそう
と言うことで、計算してみましょう。
いつもは1,000円の商品を100個売っています。
その場合の売上は10万円。
20%値引きして、倍の200名のお客さんが見えて、200個売れたら売上は16万円です。
商品の材料費や製造費が60%ですので粗利益は、
- 100個の場合は4万円
- 200個の場合は4万円
あれ?
200名の相手して休憩ない2万円のバイト代と、100名接客してゆったり仕事できる2万円のバイト代ならどちらが良い?
断然、100名です。
200名も相手するくらい忙しいならバイト代も倍は欲しいです。
と言うことで値下げは全く、意味ナッシング〜。
もちろん仕事している普通の大人には、当たり前の理屈ですが意外と計算して驚いてくれます。
学生は事業者でも労働者でもないので、普通の消費者の感覚に近いと思いますので、この反応はとても参考になります。
よく色々な場所で、
高いよ、安くすれば数が売れるんだから良いじゃん。
サービスしろ!
のような意見を見かけますが、??何言ってんの??となります。
もちろん業態によっては効果が出るものもありますが。
日産の場合、3社連合で「シェアを取るフェイズ」として動いたと言われています。
であれば、ギリ赤字にならない数字で販売台数を大幅に伸ばし達成後に、ブランディングや利益に繋げる戦略が合ったのではないかな?とも推察します。
ゴーンさんが居なくなってしまったので、今となっては分かりませんが…。
最低賃金アップをどう乗り切るか?
昨日、最低賃金の値上げが決まりました。
かつかつでやっている小さな会社やお店は、今のままバイト代を上げると赤字という所もあると思います。
値上げをすると解決しますが、値段上げると普通はお客さんは減ります。
が、そうも言ってられないところがあるとしたら、と言うことで検討してみましょう。
先ほどと同じ案件で、¥1,000を¥1,200にしたとします。
もともと100個売れて粗利益が4万円でした。
100個が90個になるのか、80個になるのか、それ以下になるのか…。
販売個数 | 売上 | 粗利益 |
100個 | 12万円 | 6万円 |
90個 | 10.8万円 | 4.32万円 |
80個 | 9.6万円 | 3.84万円 |
10個減って、90個に販売個数が下がっても粗利益は上です。
20個減って、80個までに下がると売上も粗利益も少し落ちますが、それほどは変わらないです。
販売個数が80%ですので、営業スタイルを効率よく見直せば、労働時間は最大20%削減できます。
8時間勤務が6.4時間勤務になります。
8時間で100名の相手して2万円貰えるのと、6.4時間で80名の相手して、1万9,200円を貰えるのとどちらが良い?
え?800円しか下がらないなら、6時間ちょっとの方が良いです。
その分、他でバイトした方が。
残りの1.6時間で毎日、他の副業したり売るための宣伝活動したら、80個→90個に出来そうな気がします。
そしたら、利益も人件費も1,000円で100個売っていた時よりも10%もアップします。
と、僕はこのように考える性分ですが、世の中的に合っているか間違っているかは、個々の状況で違いますので参考にはしないでくださいね (笑)
では、また。