音楽や音楽の活動、製作などを学べる記事

PC・スマホ・タブレット

小規模&個人事業のリスク許容度【新コロがやばい理由】手元現金の平均

【新型コロナ】海外状況悪化で再びフェーズが戻される?【イベント開催の是非】_thumbnail ビジネスの学び
この記事は約11分で読めます。
記事内に広告が表示されます

岩崎将史まさふみです。

いわゆる新型コロナウイルスによる倒産がというニュースに、

とあるSNSアカウント
とあるSNSアカウント

一月で潰れる所なんて、そもそも無くて良いっしょ

という意見がSNSでチラホラみられます。

言いたいことは分かりますが、実際にはそんな事業者はとても多いのです。
特殊な事業者ではないということをデータと数字を使って分かりやすく解説してみたくなりました。

まだ仕事を始めていない学生にも分かりやすく理解できるうように書けたらと思います。

売上減による営業損益の表

売上減になると、どれくらい赤字になるのかというのを表にしてみました。

売上100806040200
販売管理費808080808080
営業利益20±0-20-40-60-80

表の見方

一番上は月の売上です。
目標値100%という意味ですが、難しいと感じる人は100万円と考えても問題ないです。

POINT

経理や利益の種類は会計的には細かく段階が分かれますが、ここでは「いくら売ったら、いくらお金が残るか?」というのを最も重要な項目だけで表現してみました。

2列目は経費です。
あえて販売管理と表記しています。
地代家賃、水道光熱費、通信費、消耗品、交通費、人件費、社会保険、借入金の返済、税金などあらゆる費用を月平均にした物として捉えてください。
仮に80としています。

売上を100万円と考えた人は80万円経費が掛かると考えてください。

経費80万円は最低レベルのビジネス

働いていない人だと「経費が毎月80万」と聞くと多いと感じるかも知れません。経営している人からは「そんなもので済むわけ無いじゃん」というのが普通の感覚だと思います。
町中に普通に事務所を構えたら、それほど広くないオフィスでも家賃は数十万いきます。そこに諸々掛かるお金をすべて載せたら、月80万円というのは1人事業スモールビジネスの最低限の経費感です。僕の事業だとそんな金額で抑えることは絶対に無理です。

仕入れがある業種はもっと複雑

飲食店や小売などの仕入れが大量に発生する業態の場合は売上に応じて経費が大幅に変動します。在庫管理や廃棄などもでるので、経営的な数字を苦手な人が理解するには、かなり難易度が高くなってしまいます。そのため今回は掛かる経費は場所、物、人だけというモデルにしています。(僕の業態が正にそれです)

変動費は誤差として無視

水道光熱費なども稼働状況に応じて上下する変動費ですので、本来は細かく分けます。
が、今回は全体を分かりやすく捉えたいので誤差と考えます。
僕の会社ではこれらの変動はそれぞれ数千円レベル。全体から考えたら無視で問題ないです。

1番下が月の利益です。
売上が100だと利益が20残ります。
売上を100万円と考えた人は20万円が手元に残ると考えてください。
内部留保とも言われます。

利益率20%は相当高い

先程の表をもう一度貼ります。

売上100806040200
販売管理費808080808080
営業利益20±0-20-40-60-80

売上目標が100%を達成したら、20%の利益が残る。
面倒な人は万円で考えてください。
100万円売り上げて80万円が販管費で20万円が手元に残ります。

この状態を営業利益が20%と言います。

これを高いと感じる人低いと感じる人も両方いると思います。
低いと感じる人は自身のビジネスが完全に軌道にのっているのか、好調な業績の会社を普段から見ていると人達だと思います。

営業利益率が20%は平均データからすると超絶優秀です。

平均の利益率は3%代

日本の全産業の平気的な営業利益率3%ほどです。
昔から経営の世界で一般的に言われている数字ですが、詳しくは他所のサイトですがこちらに詳しく書いてあります。

経常利益になると1%ほど増えますが、これは営業外収益が含まれるからです。
本業とは別の資産運用収益などというのが良くある例です。

不動産投資の世界でも手残り5%程度が優秀と言われています。
経営として20%というのがとても優秀な企業であるのが分かると思います。

利益率の低い企業は退場すべき?

利益率の低い事業者は淘汰されるべきという意見もあります。が、利益率が高い会社は下請けの会社や個人事業者の利益率が低いことで成り立っている部分もあります。全ては繋がっているので簡単には言えません。

今の部品供給不足の原因

現在、建築、製造各種で部品供給が止まって納品できない、受注できないという話が出てきます。僕のクライアントメーカーも先日そんな話をしていました。昔は殆どの部品は国産でした。バブル崩壊やリーマンショック、民主政権時代の円高不況で国内の薄利下請け部品製造事業者はどんどん撤退し海外発注に切り替わっていきました。
利益率が低いことは問題ですが、だから退場すべきかと言うと経済は繋がっていますので一概には言えません。

リスクの設定深度【通常ゼロの設定はしない】

災害時などに、突然売上が立たなくなる事があります。
売上低下のリスクを程度に設定するかで、どの程度の現金を手元に残しておくべきかが計算できます。

売上が常に目標100%を達成するに越したことはありません。
が、100%を超えることもあれば、未達になることもあります。
未達が数ヶ月続く事もあります。

どれくらい未達があり得るかというのを通常は設定します。

起業当初は低く設定するもの

通常は事業を立ち上げる時に、売上ゼロではなく少なからず売上があることを想定します。

例えば「最初の数カ月は最低40%を想定し、宣伝をしながら100%を目指していく」みたいな感じです。

3回目ですがもう一度、最初の表を貼ります。

売上100806040200
販売管理費808080808080
営業利益20±0-20-40-60-80


上記表をそのまま万円に置き換えると、100万売り上げたいけど、最初の数ヶ月は40万円の売上が続くと想定します。
その場合、毎月40万円づつ手元の現金を減らしながら営業を続けることになります。

その様な状態が暫く続くのは業態にもよりますが、珍しいことではありません。

そしてどこかで販売管理費を超えて軌道に乗せれば、あとはその期間のマイナスは徐々に解消されていきます。
販売管理費を超えるポイントを損益分岐点と言います。

売上をゼロに設定することはまずない。

すごく大事なことなのですが、個人事業などで独立や起業をする時に、何のあてもなくいきなり看板を掲げる人は少ないと思います。
最初は食えないまでも、1つくらいは仕事のあてがあって、それをベースに少しづつ増やせていけたらという場合が多いと思います。

売上ゼロが今回のヤバい所

今回の新コロナウイルス騒動の何がヤバいかというと、周囲の舞台イベントや音響関連の会社などの事業者がいきなりほぼ売上がゼロという事態になっていることです。

3月は全ての仕事が止まり、毎日、銀行と税理士としか話してないという声も直接聞きました。
完全にゼロではないまでも、設定したリスク深度を大きく割り込んでいる会社や個人の事業者は多いと思います。

個人事業だと演奏家も演奏、レッスン共に停止して同様な人は多いのではないでしょうか。

売上減はある程度想定はしているものですが、その想定を大きく超えるマイナス幅というのが現在の実態だと思います。

売上減毎のリスクヘッジ期間

リスクの深度が見えてきたら、やっと最後に耐えられる期間が見えてきます。

仮に手元に現金が240あったとします。
販管費3ヶ月分の現金仮に手元にあったとしたらどの程度耐えられのかという表を作ってみました。

手許現金の量はそれぞれの事業者で違います。経営の世界では最低12ヶ月分の手元現金が理想と言われることも多いです。が、そんな小規模&個人事業者はまずないと思います。現実的な数字であろう3ヶ月(理由は後述します)で考えてみます。

123456789101112
60180160140120100806040200
402001801401006020-20
20180120600
0160800

左の緑の数字が、売上がどれくらいになったかの数字です。
100目標なのが、80に落ちても販管費は80でしたので潰れることはありません。

それ以下になると手元現金を減らしながら、どこまで耐えられるかという話になります。

緑が80より低い数字になると1ヶ月毎に現金が表のように減っていきます。

現金がゼロになったらゲームオーバーです。

3ヶ月分の手元現金で、売上0というのが以下にヤバいかが分かると思います。
2ヶ月目で身辺整理を考えていく事になります。

事業者はどれくらいの現金が手元にあるのか?

先程、3ヶ月分が現実的かなと書いた理由の1つは肌感覚です。
様々な小規模事業者と日々の会話の中で12ヶ月もの余力がある所はそれほどないだろうと。
もう1つはデータからです。

自己資本利益率の平均から予測してみる

先程の外部サイトに次の数値があります。

自己資本利益率平均9.34%

自己資本利益率は当期純利益 ÷ 自己資本です。
この式に数値を当てはめれば現金ではないですが、自己資本がどれくらいあるのかが分かります。資本といっても色々あるのですが、そこはまぁという感じで。
他にもっと良い考え方があればご教授ください。

9.34%は計算が面倒くさいので10%にします。

平均の年間利益率が3%なので、年間の経常利益を3と考えると平均的な資本は30となります。

今まで説明してきた月80の販管費が必要な事業の場合、年間の販管費は、

月80固定費 x 12ヶ月 = 960

となります。
その場合の平均的な営業利益率としては、

960 x 3% = 28.8 (利益)

計算合っているのでしょうか。
ちょっと不安になってきましたが、合っているとすると、企業の利益の平均は年間で28.8となります。これも面倒くさいので四捨五入して30とします。

平均データでは最大でも3ヶ月分ほど?

もっともスモールなビジネスで、月80万円の経費がかかるとしたら、年間の利益は30万程度というのが平均だぞということが分かります。

それを超える成果を出していれば平均よりも優秀な経営者ということになります。
これを先程の自己資本利益率の式に当てはめてみます。

自己資本利益率 = 当期純利益 ÷ 自己資本

なので、

10% = 30 ÷ X

となります。
Xを求めれば平均的な利益に対して持っている自己資本率が導き出せます。

Xは300となります。

営業利益と純利益は厳密には違いますが、1%の誤差なので、ざっくりとですが月に80の販売管理費がかかる事業者の持っている自己資本の平均は300であるとなります。

自己資本を全て手元現金で持っていれば3.5ヶ月分の所有が平均という事になります。

自己資本とは、現金のことではなく事業者が持っている返済義務のない資本の合計です。
借入金などは含まれないので厳密に手元現金の量ではありません。借入を増やせば手元現金は増えます。今回は借り入れなかったとしてどれくらい耐えられるか?という話ですので自己資本率で類推を進めていきます。

自己資本の全てが現金ではない


元々は現金で持っていたとしても、備品などを購入して固定資産などになれば、現金はないけど物が資本として計上されます。
ですので、資本の100%を現金で持っているということはあまりないです。
仮に50%だとして考えてみます。

実際にはもっと少なくて30%くらいな事業者も多いと思い気がしますが…。

どれくらい持ちこたえられるかの表

50%と仮定すると150の現金があるということになります。
リスク毎にどれくらい耐えられるのかを表に当てはめてみます。

012345678
601501301109070503010-10
401501107030-10
201509030-30
015070-10

緑は1つ前の表と同じで月次売上です。
販管費が月80というのはそのままで、売上が80以下だとどれくらい持つのかという表です。

まず1ヶ月目が1つの節目になるのが分かります。
今回でいうと3月末がまず最初のポイント。

売上0事業者はデータの平均から類推する1月後に資金ショートする事業者続出すると予想できるからです。
そこで国も既に対応をしていて、事業者向けの融資がかなりスピーディに展開されています。
昨日スタジオに遊びに来てくれた経営者仲間も3月末入金で取り敢えず借り入れできる事になったと安堵していました。

ただし販売管理費に売上が追いつかない、つまり赤字が数ヶ月から1年続くと相当厳しいというか無理ゲーになってくるというのが分かると思います。

当然やってくる採用取り消しやリストラ、資産売却

そうすると当然、販管費をどうやって抑えるかというのが大事になります。
個人でも一緒ですが、節約と言うやつです。

事業者で最も多い大きいのが人件費です。
給与20万の人を1人削れば、大抵の会社では交通費、社会保険、税金、諸経費などで30万円以上の節約になります。

既に内定取り消しのニュースも出始めていますが、リストラも増えてくると予想されます。

同時に少しでも現金でない資産を売却して当座の支払いに当てる所も増えてくるでしょう。
既にヤフオクでは様々なPA音響機器が出品されているという知人音響屋の話も聞きました。

少しでも早い収束が望まれますが、現実に対応することも重要になってきます。

ということで、今回は、

とあるSNSアカウント
とあるSNSアカウント

数ヶ月で潰れる所なんてそもそも無くてよいんじゃね?

を見て、

岩崎
岩崎

言いたいことは分かるけど実際は甘くないモ〜
そんな事業者ばっかですし、日本はそれで成り立っているモ〜

という事を分かりやすく伝えたかったのです。

では、また。

メールアドレスをご登録いただけますと、岩崎将史の最新情報やブログ更新情報などをお届けいたします。
岩崎将史メルマガ登録はこちら
Verified by MonsterInsights
タイトルとURLをコピーしました