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【DTM】ストリングス音源のアレンジと書き出し方【配置とパン】

【DTM】ストリングス音源のアレンジと書き出し方【配置とパン】_thumbnailDTM・レコーディング系ノウハウ
この記事は約8分で読めます。

岩崎将史まさふみです。

ポップス系のミックスを依頼頂く際に、ストリングスのトラックデータに問題がある場合が多いです。
その問題点と解決方法について解説します。

こんなストリングスのトラックが増えてます。

ストリングスのトラックデータを頂いた際に、こんな感じになっている場合が結構あります。

岩崎
岩崎

?! 左(上)によってるも〜

1st ViolinとしてのトラックであればこれでOKです。
が、ポップスのストリングスアレンジのトラックとして頂くことが増えてきています。
この場合はとても問題で良いサウンドにはなりません。

そして、悲しいことにプロのアレンジャー、トラックメーカーと称される人からもこんなデータを頂くことが増えています。

なぜ左に寄っているのか?

一昔前のシンセサイザーであれば「Stringsストリング Emsambleアンサンブル」的な音色プログラムを選択すれば左右均等に広がってどんな音域でも演奏されました。

近年のソフトシンセはなぜ左右に寄っているのでしょうか?

実際のホールで収録されたサンプリング音を使用

スコアリングステージやコンサートホールのステージなどで、実際にレコーディングされた楽器音を再生しているからです。

スコアリングステージとは?

映画やアニメーションなどの映像作品を収録する大型のレコーディングスタジオです。

Eastwood Scoring Stage
Eastwood Scoring Stage (Sonicwb Wikiaより)

映画のサウンドトラックでは実際にフィルム映像(今はデジタル)を見ながら指揮と演奏を行うのが伝統的。

コンサートホールのステージとは?
BBC Orchestra (wikiより)

クラシックなどのコンサートを行うステージ。
電気音響(≒PA)を使わないジャンルの音楽用に設計されていますので、ポップスやロックバンドなどがコンサートを行うのには全く適しません。

標準配置でレコーディング

実際のステージではこの様に配置されます。

標準配置などと呼ばれる配置方法で左から順番に1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスとなります。

これに対し古典では対向配置などいくつ他の配置もります。
初心者用に書いてますので標準的な配置だけ知っておいて頂ければ問題ないです。

後ろの管楽器、打楽器群の配置も色々ありますが今回は無視します。

ステージ収録のマイクポジション

そしてマイクポジションもセオリーがあります。
メインマイクを中心としてクローズドやスポットと呼ばれる近接マイクを配置します。

これらの組み合わせでバランスをとり仕上げられますが、基本はメインマイクを50%以上使用します。
殆どの場合はメインマイクだけでほぼ成立しています。

これは国内外のオーケストラ、イギリスのBBCオーケストラのレコーディングになども関わらせて頂いてきましたが、どこでも一緒です。

メインマイクがいまいちで近接マイクをたくさん立てている人がいます。同業者間では「下手くそだな〜」と皆さん思ってます。

メインマイクはステレオです。
人間の耳とほぼ同じ状態で録音します。

ちょうど指揮者の位置より少し上の少し後ろ位に立てる(吊る)事が多いです。
そうすると1st Violinsは右になり、Cellosは左になります。

そのためViolinだけでストリングス・アレンジを完成させてしまうと、ほぼ左からだけの再生音になってしますのです。

正しく扱うためにはオーケストラ編曲のスキルが必要

このように今の音源はよりリアルに進化しています。
そのために、寄り本物の編曲アレンジのスキルが必要になります。

何を学べばよいのかは過去ブログで書いてきました。

手っ取り早く良い感じにする方法

が、実際にミックス依頼を頂いた際に、今から学んで頂いていてはリリーススケジュールに全然間にあいません。

そのため、いつもほとんどのケースで通用するとっておきの手抜きアレンジ&書き出し方法をお伝えしています。

皆さん、これを踏まえるだけで劇的に音が良くなっています。
そうすると、僕もミックスが本来のやり方でスムーズに完成できるので、編曲をした人にとっても僕にとっても、クライアントのお財布にとってもとても優しい内容です。

素人でもできる簡単ポップス・ストリングス・アレンジ

若手音楽クリエイター
若手音楽クリエイター

いずれは勉強するにして…
まずは、今すぐ形にしないといけないのです。

という人向けの超絶簡単な解説です。

使うのは4つの楽器パート群

ストリングスセクションは5つの楽器パート群があります。

  • 1st Violins
  • 2nd Violins
  • Violas
  • Cellos
  • Contrabassies

各パートと楽器の名称

使用する音源によって名前が違ったりりますので、下記の表を参考にしてください。

日本語英語イタリア語フランス語ドイツ語
ヴァイオリン
バイオリン
Violinヴァイオリン (Vl.)Violinoヴァイオリーノ (Vn.)Violonヴィオロン(Von.)Violineヴィオリーネ
ヴィオラ
ビオラ
Violaヴィオラ (Vla.)Violaヴィオラ (Va.)Altoアルト (Alt.)
Bratscheブラッチェ (Br.)
チェロVioloncelloヴィオロンチェロ (Vlc.)Violoncelloヴィオロンチェッロ (Vc.)VioloncelleヴィオロンセルVioloncelloヴィオロンチェッロ
コントラバス
ウッドベース
Doubleダブル Bassベース
Contrabassコントラベース (Cb.)
Contrabbassoコントラッバッソ (Cb.)Contrebasseコントルバース
Kontrabassコントラバス (K.B.)

僕が普段使用している音源はイタリア語と英語表記が多いです。
プログラム名はフルネーム。アーティキュレーションは略称になっている場合もあります。

1st Violin と 2nd Violin は楽器自体は同じものです。
リアルなストリングスシンセ音源では別のインストゥルメントとして収録されていますので、正しく使い分けることが重要です。

使うのはコントラバス以外

このうち使うのはコントラバス以外の4つです。

オーケストラではコントラバスを使いますが、ポップスストリングスの場合はベース楽器がありますので、コントラバスは必要ないです。(今回想定している楽曲の場合)

全てユニゾンで

プロのアレンジは適切にハーモニーを持たせますがが、初心者は難しいことは考えず全てユニゾンでOKです。

ユニゾンとは、別のパートや楽器が完全に同じフレーズを一緒に演奏することです。同じ音域の場合もあれば1オクターブ差をつけるなどの場合もあります。

サミーネスティコ先生の本にも記載されていますが、鉄板は3オクターブユニゾンです。

考えるのは音域だけ

全部ユニゾンで良いとはいえ、オクターブの音域だけは調整してくだださい。
各楽器の音域は下図を参考に。

ストリングスの音域 (コントラバス以外)

真ん中のピンクの囲み部分がMiddleミドル Cで、DTMユーザーでいうC4です。

YAMAHA表記だとC3になります。

最低音

各楽器の最低音は最も低い弦を何も触らずに出す音ですので、それより低い音はでません。
使わないようにしましょう。

殆どのサンプリング音源は1音づつ生収録されていますので、最低音より出ませんが、特殊な調弦で収録されている場合もあるので気をつけましょう。

最高音

高域のピッチについては、フレットレス楽器ですので、ここまでしか出ないという決まりは特段ありません。
ただし高域にいけばいくほど演奏の難易度は高くなり、DTM音源といえども不自然な感じにになります。
一般的に無難な範囲がおすすめです。

一般的なサンプリングDTM音源の場合、程々のところまでしか収録されていない(=音が出ない)場合が多いです。

余談ですが、チェリストがブッキングされたレコーディング案件でアレンジャー(自称バイオリニスト)が高音部表記で楽譜を持込したことがありました。
チェリストと僕は固まる。

アレンジャー曰く「僕はヘ音記号読めないので、これで弾いてください」

クライアントはアレンジャーを完全に信頼しきっていて、何が問題か理解しようとする気もない。

仕方ないので僕がコソッと無償ボランティア。
さっと楽譜を書き直して、音域も良い感じでアレンジしてチェリストにこっそり手書きの楽譜を渡し無難に録音終了。

マジであるんです。割とこういう事が。

あくまでも対症療法

今回の解説は、あくまでも素人が簡易にそれっぽく最低限聴かせるためのセオリーです。
こうすることで、左右均等にかつレンジも広がり良い感じに聴かせることができます。

音楽性としては、

  • リズムとメロディーのあるポップス
  • メロディーもしくはカウンターラインなどのアレンジ

を前提としています。
バラードなどで温かいハーモニーをたっぷりと聴かせたい的な方法には全くダメです。

ただし、僕がミックス依頼で「むむむ、これはミックスできない…」というケースは全て、今回の内容を伝えたら、皆さんすぐに良い感じに解決して頂いてます。

困ったら参考にしてみてください。

ただし少なくとも音楽を生業にしていきたいという方がいれば、ただしく基本を学ぶ事を推奨します。
それについては前回のブログにも書いてますので、読んでみてください。

では、また。

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