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生産性を上げるとは?【効率アップは限界あり】付加価値の本当の意味

ビジネスの学び
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こんにちは、岩崎将史です。

最近は「働き方改革」というワードを良く見かけます。
その実現のために「生産性の向上」というワードが出てきます。
生産性が上がれば残業をしなくて良いと。

SNSをみていると、

作業効率をあげる
短時間で同じ仕事をする

これらが生産性を上げると勘違いしている人が多いようにみえます。

それも1つの方法ですが、本来の意味を理解していないと、せっかく作業効率が上がっても生産性は落ちます
そして、作業効率を上げなくても生産性を上げる方法があります

もし、あたなが今の説明で、

改善して作業効率上げたのに生産性が落ちるってどういうこと?

と感じたなら、とても大切なことなので、ぜひ最後まで読んでください。

知っている人は、まあ、それなりで大丈夫です。

効率アップ=生産性向上ではない

「もっと生産性を上げて収入を増やす」

「もっと生産性を上げれば早く帰れる」

というフレーズ、これ自体は間違いではないです。

今まで10時間が必要な仕事を効率を上げて8時間で完了できれば、25%の生産性向上になります。

10時間→8時間なら20%の向上では?

と考える人は生産性の認識が違います。

10時間の仕事で1万円の価値を産む仕事をしたとします。
その場合、時給は1,000円です。

8時間で同じ1万円の価値を生み出したとします。
この場合は、時給は1,250円になります。

1,000円が1,250円の価値に向上するので25%の生産性向上になります

生産性の向上=時給が上がること

上記のことから、生産性が上がるという事は時給が上がることと同じです。

さらに詳しく説明します。

材料や製造費用が700円の商品を1時間に10個製造できてたとします。
1,000円で全部売れると仮定すると…

売上1万円 ー 製造原価 7,000円 = 粗利益 3,000円

となります。

もし20%の生産力向上で1時間で12個製造できるようになったら…

売上1.2万円 ー 製造原価 8,400円 = 粗利益 3,600円

粗利益が20%増えたので、生産性が20%向上したと言えます。
仮に粗利の1/3を人件費にすると仮定します。

時給1,000円→1,200円になるので、時給からみても20%生産性が向上したと言います

生産力が上がっても値引きをすると生産性は落ちる

ところが数を多く作れるようになったなら、値段を上げるのではなくその分、安くできると考える人たちがいます。
安くしてもたくさん数を作れるようになったからOKだろうという良くあるダメな考えですが、結構います。

20%も生産力が上がったので、10%は値引きをして顧客に還元しようと。

試しに計算してみましょう。

商品の値段が1,000円から900円になり12個売れるとなりますので、売上は1万800円となります。

売上1.08万円 ー 製造原価 8,400円 = 粗利益 2,400円

粗利益が2,400円大幅に減少しました。

1,000円で売っていれば1時間3,600円の粗利益を出していた仕事です。

20%も生産力を向上したのに生産性が2/3に落ち込んでしましました

先ほど粗利の1/3を人件費にすると決めていましたので、時給1,000円が800円になります。

このことから、

生産力を上げるのと生産性を上げるのは全く別の話

という事が分かると思います。

物の値段が安くなるデフレ。
これが20年間、日本の生産性が低いとされる理由の1つです
皆さん昔よりもPCなど使い効率も上がりサービス品質も上げているはずです。
なのに何故、豊かにならないのか? 物の値段が下がり粗利が減っているからです。

値引きがどれほど恐ろしく人々を疲弊させるかは、日産。最低賃金アップ。【値下げ?値上げ?】 でも書きました。

GDP=国内総生産=付加価値

経済が発展の指標としてGDPが良く使われます。
国内総生産といって「その国がどれくらい生産したか」です。

これを「どれくらいの数を生産したか」と勘違いしている人がいます。
国内総生産の生産は、生産力はなく生産性です。

GDP(=国内総生産)をウィキペディアで調べると、

国内総生産(こくないそうせいさん、英:Gross Domestic Product、GDP)は、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のことである。

とあります。

ここで大事な言葉は付加価値です。

もしあなたが、700円で仕入れたものを1,000円で売ったら300円の粗利益になります。
これを300円の付加価値と言います。

仕入れが700円だったものに、あなたが300円の価値付加した、という意味です。
あなたが価値を加えられなければ同じ金額の700円でしか売れないはずです。

生産性とは粗利益のこと

つまるところ生産性とは付加価値=粗利益のことです。
先ほどの結論とも一緒です。

という事は、生産力を増やさなくても良いのです。
作業効率を上げなくても良いのです。
それでも生産性を上げる方法があります。

販売価格を上げることです。

あなたは700円で仕入れたものを、1,000円で売っていました。
1,300円に値上げしたら、粗利益は300円から600円に倍増します。

あなた個人の生産性が2倍になりました。
何の効率改善もせずに。

もちろん販売価格を高くした分、売れる数は減るかもしれません。

粗利益300円を10個売ると、3,000円の粗利益
粗利益600円を5個売ると、3,000円の粗利益。6個売れたら粗利益3,600円。

つまり6個売れたら、今まで良りも生産性が20%も向上するのです。
10個ではなく6個売るだけで20%向上。
これはすごい事です。

1対1のサービス業は値段を上げないと生産性は上がらない

近代における工業化は、多くの数の物を機械化で作れるようになった、というのがそのまま生産性の向上になりました。
現代でもIT化によって少数の人員で大量の顧客にある程度、自動で対応できるようになり生産性が上がりました。

これらは逆にいうと、今までよりも少ない人員で同じかそれ以上の生産が可能になったということです。
当然、あぶれる人員が増えて新たな業種に転向していきます。
数百年のスパンでみると、農業<工業<サービス業という流れで労働人口がシフトしていっており、日本と違いここ20年も経済成長をしている他の先進国は、サービス業の金額が評価されているという事は、なぜ日本の所得、給与は20年間増えない?デフレ? で書きました。

作業効率アップによる生産性の向上には限界がある

1対1のサービス業の場合、作業効率を上げて生産性を向上するというのは限界があります。

もし値段を変えずに生産性を25%向上しようとした場合は、

マッサージ師の場合
1名10分、1時間で6名の施述
→ 内容を全く変えずに1名8分、1時間7.5名を施述する。

ピアノ教師の場合
1名20分、1時間で3名のレッスン
→ 内容を変えずに、1名16分、1時間で3.75名のレッスンを実施

となります。

時間を短くした分、料金を安くしたら生産性は落ちますので本末転倒になります。
同じクォリティーの内容をより短い時間でできれば良いのですが、それでは人が疲弊する一方です。

世界の経済は毎年プラス成長しています。

毎年1~2%時間を短くしつづけることができますか?
無理があります。
でも世界水準並みに生産性を上げないということは、価値を毎年落としているという事です。

機械化やIT化、システム改善によって改善できる部分はしなければなりません。
が、業種によっては生産性の改善というのはそういうことではない場合があるということです。

粗利を増やす=賃金も増やせる

このために何ができるかが重要です。

今日はこの辺で。
ではまた。

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