「うたまろ」の新アルバム「U to U」が、遂に今日、マスタリングまでたどり着きました。
以前、ブログにて「録音の様子の続きをまた書きます」といってから、、、
はい、全然書けませんでした。怒濤の制作ラッシュで、、、^^;
楽しみにしてくれていたファンの方もいらっしゃったのに、すみません。
また追々、書いていきます。
さて、「うたまろ」の「U to U」ですが、とあるテーマがありました。
歌のメッセージやコンセプトの発信はアーティストサイドに任せるとして、
(そこは語ると泣けちゃいますよ(笑))
音楽的にはスタジオ生セッションをイメージして、
過去のアルバムとは少し異なるアプローチで制作を行いました。
過去作は、ストリングセクションやホーンをダビングしたり、少しシーケンサー等を使ったりもしましたが、今回はそれらの作業は行っていません。
うたまろは「ストリート」からスタートし、今も基本は2人での弾き語りライブを基本にしているので、それを支えるバンドアレンジをバックに施す。あくまでもライブの雰囲気をそのままにスタジオでCDにする、というテーマを持って望みました。
ですので、いくつか制約を作りました。
- 生演奏以外のサウンドは入れない。
- 通常のバックバンドありでやっている3人のみの編成で演奏、録音する。
- フェードアウトなどはしない。演奏後の余韻も最後まで鳴らし切る。
- 演奏時の意図しない声や息づかいもそのまま、そのまま使う。(編集しない)
などなどです。
これらはスタジオでの生の音をそのままCDにしてお届けしたい、というコンセプトです。
その方が、2人の歌の意図がしっかりとシンプルに伝わり、普段の2人のライブ活動ともシンクロすると考えたからです。
そして、何よりも、今は、アイドルグループを中心に「打込み音楽」全盛の時代なので、昔ながらの生演奏、マイクの音声をそのままダイレクトにレコードにしていた、そんな雰囲気、というか「気」みたいな物を少しでも封じ込めたら、と考えました。
そして、楽曲の音量変化をそのまま伝えたいので、今回はマスタリングには「コンプレッサー」や「リミッター」という機械を使わない事にしました。
近年のポップスのCDとしては、どちらかというとマイノリティなやり方です。
これをしないとどうなるか、というと、いわゆる「音圧」という奴は、少し下がります。ただ、その分、生音をそのまま記録できるので「スタジオの空気感」や「歌や演奏の微妙なニュアンス」を余すところなく、伝えることが出来ます。
どちらも良さがあるのですが、近年は「音圧重視」のCDが多かったです。なぜかというと、CDセールスの重要な部分がCDショップの視聴機で、この視聴機は他のCDと並べて聴かれるために、単純に「音がでかい」CDが、良く聴こえてしまう、という特性がありました。
実際に僕もレコード会社の意向で「世界一音のデカいCDにしてください」とのオーダーを受け、実際に世界一音のデカいCDを作ってきました。(僕自身は、技術は目的達成のための手段ですので、目的が明確であればそのためのベストな方法を選択します)
その方法だとサウンドのインパクトはもの凄くでますが、音楽の表現や音の輝きは失われてしまいます。
今回は、僕が子供の頃、当時はレコードですが、家のリビングでオーディオで「じっくり」と聴いていた、「あの」ニュアンスでお届けしたいな、と思っていました。
今はもうCD店で展開する時代ではありません。レコード大賞を取る作品もCD店よりコンサート会場での販売の方が多い時代です。
その辺りは気にせずに「うたまろ」の詞と歌の世界がたっぷりと楽しめるように、
ダイナミクスをフルに使いきるマスタリングを行いました。
是非、買ってくださいね ^^
できれば少しでも良いオーディオ環境で、楽しんで頂けると嬉しいです。
(あ、動画の音は完成版とは少し違います)
追記:次記事書きました。
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