こんにちは、岩崎将史です。
先日は、声楽CDのレコーディングでした。
相談を受けて迷いなく「コンサートホールでのレコーディング」をオススメしました。
クラシックの場合、スタジオレコーディングを行う場合もありますが、今回は歌手が、レコーディングは初めてというコンサート経験豊富なベテランの方で、スタジオレコーディングの経験がない、というのがホールレコーディングをオススメした一番の理由です。
スタジオ録音とホール録音の違い
スタジオ録音とホール録音の違いは、まず部屋の広さによる残響の違いです。クラシック音楽の場合、ホールの広さと残響ありきで楽器(声や歌い方も含めて)の音色や曲が成り立っています。近年はリバーブという機器で、本物の残響と全く区別がつかないレベルでの音声処理も可能ですが、その場合ヘッドフォンでそれらの音をモニター(聴く)必要があり、音の捕まえ方に少しコツや慣れが要ります。
普段からスタジオでのレコーディングになれている奏者は、全く違和感なく演奏、歌唱ができますが、今回はコンサートを中心に活躍してきたベテラン歌手ということで、できるだけ歌唱に新たな負担をかけない方が良いだろうということで、コンサートホールでの録音をオススメしました。
ホール録音のネガティブ要因
スタジオ録音と違って、ホール録音のネガティブな要因があるとすれば、編集やパンチ・インの自由度の低さでしょうか。スタジオの場合、ピアノと歌を別の部屋(で同時に)で録音しますので、歌だけ良くなかった所を一部歌い直したり、などが可能です。
場合によってはピッチやリズムを楽器ごと直したり。
ホールの場合は、すべてのマイクにすべての楽器が入りますので、「特定の楽器だけを撮り直したり編集したり」ができなくなります。
「全員で呼吸を合わせて演奏を」
逆にそれがホール録音の音楽的な魅力だったりもします。
3本のスポットマイク
今回は、ちょっと思惑がありまして、Vocal用に3本のスポットマイクを立てました。
こんな感じです。めちゃくちゃ効果を発揮してくれました。
B&Kのウィング・マイク
そして、ウィングと呼ばれるマイクには、B&K4006を使いました。
ウィングマイクは、クラシックのレコーディングにおいて僕が重要視しているマイクです。以前、レコーディングのお手伝いをさせて頂いていたBBCオーケストラでも、必ず立ててました。
WINGにいつも使うマイクは、B&Kの4006というマイクでビンテージです。今はDPAという会社に変わって再販されています。そちらも使いますが、やはりオリジナルはすこぶる良いです。
4006の魅力についてはB&K4006とDPA4006の魅力と違いについて【最強の無指向コンデンサーマイク】に書きました。
上記記事でも書きましたがヤマハのウィングというスタジオから引き継いだものです。
ウィングのマイクをウィングで使った…。
アレ?? 10月になったから急に冷え込んできましたかね???
と言うことで、また。
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