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Wilson Audio Tiny Tot (WATT + Puppy System V.1)

ウィルソン・オーディオを鳴らしてみた マスタリングの仕事
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岩崎将史です。

作編曲、サウンドプロデュース業をフルハウスという会社でやってます。
音大でも教えたりもしています。

今回は、ハイエンド・オーディオ・スピーカー「Wilson Audio Tiny Tot (WATT + Puppy System V.1)」をスタジオに設置してみました。

置く場所のないスピーカー

スタジオにお越しいただいた事のある方は、スタジオの隅に佇んでいる黒いスピーカーを目にされた事があると思います。

今のフルハウスには常設できるスペースがなくて、ずっとスタジオの隅っこで眠っていたのです。

しばらく録音セッションがないので鳴らして見よう

コイツです。

Wilson Audio Tiny Tot (WATT + Puppy System V.1)

ググると当時の販売価格は270万円ほどだったみたいです。
高級オーディオは高い…。

設置場所がなくてずっと眠らせていたのですが、今月は2週間ほどライブルームを使った録音がなく、セットアップしてみようと思いました。
僕自身は10年ほど前に、このスピーカーの音は聴いているので良さは認識済み。

しばらくマスタリングや楽曲プロデュースが続くので使ってみたいってのと、スタッフらに聴いてもらい意見を言わせたいなと。

クソ重い

とても状態の良い中古品で、1年ほど前に東京四ツ谷から車で名古屋まで運んできたのですが、これがとにかく、

クソ重い

のです。

新車で買ったまだ5,000Km程しか走っていないトヨタ・ノアで引き取りに行ったのですが、

リアサスペンションが沈み切りました。

やばいです。
段差がある度に速度を緩めて、ソロソロ運転で帰ってきました。

Wilson Audio Tiny Tot (WATT + Puppy System V.1) 背面
Wilson Audio Tiny Tot (WATT + Puppy System V.1) 背面

まあ重いだけに音が良いのですが。
重けりゃ音良いだろう的なインド人的発送ではなく、音響理論的に合理的な重さをしています。

またこのスピーカー専用の石板がありまして、

これがめちゃくちゃ重い。
重すぎる。

男2人でも中々、上がらないし動かせない。
ちょっと動かすだけでも死にそうになります。

なお、専用と言うのはスピーカーに付いてくる物と言うわけではなく、Wilson Audioはこうやって使うのが定番と言う意味での専用です。

専用スピーカー・ケーブルがクソ太い

スピーカーケーブルがクソ太いのです。
もちろん左右の位相特性を極限まで揃えるために、ミリ単位で長さが揃えてあります。

先端にYパラ・プラグが付いているのですが、これがまだデカイし長い。
アンプ側のプラグがでかくないと付かないぞ、これ。

最強のアンプが…

全オーナーはこのアンプで、鳴らしていたとの事です。

SHARPのフラグシイプ1Bit アンプ ¥1,500,000なり…

アンプの電源は久々に入れると言う事で、当時確認してみたのですが…。
死んでました。
ちょっとググったら、このモデルの典型的な症状で修理不可との事でした。
色々なブログ記事で皆さん同症状を訴えていて、こうなると「ただの粗大ゴミ」との事でした。

さらに他のアンプも続々と壊れてまして…(涙)

アンプ無いじゃん、と言う事で急遽、激安中華製デジタルアンプにての再生を試みました。

仕方ないから中華アンプで鳴らす

コレです。
手のひらサイズです。

アマゾンのリンクを貼っておきますが、なんと今なら¥5,880。
驚きの安さです。

なんか見出し見ると「ハイエンド機」って書いてありますね。
値段から考えると「ウソこけ〜」って感じですが…。

こんなので、あのデカイ、クソ重たいスピーカーを鳴らせるのか?

そしてボディが小さいので、やっぱりプラグの接続大変。
なんとか苦労してつなぎました。
というか、うちの山田くんが頑張って繋いでくれました。

やばい。全てが見える音

山田くんに、

岩崎
岩崎

繋がって音が出たら教えて〜

と丸投げして、僕はちょっとお出かけ。
戻ってきたら、

フルハウス<br>山田くん
フルハウス
山田くん

やばいっす。愕然としました。

ほうほう。
良いのは知ってるけど、じゃあ新ためて聴いてみようかな、と言う事で適当に楽曲を再生してもらいます。

岩崎
岩崎

こいつぁヤバイやつだ。

  • 左右、奥行きの定位
  • 残響の微弱成分の質感
  • 広域から低域、ボトムエンドの量感、スピード感。

あらゆる物が手に取るように見える。

中華アンプすごいぞ

スピーカーが良いのは知ってた。
けど、アンプが、、、、激安中華アンプだぞ、、、、

電源でかなり変わるとの評価は聞いていたので、AC>DCには良いもの使い、スタジオ電源ではあるけど。

数万円台の違うアンプもいくつか試したのですが、なんとびっくりの結果。
今回、聴いた中では、全員一致でこのアンプが良かったです。

今回は数千円〜5万円程度までのデジタルアンプしか試していないので、あくまでもその中でという事ではあります。

それ以上の高級アンプには流石に負けると思います。
スタジオで使っていた真空管アンプが今、修理中なのでそれまではコレで頑張ります。

音のプロたちの感想

ここ数日でスタジオに起こし頂いた仲間にも聴いて頂きました。

Y社の岡野さん。
名古屋を代表するベテラン音響エンジニアの1人です。
ちょうど、とある件でのミックスとマスタリングを依頼されましてスタジオに起こし頂きました。

Y社 岡野さん
Y社 岡野さん

すごく良い。極上のスピーカーとチューニングされた部屋。

作編曲家仲間の江並哲志さん。
ラブライブなどの曲も手がけるヒットメーカーです。
色々と一緒に仕事をする機会も多い友人です。

作編曲家<br>江並さん
作編曲家
江並さん

奥行き感が凄く分かる。一番安いアンプが最も良かったのに驚き。

と、軒並み高評価。

今週スタジオに来る予定の人は、強制的に僕に聴かされると思いますので、覚悟してきてください(笑)。
あ、iPhone とかに自分の聴きたい曲を入れといてくださいね。

ミックス&マスタリングで使いたい

これは常設しておきたいです…。
特にマスタリングはめっちゃやり易い。

EQやコンプの微妙な操作が、そのまま音で見えます。

実際に昨日、3タイトルほどのマスタリングをこのスピーカーでしてみまして、今朝、とても良い評価をクライアントから頂きました。

ですが、レコーディングセッションの時は、毎回片付けないと部屋が足りない。

毎回片付けるには、この重量が…。
ほんと、1人じゃ無理。

と悩みながら、今週はひたすら作編曲仕事をやってますので、このスピーカーはそのままで良いので、鳴らしながら楽しくやろうっと。

では、また。

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