岩崎将史です。
今回はアマチュアバンドからの依頼でよく質問される構成譜の書き方です。
これが有るか無いかでレコーディングの時間が大幅に変わります。
レコーディングの時間=お金です。
構成譜面があるだけで場合によては2倍以上も時間(=お金)が変わる場合もあります。
という事で、できるだけ準備しましょう。
構成譜とは
構成譜は、全体の構成と小節数が分かる楽譜です。
楽譜は、よく分からなくて…
大丈夫です。
とても超簡単です。
ちょうど今、編曲オーダーで作業中の曲があるので、その構成譜を貼ります。
こんな感じです。
中身スカスカで超簡単そうでしょ?
通常の楽譜と違うのは、
- メロディーなど音符はなくて良い
- リピート記号が分からなければ、ストレートで良い
- できればコードはあった方が良い
です。
なぜ構成譜があると良いのか?
録音の場合「失敗したところだけを録り直す」という事がよくあります。
そういう時に、皆が構成譜、もしくは楽譜を持っていると、
B2の1小節目だけ失敗したので、もう1回録らせてください
分かりました〜。
では、B2の4小節前から出します〜
という感じで、視覚的に分かりやすくサクサクとレコーディングが進められます。
テイク1を基本にC2だけテイク2に差し替えましょう
などという判断もしやすくなります。
メロディーなど音符はなくて良い
音符はいらないので、楽譜が苦手な人でも絶対にできます。
小節線とレッテルだけ書いてあればOKです。
リピート記号が分からなければ、ストレートでも良い
ポップスやロックだと、「1番の次に2番。感想があってサビだけもう一度」という様に同じ物が何回か登場します。
その場合は楽譜ではリピート記号を使うのですが、
リピート記号の読み方が、わからないんです〜
という人も特にロック系バンドマンだと珍しくはないです。
そういう人は無理にリピート記号書かなくても、リピート記号を使わないストレートでの書き方があります。
先ほどの曲からリピート記号を外すとこんな感じになります。
ページ数は増えちゃいますが、分かればOKです。
できればコードはあった方が良い
音符は一切なくても構いませんが、できればコードネームは書いてあった方が良いです。
僕がレコーディングで、
2段目のBmだけズレてたのでそこだけもう一回録りましょう〜
と提案した時に、コードネームがない場合は小節数になります。
5小節目ですね、ということは、コードなんだっけ。
こうきてこうでこうだからここか。
見たいに時間を無駄にします。
人数の多いバンドだと場所の確認を議論しているだけで、もう1テイクを最初から録音するのと変わらない位の時間が流れていくことも珍しくないです。
コードが分からないという人は、ルート音だけでも良いから書いてあった方が、レコーディングの進行は早くなります。
余裕があればキメなども書いておく
構成譜の準備に余裕があれば「キメ」などと呼ばれる全員で合わせる部分のリズムを書いておくと良いです。
キメのサンプル楽譜不明中。後日修正します。
レコーディングがさらにスムーズに進行できますし、マスターリズムと呼ばれる形に近くなっていき、演奏の意図も明確になります。
普通の楽譜でも良いのか?
もちろん普通の楽譜でも大丈夫です。
クラシック録音の場合は、全ての音符が書き込んである楽譜を見ながら録音をすすめて行きます。
ポップス、ロックの場合は構成譜にメロディーとコードが書き込まれたCメロ譜というのも使いますが、それでもOKです。
手書きとアプリとどちらが良い?
今までお見せした参考楽譜は全てアプリで作成しています。
手書きでもアプリでもどちらでも良いです。
初心者は最初は手書きの方が早いとおもいます。
手書きの場合のテンプレート
手書きの場合、無地の五線紙に必要な情報を書き込んで頂ければ大丈夫です。
僕が自分用に作った無地の五線紙のPDFテンプレートをこちらに貼っておきますので、下記よりダウンロード&プリントアウトして自由に使ってください。
アプリの場合
僕は楽譜はMacのLOGIC pro Xで作っています。
理由は作編曲やMIDIデータは楽譜と同時に作って完全に同じ物として管理したいからです。
プロ音楽家の場合はFInaleやSibeliusというPCアプリを使っている人が多いです。
上の3つのアプリは、楽譜初心者には難しいのでいきなりはオススメしません。
iPadなどのタブレットで簡単に作成できるアプリもあるとは思いますが、少なくともこの記事で対象とした「初めて構成譜を書く」という人には向かない気がします。
まずは手書きで慣れた方が良いと思います。
ただしPCやガジェット系が好きな人は、アプリでやると興味を持てるかもです。
構成譜の書き方
それでは具体的な書き方です。
手書きの場合で説明します。
小節線を引く
1段が4小節が見やすい場合が多いです。
曲によっては6小節や8小節もありです。
できるだけ細いペンを使ってください。
あまり太いと他の要素が読みにくくなります。
線が汚いとかも気にしなくて良いです。
丁寧にやって面倒臭くなって、構成譜が無い状態より、汚くてもあった方が良いです。
レッテルを書く
レッテル記号を下のように書きます。
ポップスやロック系の楽曲で最も多いのは、
Intro→A1→B1→C1–Interlude→A2→B2→C2→Solo→C3→C4→Ending
みたいな感じかと思います。
例えばですがこんな感じになります。
4小節単位でない所で構成が変わる場合は、下記のように段を切り替えた方が把握しやすくなるので、オススメです。
コードネームを書く
コードネームを書き込みます。
こんな感じです。
今回のブログ用に急いで書きなぐりまして…。
雑でスミマセン。
コードネームについては今書くとめっちゃ長くなってしまうので触れません。
わからない人は無しで大丈夫です。
構成譜ができたら事前に送ってちょ
構成譜ができたら事前に送っておいて頂くと、さらに効率的になります。
リハーサルをスマホで録音した音源と合わせて確認して、録音方法などを事前に考えたり提案できます。
サビの16小節間はギターはダブルにしてLR、広げましょうか?
サビはハモりもあった方が良いですかね?
そうでうね。1~2小節と9-10小節目だけでも良いと思います
みたいな打ち合わせを進めておけるので、当日の録音がよりスムーズに早く終わります。
送り方
書いた楽譜を写メで送ってください。
もしスキャン画像にできれば完璧です。
フルハウスに問い合わせ頂ければ、送り方は説明しています。
下記画像からフルハウスの問合せフォームに飛びますので、 必要があればご連絡ください。
これでレコーディングは快適に進むと思います。
では、また。