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人手不足と45才早期退職

人手不足 ビジネスの学び
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こんにちは、岩崎将史です。
ちょっと長い文章になってしまいました。

時事ニュースと僕の周りが色々重なる事があったので、書いてみました。

人手不足のニュース

昨年から人手不足と言われ続けています。
人材が集まらないと。

我々の業界でも同様で、僕にも今も2社から
「人を新しく入れたいけど誰かいないかな?」
と相談されています。

共にサウンド関係のきちんとした正社員募集とだけ。
どちらも、僕からすると十分な給与と待遇

(給料安いから人が来ないという会社もあるかもですが、それはちょっと論外として無視)

何故、マッチングできないのか?
共通した利用があるようにみえます。

そこを正しく押さえた人ならチャンスはいくらでもあるのかも、と思ってしまいました。

人手が足りないのに早期退職?

人手不足の一方、大手メーカーの早期退職募集のニュースが、この春から話題になっています。

富士通やコカ・コーラに始まり、検索すると、アルペン、協和発酵キリン、パイオニア、カシオ、エーザイ、鳥居薬品。
たくさん出てきますね。

トヨタ章夫社長や経団連会長の
終身雇用はもう限界
もニュースになりました。

って、並ぶと「あれ?」って思いますよね。
人手不足なんじゃないの?と。

新人採用をどうしていくかで、どこも苦労しているはず。
なのに、どういうことなのか?

社員は欲しいけど45才以上は退職を募る。

個々では色々な理由があると思いますが、簡単に言うと、「人手は足りないけどあなたは使えないです」って事ですよね。

難しく言うと、
企業が必要とする人材との間にスマッチが起こっている
ということかな、と。

採用の問い合わせと現場のズレ

僕も最近、ミスマッチを実感する事が多いです。
正社員として誰かを採用する」というのは「これからはよほどやるべきでない
と感じています。
相当にリスクが高いなと。

うちみたいな超零細でも、
「録音エンジニアになりたい」
「作編曲家になりたい」

という形で連絡を頂く事がそれなりにあります。

個人としてそれを目指すのは全然構いませんが、僕の場合は
「それだときついなぁ」
と思います。

一般の仕事だと、「事務職につきたい」とか「営業職につきたい」とかが、それにあたるんでしょうか?

なんできついと思うのか。
それらって「事をなす」ための「手段」であって、「目的」ではないんですよね。
「生産・流通・販売・消費」と言うのが仕事というか経済の原則で、「既存のビジネスモデル」であれば、すでにシステムが出来ているので「事務職につきたい」とか言うのが、成立します。
「生産現場の事務職」「流通業者の事務職」色々、選べますよね。

今は市場の変化が激しいので、新たな事をどんどん初めていかなければいけない。
なんか新しい商品やサービスを始める時って、全部自分で作って自分で宣伝して、事務処理も自分でやってと言うのは、僕にはごくあたり前の普通の感覚。
売れたら人も使えるようになって、分担作業もできるようになるかも、と考えながら。

そう形を一緒に作れる人なら、正社員として「ああ、この人なら死ぬまで給与払い続けられるな」って思える。

2~3年で市場が大きく変わる時代。
売れなくなったら「一緒に次の売れる商品作ろうぜ」ができる人なら良いけど「私は事務職なので」って言われて首切れないってなると、お手上げ。
他の人たちと努力して次の展開を作り上げるのが早いか、それが間に合わずキャッシュアウトして会社畳むか。
なのでそう言うキャラクターの人は基本的にはパート的な形になっているし、これからもどんどんなるでしょうと。

「なんでもできる人なら、そもそも社員にならずに起業するでしょ」

と思いますよね。
その通りだと思います。
それで良いと思います。

今、市場、つまりお客さんそれぞれが社会に求めていることは、意識していなくても、結果そういう事になっているんだと思います。

新たなフォーマットの仕事

これまでの経験上、他の作曲家に何かを頼もうとしたときに、新しいフォーマットの仕事だと良い反応をいただけない事が、それなりにあります。

具体的な例として、今、とある商スペースの音楽の依頼を受けて諸々進めています。
曲はもちろんのこと、企画や設備、マーケティング的な見地からの効果も含めて考えていきます。
詳細はまだかけませんが、マルチチャンネルのシステムをモディファイした演出と音楽が一体となったような物です。

「クライアントのお客さんに音楽でこういう演出して、そうすると、こうなるからCVが上がるという仮説を元に、そのためにスピーカーをここにもおいて、ここではコレを聴かせよう。なら、ここはこう工事をこうして〜」

みたいな感じです。

CDやCM、アーティストCDなど、すでに型が存在する物である場合は、好意的に理解されても、型から外れると興味なさそうな感じが凄い伝わってくる。

「興味ない」って笑顔で言われた事も(笑)

もちろん、そう言う人には頼まないのですが、納品して世に出てから、

「なるほど。ああいうものなら自分もやってみたい」

って言われたり。。。

前例がないから面白い

僕の伝える技術が足りないというのもあるかもしれませんが、「ああいうものになるのかどうかもその時点ではわかってなくて、とにかく結果のでる物にしたい」という事しか、その時点では言えない。

作曲家だから「音楽の中身だけを考える。どういうのが良いか指示をしてくれ」ではなく、作曲家にしかできないクリエイティブな発想と言うのがあって、クライアントにも結果「そう言うことか〜。予想以上だった」みたいな事が楽しい。

もちろん前者のような仕事もあって、いかに指示に沿った期待に答えるか。
それもそれで、楽しい。
ってか、全部、楽しい。

消費者としては新たな物を求め、生産者としては変わりたくない

ちょっと話がそれてしまいましたが、何が言いたいかというと、正社員で雇ってしまうと日本の場合、解雇ができない。
でも市場が求める物はどんどんと変わって行く。

それって皆んなが常に新しい物を求めているからで、自分たちは新しい物を享受しながら、

「でも自分は変われないし、新しい提案も生産もできない」

それでは、生産と消費がマッチするわけがない。
「1+1を3にしろ」と合わない数字を強要しているように聞こえます。

一つ一つ、新しい物にチャレンジして可能性を広げていかないと。

古典的な技術は使えて当たり前

良くも悪くも便利になって、一人で色々な事ができる環境が整ってしまった時代です。

和声や対位法などの古典的な作曲理論は「使えて当たりまえ」。
MIDIなどのシーケンスも「できて当たり前」。
オーディオエンジニアリングのスキルも「商用レベルで対応できて当たり前」
マネジメントやマーケティング、舞台の事なんかも一通り分かっていて当たり前で、その上で「何が作れて、提供できるか」だと思っています。

映像の世界だと、企画者がいて、台本書きがいて、出演者がいて、照明がいて、カメラマンがいて、編集がいて、演出家がいて、とそれぞれ分担で1つの映像コンテンツを作っていた時代。
今は、スマホやPC1台で一人でやっている人が多い。

「カメラマンになりたい」ってのが、先に書いた「録音エンジニアになりたい」ってやつで、「映像作品を作りたい」ってのが「音楽を作りたい」って事なのかな。

「カメラマン」という仕事はずっとなくならないと思いますが「カメラマンになりたいから、私は企画とか関係ないわ」って人と、「映像作品が作りたいけど、それに繋がる仕事があるならなんでもやりたい」って人がいたら、圧倒的に後者。
「なんでもやる」って書くと誤解を受けやすいのですが、なんでも言われた事をやる労働者」ではなく「全てを繋げて考えた上で、専門のフィールドを持って動ける人」。

僕の周りで上手くいっている多くの人たちは、みなさん、こう言う部分が強いように見えます。

僕自身もまさかCMの音楽ではなく、CM自体の企画や制作を頼まれるとは、10年前には全くイメージ出来ていませんでした。

若手は大変な時代?

20代の若手にいきなり、そんな沢山のことを求めるのも違っていて、僕自身も各セクションを個々に学びながら、実践しながらできるようにしてきました。

スタッフにも最初は個々の作業を限定的に手伝ってもらいながら、少しづつフィールドを広げていってます。

大事なのは「最初から自分を限定しない」という感覚なのかもしれません。

そういうモチベがあれば、多分、誰でもどんな世界でもなんとかなるのかも。

一つの事がそれなりに理解できて扱えるようになったら、また次の事。
それを繰り返して自分のフィールドを作って行く感じ。

限定はしないけどフィールドを作るってニュアンスなんだけど、言葉って難しいなぁ。

専業は開業かフリーランス

僕の場合は、

「曲を作れるようになったから、他はちょっと。一本でやりたいです」

と言われてしまうと、厳しい。

もちろん、これからもそれで生きて行く素晴らしい方々は沢山いらっしゃると思いますし、方法はあるとは思います。

が、人の人生を保証できるような確信の持てるスキームは僕にはないので、

「頑張って自分で見つけて掴みとってください」

としか言えない。

「今までは、それで給料を払えてたけど、10年後は時代すっかり変わってるんじゃないかなぁ」

と思えるので、そう言う人は今は正社員としては厳しい。
独立開業かフリーランスだと思います。

多分、どんな業種でもそうだと思います。
「事務職専門でやりたい!」って人が、1社だけだとPC化、AI化で、フルタイムの正社員ではなかなか雇えないという方向には進むとお思うので、難しいかもだけど、「10社から受注を受ける事務職専門!」とかのサービスだったら、数字上は可能性はありえかも、と思いました。
既にありすよね、多分。
そう言うところを中心に探すようになるんですかね。

大きな組織は大変そう

少数のウチでさえ、日々、こういった思考と戦っているので、大きい会社はすごく大変だろうなと思います。

多分、日本のエレクトロニクス系の会社なんかは、その昔、ハードウェア系のエンジニアとかそれなりに雇って開発や製造をしていたのだろけど、今はプラットフォームの選択とソフトウェアの設計、開発や運用の時代。
必要な人員構成もどんどん変わるわけで、会社としては新たな勉強をして対応して欲しくても「自分はハードの設計なので」とか「製造なので」とかいう人が、同じようにいるんだろうな、と想像してしまいました。

まだ、お金があった時に、皆んなが意識を持って学んで、適切に人材構成をチェンジできていれば、まだ日本の会社が資産ランキングに残る事もできていたのかなと。


なんか偉そうに書いてしまいましたが、全然、他人にどうこう言えるような身分ではないです。
自分への鏡として、少し考えを整理するためにも書いてみました。

常に変化とチャレンジと学び。

今日も頑張ろう。
では、また。

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