岩崎将史です。
過去、音楽作品をレコーディングして完成させるには、プロのスタジオやエンジニアに依頼するのが一般的でした。
ただしそのためには、それなりの費用が必要で、アマチュアの場合は中々に難しい現状がありました。
近年では、
- 編集
- ミックス (ミキシング)
- マスタリング
などの専門的な工程も全てアーティスト自身で行って作業を完結させる事が増えてきています。
いわゆる「宅録」と呼ばれる物です。
レコーディングまでは良いとして、ミックスやマスタリングがコレで良いのか?…
プロの作品みたいな感じにイマイチならない…
「宅録」を負えた作業の後の仕上げで悩み、相談を頂くケースが増えています。
基本的には自分達でできるけが…
全てのプロセスをPCやアプリを使うことによりアーティスト自身で行うことができます。
ところがサウンド面の最終的な仕上げは、アマチュアでは中々に難しい物です。
そこで最終的なサウンド面の仕上げとなる「マスタリング」のみをプロに依頼するというケースがとても増えています。
僕自身も毎日のように何かしらの「マスタリング作業の依頼」を行っています。
マスタリングでは解決できない事も
「マスタリング作業」でサウンドが大きくブラッシュアップされることは事実ですが、基本的には「ミックスが完了したもの」に対しての全体的な調整処理を行うのみです。
そのため「ミックス」や「ミキシング」などと呼ばれる作業に不完全な部分があると、最優的にはどうしてもプロの仕上がりに少し劣るクォリティになってしまいます。
全てをプロに依頼すると高い
録音までセルフで行うとして、その後の「編集」や「ミックス」をプロに依頼すると高額な費用が発生しがちです。
なぜ高額になるのか?
作業を請ける身からすると、特段にぼったくっているわけではなく、世の中の他の業種と同様に一般的な金額設定です。
ところが編集やミックスというのは、それなりに作業時間です。
また最近は作品の各所でエフェクトなどの音響効果に変化をミックス時に付ける音楽が増えてますので、そういった処理の要望や微妙なニュアンスへのこだわりが強い場合、作業と確認と修正調整などで膨大な時間が必要となります。
そしてアーティスト自身も言葉で各所への要望やオーダー、ニュアンスを伝えるのが難しく「依頼業務」としては中々に効率的とは言えない状況も発生することがあります。
その様な作品や状態の場合、なおさら、アマチュアや自主制作のアーティストが簡単に依頼をするのは難しくなるでしょう。
安い人はクォリティがそれなり
とはいえ、金額の安い人はやはりそれなりになりがちです。
これなら自分でやってもそんなに変わらないから、自分でミックスしよう
と考えたほうが良いと思います。
とはいえ、稀にクォリティ高く素晴らしく安いミキシング・エンジニアさんもいます。
以前こんな相談がありました、
ボーカルのピッチ編集から全体のミックス・マスタリングまでの作業で¥10,000も必要なのです。クォリティには満足しているのですが、金額が…もっと安くできる所を探していまして…
データを送っていただいて作品を聴かせて頂いたことろ、
- ガッツリとマニュアルでピッチ編集を丁寧にしてある
- 随所に音響効果も散りばめられ手の混んだ効果的なエフェクトが
- 全てデジタルによる処理でデジタル臭さはあるが、バランスも良くサウンドは格好良い
- 同じことをやろうと思ったら早くて丸1日作業必要
しっかりと作り込んでありました。
いえいえ、この内容で¥10,000だったら超絶お安いです。
ウチでは無理です。
絶対にそのミキシング・エンジニアさんを大切にしてくださいモ〜
と返信させて頂きました。
よく学生界隈から「ミックス師」なる言葉を聞いており、
- TwitterなどのSNSメインで仕事を受注
- 1曲の相場 ¥5,000 〜。¥10,000だと高額でそれなりに知名度のある人
という話を聞いてましたが、なるほど、そんな世界があるんですね。
少し話がずれました。
おすすめは「ハイブリッド作品づくり」
費用は抑えたいけどクォリティと自分のイメージを維持したいときにオススメの制作手法があります。
編集やミキシングを自分自身とプロとで手分けをして行う「ハイブリッド作品づくり」です。
「ハイブリット作品づくり」プロセス
「ハイブリット作品づくり」のプロセスをザックリと説明します。
一度、自分なりのミックスを仕上げる
まずは通常通りに自分でセルフミキシングを行います。
その上で、完成したものを僕へ送ってください。
気になる部分をアドバイス
マスタリングするに辺り
- 気になる箇所
- ミックスで修正しておいて欲しい箇所
などがあればメールでお知らせしています。
もちろん解決方法も添えて。
必要なところだけをプロに依頼
その上で、
ある程度はできましたが、〇〇だけは難しい。
よく分かりません。
みたいなことはあると思います。
その様な所だけでを、コチラで手を加えさせて頂きミキシングを完了させます。
これならばプロへの依頼部分は「最低限の時間≒コスト」で済みます。
具体例「鸞式」の場合
ひとつ具体例を取り上げておきます。
以前にも取り上げた「鸞式」というアーティストです。
2作目の作品のマスタリングを先日、担当させて頂きました。
マスタリング前に気になる箇所をアドバイス
マスタリングを行う前にアーティスト自身が行ったミックスの気になった箇所をアドバイスさせていただきました。
具体的な解決方法も添えて。
その方がマスタリング作業の、
- 手数を減らせる
- クォリティも上げやすい
- なにより作業代を安くできる
とメリットばかりです。
バントバートの修正後、ボーカルパートのみを担当
バンドパートはバッチリとアーティスト自身でブラッシュアップ頂けました。
最初のミックスも良かったですが、さらに良くなっています。
その上で、ボーカルのミックスだけはコチラで担当させて頂く形になりました。
ボーカルの聴きやすさ、透明感が象徴的な楽曲ですので、丁寧で的確な処理がこの作品には重要と判断したからです。
- バンドパートのミックスが修正されたオーディオ・ファイル
- ボーカル・トラックのみのオーディオファイル
この2つのオーディオ・ファイルをアップロード頂いてミキシングとマスタリングを行いました。
公開されて動画作品
その作品がコチラです。
前作の映像も素晴らしかったですが、今回も素晴らしい映像です。
下記の「鸞式」HPに詳細があります。
まとめ
これまで「ハイブリット・ミキシング&マスタリング」について解説してきました。
まとめると、
- ミキシングアーティスト自身が基本。マスタリングのみを依頼。
- どうしてもミキシングで改善しておいて欲しい部分があればアドバイスします。
- アーティスト自身で対応が難しいそうな最低限だけコチラで第とうします。
この様な形であれば、最低限の予算で最大限のクォリティが得られる可能性が高まります。
予算や目的に応じて、必要があればこんなやり方も「あり」だと思います。
僕のスタジオ「フルハウス」では、様々な作品のミキシングやマスタリングの依頼も受け付けています。