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【ライブ配信の基礎】#1 システムの全体像 – 3つに分けて考える

カメラ・映像・ライブ配信
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こんにちは、岩崎将史まさふみです。

2020年以降、ライブ配信システムの相談を受けることが増えました。

企業や店舗などにシステム設計から納品までした業務案件も増えてきました。
クライアントが個人の場合もあります。

システムは使ってもらってなんぼだと思います。
使い方については業務としては個別説明をしていってますが、できるだけ基本的な共通事項はテキスト化して共有化しておいたほうが良いだろう考え、何回かに分けて記事化していきます。

今回は第1回目で「ライブ配信システムの基本」です。

大きく3つのセクションに分かれる

ライブ配信システムは大きく3つのセクションに分けて考えると理解しやすくなります。

  1. 音声
  2. 映像
  3. 配信

音声・映像・配信の役割分担

ライブ配信システムの系統図

上図はそれぞれの信号の流れを色分けで表現してみました。

  1. 音声信号 ピンク
  2. 映像信号
  3. 配信信号 オレンジ

となっています。

複数の機器を組み合わるか、1台で全てを賄うか

機器によっては1台の機器で全てを賄える物もありますし、3つのうちの2つを賄えるものもあります。

1台で全てこなせる機器は便利です。
そして、大抵の場合は最初の初期投資額を落とせます。

ただし、将来的に配信の質を上げたくなった時に、つまづく例を多く見てきました。

どの様な機器を使うかは個々の状況によりますので、どれが良い悪いという判断は誰にもできません。

ただし、それぞれの役割は本来は別れているということだけは、理解しておいた方が良いです。
その方が後々の配信クォリティのアップには有効となります。

ということで、一度、それぞれの役割を理解しておきましょう。

音声

音声にはいくつかの種類があります。

  1. マイク
  2. BGM
  3. 効果音(SE)

主に上記の3つを取り扱うことが多いです。

音声ミキサーを使う

マイクの音やBGMなどを1つの音声ソースとしてまとめる必要があり、そのために音声ミキサーが使われます。

いくつもの呼び方がある音声ミキサー

音声ミキサーは「オーディオ・ミキサー」やただ単に「ミキサー」と呼ばれる場合もあります。

また

音声ミキサーはその使用用途に合わせて、

  • PAミキサー
  • レコーディングミキサー
  • 放送用ミキサー

などに分かれています。

ライブ配信の場合はどんなタイプの音声ミキサーでも良いです。

特性として「放送用ミキサー」が最適そうですが、放送用は局などの特殊な環境に適応するための機能が山盛りでして、導入予算が最低100万円単位からというのが通常です。

個人ユースでは安価なUSBミキサーがいろいろな用途に使えるので最初の1台としてオススメしています。

過去記事も書いてますのでご参考ください。

音声ミキサーの役割

音声ミキサーの役割は簡単に書くと次の2つです。

  1. 音声個々の調整
  2. 音声全体の調整

ミキサーについている、ボリューム、パン、EQ、コンプレッサー、オグジュアリーなどをツマミを操作して音声を調整していきます。

こうした音声ミキサー自体の使い方は、皆さんマニュアルを熟読しながら使い倒し、更にレベルアップするために専門的ないくつかの書籍を購入したり、専門学校や大学へ学びにいったりとなどします。

ココで詳細を説明する様な物ではありません。

ただし、この後に続くいくつかの記事を組み合わせて読んで頂ければ、実用上は問題のない知識は得られるハズです。

映像

映像も音声同様に複数の映像を扱う事が一般的です。

  1. 出演者
  2. 映像・画像などの素材
  3. テロップなども文字情報

他にも色々とあると思います、多くの場合はまず上記3つを扱うことが一般的です。

これらの映像を切り替えたり、重ねたりなどする機器を「ビデオ・スイッチャー」と呼びます。
「ビデオ・ミキサー」と呼ばれる場合もあります。

機能・性能で価格が大き異なるビデオ・スイッチャー

ビデオ・スイッチャーは機能・性能で価格が10倍、100倍と変わってきます。

初心者の方は、切り替えたい映像の数と、重ねたい数で選びましょう。

初心者にオススメ「ATEM mini pro」

個人的なオススメは、先ず最初に始めるならBlack Magic Design の 「ATEM mini pro」です。

これは次のセクションで説明する「配信」の機能も持っています。

音声ミキサー機能も持っていますが、全く実用的ではないので無いものとしましょう😅

「pro」の表記のない「mini」は配信機能は持っていないのでオススメしません。

価格も驚くほど安いので、初心者の方はコレの1択でしょう。

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ただし価格が安い分、コストカットの影響で少し凝ったことをしようとすると、途端に扱いづらくなります。

本当に画面を切り替えるだけなどの簡単なことしかしない予定という人にのみオススメします。

少しこだわりつつ操作性ならROLANDのVシリーズ

切り替えられる数をもう少し増やしたい、こだわりたいという人は Roland Vシリーズがオススメです。

僕は両方使っていまして、過去記事もいくつか書いていますので参考にしてみてください。

ROLANDのビデオ・スイッチャーは配信機能は持っていない物が基本です。
次の項目で説明する配信エンコーダーが必要になります。

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配信

配信は映像と音声をストリーミング配信をするためのセクションです。

音声と映像はそのままでは情報量が多すぎてインターネット回線を使ってリアルタイムに配信することはできません。

エンコードという処理が必要になります。

エンコードとは?

エンコードは簡単にいうと情報量を圧縮することです。

圧縮ですから当然ながら画質と音質は落ちます。
どの程度落ちるのかは、どういう規格に変換(圧縮)するのかにより、その規格を「CODECコーデック」と呼びます。

近年は優秀な「CODECコーデック」が開発されそれほど画質や音質はそれほど気にならなくなってきました。
もちろんエンコード前のマスター映像ファイルと比べると差はありますが。

音楽配信では近年は「ロスレスオーディオ」が普及し始めています。
圧縮はされていますが可逆圧縮といって、完全に元のデータが再現される圧縮方法です。
映像のライブ配信は不可逆圧縮といって、元データの再現は不可能な圧縮方法が主流です。

配信用最適な「CODECコーデック」に変換される

映像と音声をライブ配信に最適化された「CODECコーデック」にエンコード(変換)する機器を「エンコーダー」と呼びます。

大抵の場合、このエンコーダーがLANケーブルなどでインターネット回線につながっています。
エンコーダーが各ライブ配信プラットフォームのサーバーにデータをアップロードし続けることにより、ライブ配信が実現されます。

初心者にオススメのエンコーダー

初心者にオススメのエンコーダーは「ビデオ・スイッチャー」の項目でも取り上げたBlack Magic Design の 「ATEM mini pro」です。

初心者にはATEM mini pro

YouTubeやfacebookなど「ON AIR」ボタン1つでエンコードと配信ができます。

ただし初期設定にはPCが必要

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録画も同時にできるのでマスターレコーダーの役割も担えます。

ただし「CODECコーデック」など細かく設定できないので録画の画質は良くはないです。

ハードウェア型配信エンコーダー

配信の設定などを詳細に設定したい場合は、専用のエンコーダーを使います。

代表的なのは Blackmagic Design 「Web Presenter HD」。

配信業務用途での機器となるので、ココでは詳しくは触れません。

外部記事ですがリンク貼っておきますので、詳しく知りたい人はコチラを見てください。

ソフトウェア型配信エンコーダー

エンコーダーは機器に頼らずにPCを使うという方法もあります。

PCソフトウェアでエンコードしながら配信をするタイプで代表的なのは「OBS」です。

いわゆる総合的な「配信ソフトウェア」なので、音声や映像のミキサー的な処理も一通りできます。

なんと無料のソフトです。

カメラやマイクや配信機器はないという人でも、MacBookなどのPCを持っていれば直ぐに配信が初められます。
そういう意味で初心者には最適。
もちろん将来的に機器を拡張しても対応できます。

欠点としては全ての処理をPCで全てを行うということです。
PCは配信以外にも様々な処理を同時に行っています。
予想外の負荷が加わり処理に配信に影響がでる、ということは僕は経験がありますせんが、PCスペックや環境によっては考えられるでしょう。

ボク個人はOBSは数回しか使ったことがありません。

上記の理由で、ハードウェアの組み合わせのが方が安心なのと、もう一つ理由があります。

その理由は映像と音声のズレです。
常に一定の値でズレるなら調整のしようがあるのですが、僕がOBSを何回か使った限りでは毎回、変速的にズレていきました。

音楽コンサートの配信がメインの僕には致命的な減少です。
そのため必ずハードウェア・エンコーダーを使うようにしています。

もしかしたら新しいバージョンやPC環境などによっては問題が無いのかも知れません。
近年は試していませんので、気になる人は試してみてください。

3つのセクションを理解して配信システムを上手に使いこうなそう

配信システムの3つのセクションについて理解して頂けましたでしょうか?

これが理解できれば、個別の機器の接続や使いこなしも相当楽になるはずです。

今回はこの辺で。
それではまた。

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