こんには、岩崎将史です。
遂に購入しました。
世界初となるグローバルシャッターを搭載した1眼ミラーレスカメラ、SONYの『α9 III』です。
昨年の11月に発表され今年、2024年の1月より発売。
「いつか購入する!」というのを目標にしてきましたが、想定より早めに慌てて購入しました。
今回は何故α9 IIIを購入したのか?を解説します。
世界初、グローバルシャッター搭載の1眼ミラーレスカメラ
α9 IIIを購入した理由はなんといってもグローバルシャッターです。
グローバルシャッターで実現できることの一部は下記です。
- 車窓をサイレントで歪みなく撮影
- 入学式、卒業式などの式典をサイレントでムラ出さずに撮影
- スポートや動物など高速で動く被写体を歪まずに撮影
- 低出力のフラッシュにて日中シンクロ
これらを実現できる今のところ世界でただ1つのカメラがSONY α9IIIです。
グローバルシャッターとは
グローバルシャッターとは全ての画素を同時に読み込む方式の電子シャッターの事です。
通常のミラーレスカメラはローリングシャッターと呼ばれ、画素を右上から左下に順番に読み出していきます。
読み出し方式の違いは下記動画の該当箇所で説明しているのでご参考ください。
グローバルシャッターは全画素を全て同時に読み込むので、早い動きの被写体なども歪まずに撮影することができます。
そのために高速で移動する被写体には歪みが発生してしまいます。
スポーツ写真、例えばゴルフのスイングやバッティングでのバットの歪みなどが代表的です。
グローバルシャッターではこの歪みが発生しないというのが最大の魅力ではないでしょう。
α9 III 購入した理由
僕の場合はスポーツを撮影する機会はほとんどありません。
それなのに何故グローバルシャッターのカメラが欲しかったのか?
大きな理由は3つあります。
- ローリングシャッター現象が発生しない
- フリッカー現象が発生しない
- 価格を上回る経済高価が得られる
それぞれの理由を順番に解説していきます。
ローリングシャッター現象が発生しない
購入理由の理由の1つは「ローリングシャッター現象が発生しない」です。
僕の経験で困ったことの代表事象は新幹線からの車窓撮影です。
新幹線から車窓を撮影すると上記の写真のように斜めに歪むことがあります。
これがローリングシャッター由来の現象です。
この現象は電子シャッターではなく物理シャッター(メカシャッター、機械式シャッター)を使用すればある程度改善できます。
ただし、新幹線車内で物理シャッターを使うのははばかられますよね。
シャッター音が車内に響き渡りますので。
そのためにカメラの設定をサイレントモードにしておく必要があります。
いわゆる電子シャッターを使うことになるのです。
そうすると上記写真のようなローリングシャッター現象が盛大に発生する事となります。
これを回避して写真を撮りまくれる。
こんな嬉しいことはありません。
写真でだけでなく動画でもローリングシャッター現象による歪みが発生しません。
カメラを早く動かしたときに映像が斜めになる、ということがなくなるのです。
僕は映像でもこれがいつも気になっていたのでそれが解決したかったのです。
フリッカー現象が発生しない
フリッカー現象とは電灯などの明るさのムラが写真に記録されてしまう現象です。
上の写真は今年春の次女の小学校の卒業式。
縦縞の模様が入っているように見えるのが分かりますでしょうか?
これがフリッカー現象の代表的な例です。
体育館の照明である水銀灯は1秒間に数十回、周期的に明るくなったり暗くなったりしています。
人間の目は一定の明るさと認識しますがカメラにはそのムラも記録されてしまいます。
記録されてしまうのはローリングシャッターだからです。
センサーの上から順番に画素を読み込んでいる間に何度も明るさが変化するのでこの様なムラが出現してしまうのです。
この現象もメカシャッターを使用すればある程度改善させることができます。
ですが、式典の様な場所でメカシャッターを使うというのはマナー違反です。
そのためにカメラの設定をサイレントモードにし電子シャッターを使う必要があります。
グローバルシャッターであれば、この現象は発生しません。
グローバルシャッターのカメラにはそもそもメカシャッターを搭載する必要がなくシャッター音は擬似的な電子音です。
サイレントモードにしても写りに影響はありません。
サイレントで完璧に歪みもムラもない写真が撮れる唯一のカメラがSONYのα9IIIなのです。
価格を上回る経済効果が得られるα9III
この様な魅力満載のα9IIIですが、価格が80万円ほどとかなり高額な部類のカメラです。
販売価格だけだと高価ですが、実態をよくよく検証すると適切な価格どころか、もしかしたらとても安い部類のカメラになると考えています。
その理由を解説します。
メカシャッターの損耗を考えなくてよい
メカシャッターは消耗品です。
一般的に50万回程度で修理交換が必要といわれています。
メカシャッターはカメラの最も精密機械な箇所ですので修理交換も高額になると言われています。
そのため1回シャッターを切るたびに約1円損耗していってると言われます。
α9IIIはメカシャッター非搭載ですので、こうした損耗を考えなくてよい。
僕の場合1年間で10万回ほどのシャッターを切ります。
その場合に50万円のカメラの対応年数が5年となります。
α9IIIであればもっと永く使えます。
これだけで80万円の半分は元が取れた気分です。
高価なストロボ・フラッシュが必要ない
α9IIIはローリングシャッター故に高速なシャッタースビードが実現可能です。
最大1/80,000秒まで早くすることができます。
これまでのプロ用カメラは1/8,000秒までが常識。
エントリー機だと1/4,000秒までというのも珍しくありません。
シャッタースピードを早めることできると、明るい日中でも露出をアンダーにすることができます。
これだけであればNDフィルターが不要になる程度のメリットしかありませんが、α9IIIにはもう1つ大きな特徴があります。
それは「ストロボ・フラッシュの全速同調」です。
ストロボ・フラッシュを使わない方には分からないかと思いますが、通常のフラッシュは1/250秒程度までしか同期できないのが一般的です。
フラッシュの光るタイミングとシャッターのタイミングを高速で同調されるのは難しく、早いシャッタースピードで写真を撮ろうとするとフラッシュの光ムラが記録されてしまいます。
α9IIIは1/250秒より早いシャッタースピードでもフラッシュに同調させることが可能です。
試しに上記の様な状況を作ってみました。
といっても真っ黒で何か分からないですよね。
この状況に1/16,000秒でフラッシュをあててみました。
この様にフラッシュとシャッターが連動しています。
なおこの時の部屋は照明を逆行で焚いてめちゃくちゃ眩しい状況を作っていました。
高速なシャッタースビードで環境光を排除し、フラッシュのみの明かりで撮影出来ていることが分かります。
コレができるとどんなコスト的なメリットがあるのか?
モノブロック・ストロボ・フラッシュの大定番、Profoto B10シリーズが不要に
大型高出力のストロボ・フラッシュが不要となります。
先程の写真はProfoto A10という小型低出力のフラッシュを使いました。
これは屋内など限られた環境では十分な明るさを発揮いますが、大きな空間や日中での撮影には出力不足。
そのためプロの多くはProfoto B10という大型のモノブロックタイプを使っています。
商用写真スタジオには大抵導入されている大定番のストロボ・フラッシュです。
B10には様々な派生タイプがありますが、金額はいずれも高価。
30〜40万円程度からの費用が必要です。
α9IIIならコレが不要となり数万円程度の安価なフラッシュで十分となります。
小型フラッシュで弱い明かりでOK
さらにフラッシュ自体の明るさも弱くすることができます。
日中でも真っ暗になるような高速シャッタースピードですから、日中の太陽に負けない強いフラッシュ光を出す必要はありません。
フラッシュのキセノン管(発光部分)もバッテリーも消耗品ですが、不可が極端に減るので長持ちします。
ハイスピードシンクロ(HSS)が不要に
プロ用の高価高出力なフラッシュは1/250を超えるシャッタースピードで撮影することも可能です。
その場合にはHSS(ハイスピードシンクロ)と呼ばれる機能を使う必要があるのですが、このHSSはすフラッシュに相当な負担が掛かり、フラッシュの寿命を極端に短くすると言われています。
HSSにしなくてもフラッシュを同調させることができますので、フラッシュ本体の寿命を極端に伸ばすことができます。
買えるなら絶対に買うべき他に選択肢のないカメラ
ここまでα9IIIが如何に魅力的で価格に比べて価値の高いカメラであるかを述べてきました。
- 車窓をサイレントで歪みなく撮影
- 入学式、卒業式などの式典をサイレントでムラ出さずに撮影
- スポートや動物など高速で動く被写体を歪まずに撮影
- 低出力のフラッシュにて日中シンクロ
これらを実現できるのは現時点ですが世界ではSONY α9IIIだけです。
α9IIIをこれから使い倒していくつもります。
ということで今回はこの辺で。
ではまた。
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