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コンペ制作

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ここ数日は、とある楽曲制作案件を(「も」でした)進めています。6曲ほどの制作ですが、受注案件ではなく、コンペです。

同業者の方にはコンペと言えばなじみの言葉だと思いますが、分からない方もいらっしゃると思います。ようは無料で曲をいくつか試作してプレゼンテーションをする、という奴です。

大抵のコンペは少なくとも3つ、多ければ数百の作家さん、制作スタジオなどにオーダーを出します。簡単な企画書が送られてきて、要約すると、「こんな趣旨にあう、音楽や曲を何か提案して〜。一番良い所に仕事としてお願いするわ〜」って書いてあります。

無事に決まれば良いのですが、決まらないと徒労に終わります。ですので、普段は僕はこの手の依頼には参加しません。過去にも数える程しか参加した事はありません。今回は何故、制作しているかというと「とてもお世話になっているクライアントの依頼」だからです。

今までの長〜いお付き合いがあるので、ここは、と頼まれれば、それは一肌も二肌も脱がせて頂きます。

ただ、個人としても、会社としてもコンペというのは非常に難しい部分があります。今は、「デモ音源」と言われる仮の音声ファイルを送って、会議で聴いてもらう、というのが多いかと思います。そのための作品を完成させるには、それなりの労力が必要です。

 

音楽を専門としているクライアント(音楽事務所とかレコード会社関係)であれば、簡易な「ラフ」とか「スケッチ」とか呼ばれる物でOKな場合もあります。最も簡易な物としては、ピアノやギターだけ録音して、メロディーとコード感が分かればプロデューサーがしっかりイメージを膨らませなあら判断してくれる場合もあります。

が、クライアントや企画サイドが音楽に関しては素人な場合、この「デモ音源」の印象で、どうしても判断される、っぽいです、、、

そうすると、音楽のジャンルにもよりますが、「とりあえずデモ音源だから」という事で、作家さんが仮にコンピュータやシンセサイザーなどで作った簡易な音源ファイルではなく、実際に「生楽器を演奏収録」したり、きちんとミックスやマスタリングなどをしてお渡ししなければならなくなります。それこそ、その道の達人達が誠心誠意込めて作った曲達が集まり、ずらっと並べて聴かれるわけですので、やるべき事をきちんとやっておかないと何処でケチが付くか分かりません。また、判断材料に「音抜けなども評価の対象になる」と記載されている場合もあります。
CDなどの原盤制作の場合、作曲・編曲・録音・ミックス・マスタリングは全て別の工程として進んでいきます。録音原盤製作のプロ達であれば、この曲は編曲されればもっと良くなる、この録音は誰々がミックスすれば、さらに良くなる、と経験で知っているからです。それがノウハウだと思います。

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なぜ、順番に工程を踏むかというと各工程にそれなりの労力=コストが発生するからです。例えば、、

編曲を依頼された場合、メロディーと歌詞を支給して頂きます。で、メロディーや歌詞を楽譜に書き込みながら、「この歌詞でこのメロディーの動きなら、伴奏はこう言う風に動かそう」とかを入念に考えて書いていきます。そして、編曲や録音が終わった後に、クライアントが「あ、やっぱりここのメロディーと歌詞は変えます〜」となると、、、

それに合わせて編曲の修正が必要になります。編曲だけならまだしも、録音したあとであれば、もう一度、スタジオを押さえてミュージシャンを呼んで、となります。どんな依頼も予算は大抵限られていますから、「え?そこで2回分ギャランティー払っちゃうの?」となります。しっかり分かっているクライアントやプロデューサーのポジティブな修正であれば「うん、もう一回やり直しても、その分絶対売れるから、やろう!」ってのもありかもしれませんが、音楽関係でない場合、「え?もう一回来てもらってやり直すのにお金掛かるの?」とかなる時もあります。

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で、今回も6曲程、楽器も録音しています。信頼出来る仲間のミュージシャンに協力頂いて。スタジオも何日か稼働させてます。もちろんミュージシャンにはコンペと言う事で、安くやって頂くようにお願いしていますが、ギャランティーはお支払いします。完全に持ち出しで赤字です。数人とって、6曲あれば、そこそこの金額になってきます。

でも、決まらないかもしれません。数字の確立で言えば、決まらない確立の方が高いですよね。

これまでの長い付き合いがあり大変お世話になった過去があるから、多少の持ち出しも、ここは頑張ろう、という気になりますし、過去から未来をトータルとしてみてプラスであれば、会社としても全くネガティブではないと思います。損して得取れという奴かなと。

ただし、、、

時々、一見さんでコンペの依頼が来ます。僕が資産家で家族の生活を考えなくてよかったり、社員に払う給料を気にしなくて良いのであれば、音楽の事で相談を受ければ、何でもやります!。気持ちとしては(笑)

別に「お金が貰えなければ何もしない」という訳ではありません。それか、もし採用されれば、他の仕事を断ってもおつりがくる魅力のある、ことであれば、もちろん考えます。

 

ただし、現実には、、、

 

その「無料製作」分でも給料や諸経費は発生します。それらを補うために、他のクライアントからの仕事で頂いたお金を、そのクライアントのために使う、という事になります。

なんか、それっておかしいですよね?と思うわけです。

普段から、仕事を頂いていれば、今回は安くても良いよ〜と思うのですが、、、そういう方から頂いたお金を、別のクライアントとのために使う、というのは、、何かおかしいなと。下手すりゃクライアントどうしがライバル関係という事もあるでしょうし。
と言うのが、普段、僕がお断りしている理由です。

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