岩崎将史です。
クラシック音楽におけるカルテットについてざっくり解説します。
Quartetの意味
Quartetは4人組という意味です。
音楽の世界では四重奏や四重唱を指します。
クアルテットやクァルテットと書かれる場合もあります。
イタリア語です。
音楽の用語は近世クラシックの源がイタリアから始まっていますので、イタリア語が最も多用されています。
「ドレミファソラシド」もイタリア語です。
イタリア語とはいえ、欧州語圏では大体一緒です。
英語:quartet、quartette
イタリア語:quartetto
ドイツ語:Quartett
フランス語:quartette、quartet、quatuor
スペイン語:cuarteto
ヨーロッパの言語は古代ラテン語から派生していて、ラテン語ではquattuorという4を表す言葉があります。
今でも1/4を英語のQuarterと表記して使うのは皆さんご存知と思います。
Quartetの組み合わせ
カルテットの楽器の組み合わせにはいくつかメジャーな定番の組み合わせがあります。
数人で1つのチームとして演奏することをアンサンブルと言います。
楽器郡ごとに紹介します。
弦楽器によるカルテット
弦楽器群のカルテットは主に2つあります。
ピアノ四重奏
ピアノ四重奏はピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの組み合わせです。
ピアノ三重奏にヴィオラが追加された編成です。
トリオでは低音、和音、旋律と合理的な演奏の役割分担が可能ですが、より高度がハーモニーや対旋律の絡みを表現するには内声を担当できる中域楽器が足りません。
ヴィオラがチェロとヴァイオリンの間を繋ぎ、アンサンブルをよりふくよかにします。
弦楽四重奏
弦楽四重奏は第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4つの組み合わせです。
弦楽器の人がカルテットと言った場合にはまずこの弦楽四重奏のことを指します。
略して弦カルとも呼ばれます。
木管楽器によるカルテット
木管楽器群のカルテットは主に3つあります。
フルート四重奏
フルートにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏の組み合わせです。
フルートだけの場合も
フルートだけでの4重奏を指すこともあります。
オーボエ四重奏
オーボエにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏の組み合わせです。
動画の曲はMozartのOboe Quartetですが、MozartはOboeを多用しています。
オーボエの様なダブルリードの楽器は古代から使われていたようですが、オーボエは1700年代の後半、モーツァルトの時代に半音階も安定して演奏できる楽器として進化し盛んに使われるようになりました。
当時の最先端の楽器をフューチャーして曲を作るのが面白いという部分もあったかと想像します。
木管四重奏
ただ単に木管四重奏という場合は大抵はこの編成です。
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット(バスーン)の4つの声部でバランスのよいハーモナイズが可能です。
サクソフォーン四重奏
サクソフォーン四重奏はソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4つのサックスです。
サックスはサクソフォーンの略語です。
ソプラノの代わりにアルトが入り2アルトサクソフォーンという編成もあります。
金管楽器によるカルテット
金管楽器群のカルテットの定番の組み合わせは他の楽器群に比べて少し多いです。
まず金管楽器はトランペット系とホルン系の2種類があります。
詳細は省きますが、構造の違いでサウンドのキャラクターが違います。
これらの組み合わせによりバリエーションがかなり多いのです。
というか何でもありです。
金管四重奏
金管四重奏という場合も色々な組み合わせがあります。
トランペット x 2、ホルン、トロンボーンが古典的ですがホルンが他の楽器に変わる組みあわせもあります。
トランペット x 2 と トロンボーン x 2 も定番とされていますが、このように2つのユーフォニアムになる組み合わせも。
コルネット x 2、アルトホルン、ユーフォニアムの組み合わせは最もポピュラーな1つで、管の長い楽器の組み合わせで甘い響きが特徴です。
トランペット x 2 と トロンボーン x 2 もありますが、トロンボーンがチューバだったりも。
トランペット四重奏
トランペット4名の組み合わせです。
音域の幅を持たせられるように1名をピッコロ・トランペットにする場合もあります。
ホルン四重奏
フレンチホルンは音域の広い楽器ですので、ホルンだけでも重厚なハーモニーが可能です。
トロンボーン四重奏
テナートロンボーン4名だったり、音域の幅を持たせるために1名をバストロンボーンにし低域を広げる場合もあります。
他にも色々
他にも色々あって割とキリがないです。
ブラスという楽器が軍楽隊から発展した歴史があります。
そのため、その時そこにある組み合わせで演奏するという歴史もあり柔軟性が高い楽器でもあります。
Quartetは室内楽の王道
金管楽器は先程書いた通り軍楽隊から発展しオーケストラの中へ組み込まれていきました。
弦楽器と木管楽器はカルテットは室内楽の王道です。
室内楽は近世ヨーロッパの宮廷文化を中心に誕生し発展していった音楽です。
室内楽についてはこちらの記事でも解説しています。
さらなる迫力はサウンドの幅を求めて室内楽はカルテットからクインテットへと進化していきますが、そこはまた別の機会にて。
では、また。