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高年齢者雇用安定法と働き方改革についてモニョモニョ考えてみた

ビジネスの学び
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最近は労働政策や雇用政策について「これどうなん?」みたいな投稿を仲間のSNSでも見かけます。意図は分かるけど、本質的な改善ではないと感じてモニョリました。自分の脳内整理のために書いてみます。

1つ目が高年齢者雇用安定法の閣議決定。

2つ目が働き方改革です。

高齢者雇用安定法の矛盾

矛盾 はてな 疑問

高齢者雇用安定法が先日の2020年2月4日に閣議決定されました。

高齢者雇用安定法とは?

高齢者雇用安定法は、

政府
政府

会社は70歳まで雇用するよう努力するように〜

という法律です。

現状では65歳までの雇用義務がありますので、それが努力義務とはいえ70歳にまで引き上げられるという法律です。

閣議決定なので法律が施行されたわけではなく、制定と施行を目指す事が決定されました。
が、余程の反対議論が巻き起こらない限り、現在の体制ではスムーズに成立すると考えらます。

すぐに義務化になる可能性大

数年後に「雇用努力を義務化」から「雇用を義務化」へ格上げされる可能性は高いとみなされています。

過去の経緯を見ると、

  • 1970年代までは55歳での定年が一般的
  • 1986年に60歳が定年が努力義務に→その後、義務化
  • 2000年に65歳が定年の努力義務に→その後、義務化
  • 2020年に70歳の定年が努力義務→その後、???

という流れになっています。

現在でも一部の企業では55歳などで役職定年の制度があります。
「仕方ないから会社には残して上げるけど、役職もそのままだとお金も掛かるし下の世代が困るので、それは今まで通りで」という経緯があります。

理由は社会保障制度の維持

なぜ義務化も確定だろうと考えるかというと、厚生労働省の立場であれば少しでも早く義務化して社会保険負担者の離脱を阻止したいはずだからです。

労働人口が激減し少子高齢化が進行しています。
社会保障の収入は減るけど支出は増えるという現状を少しでも改善するべく、社会保障の負担者数を少しでも増やしたいと考えるのが当然でしょう。
社会保証制度を維持するためには仕方のないことかもしれません。

氷河期世代との大きな差

これらの政策の意図は分かります。
ただ同時にこの世代への分厚い待遇とは逆に、就職氷河期世代への余りにも差のある状況と対応に矛盾も感じています。

少し就職氷河期世代≒第2次ベビーブーム世代の状況について書いてみます。

就職氷河期世代の過去

僕は第2次ベビーブームのピークである1973年生まれです。
そして就職氷河期のど真ん中。

大学の就職担当の人が、

就職担当
就職担当

毎年、数十人〜数百人募集していた企業が、0と1ばかりだ

と話していたのが記憶にあります。

僕自身は入学時より就職するつもりはなかったので、特に困ることはなかったですが

アルバイトを経て派遣として勤務することになった人も多いです。
僕よりも社会人として優秀だと思われる人材が軒並み社員になれずという現状でした。

未婚者も多し

そして、結婚をしない選択をした同期も多いです。

僕は大学が、1学年で女性170名、男性15名程度という少しだけ特殊な環境でした。
性格も容姿も一般的に見ても優れている人が多かったですが、今でも独身という人は少なくありません。

個々の理由はもちろん無数にあるでしょうし画一的な価値観を当てはめるわけではありません。
が、バブル時代に造成された価値観と現実の状況がそれらの判断に影響していないとは考えにくいと当時から感じていました。

意図的子供作らずも多し

また結婚はしたが「経済的に苦しくなるから」との理由で、子供を設けない選択をし今にいたる同期や後輩もそれなりにいます。

選択は個人の自由です。政策的な一般論の話です。

就職氷河期世代の状況

そんな過去がある中で、ちょうど今、いくつもの大手企業で昨年から45歳以上の早期退職制度が始まっています。

早期退職や定年2回制

45歳定年制や2回就職制なる議論がビジネス界隈では盛んになっています。
「45歳で一度退職して再就職活動や独立起業をしよう」という話です。

同じマーケットやビジネスモデルを10年〜50年と続かせるのは難しく時代に合わせた常なる変化を求めらるなか、企業視点でも働く人からの視点でも付加価値に対する最適化を随時行えるように流動性を高める施策が求められています。

企業からすると海外企業との競争力を考えると、全従業員を70歳まで雇用するというのは非現実的な話になっていくと考えています。

ロジカルに考えれば適切な人材の流動化というのは必須です。

今年吹き荒れるであろうさらなる早期退職

僕がお付き合いしているクライアント企業からも、大きく公表はされていませんが大手メーカー系列でのかなりドラスティックな変化が来年度の第1Qから始まるという話を聞いています。
このエリアである中部地方の経済状況も大きく変動し始める年になるかもしれません。

会社に残れた人は70歳まで?

終身雇用制度は多くの企業で崩壊していき、そもそも「70歳まで雇用しなければいけない」という条件に当てはまる人自体が減っていきます。
僕ら世代は、その中で残れた人のみ70歳定年まで会社にいれる、となるのでしょうか。

そうなった場合は格差が広がっていく可能性が高そうです。
そして企業としては将来のリスクを考え終身雇用として採用する人数を当然調整に掛かるでしょう。

社会保障負担者を増やしたい政府の狙いと実態との間に大きな乖離が生じると思います。

就職氷河期世代の将来

これから25年後。
僕ら氷河期世代が70歳を超える頃は、高齢者は現状とほぼ同数です。
第2次ベビーブーム世代ですので、もの凄い人数がいます。
一方で、支える30代、40代の数は既に半減することは確定しています。

第2次ベビーブーム(就職氷河期)世代の出産年齢の完了

僕の世代、1973年産まれは210万人。
ところが昨年は90万人を割りました。
そして数年以内に70万人まで下がることは既に確定しています。

内閣府「出生数の推移」

上記の内閣府の図は意図的か分かりませんが、2016年から更新されていません。
ここから更に大幅に落ち込んでいます。
人口の多かった氷河期世代の出生率が落ち込んだまま、既に出産可能な年齢を越してしまいました。そのために急激に低下したと言われています。

210万人 vs 80万人で支えられるのか?

僕が70歳になった時に、70歳の人は200万人いるけど、25歳の人は80万人しかいないわけです。今、社会保険が苦しいと言われている現在でも、ピークの1949年生まれの75歳が270万人に対して、僕ら1973年生まれの51歳はまだ210万人います。
就職氷河期世代とはいえ、働き盛りでかなりの労働人口がまだいます。

僕らが高齢者になるときには、下の世代に今と同様のサービスを受けようというのは、どう考えても虫の良い話にしか僕には考えられません。
今ですら近年の社会保険の増加に苦しんでいる企業は多いです。

おそらく会社員の人にとっては増えているのは知っているけど、あまり実感はないかもしれません。経営者視点では社会保険増はかなりきついです。このままいくと、人を雇用するという事が物凄いリスクに将来はなってくると感じています。

仕方ないのは分かるが、結果あまりの差に

僕の両親は現在70前後。
極々一般的なサラリーマンでしたが、年功序列とバブル経験世代なので、それなりの年収でした。
現在の全国年収の中央値を考えると、夫婦合わせても当時の1名のサラリーマンには及ばない場合も増えてきています。
どちらの世代が有利だったかは世代別の貯蓄額の推移を見ても明らかです。

総務省統計局の資料より
  • 高齢者にも元気で働いてもらう
  • 少しでも負担者層を厚くする

これらの実現に反対するひとはほぼいないと思います。
問題はそれを実現するための方法でしょう。

と同時に、出生率が下がる中、それを改善すべく将来支えてくれる人たちへの資本投下を結果として行ってこなかった世代の人達には、

岩崎
岩崎

どんだけ恵まれてる世代だも〜

と正直、感じてしまいます。

働き方改革の矛盾

不思議 疑問 犬 動物

次に働き方改革の矛盾です。

以前から有給が事実上取れなかったり、残業が多く心身に以上をきたしたり、過労死するという例が問題なっていました。
そこに大手広告代理店の若手社員の事件をきっかけに、国全体で働き方改革という言葉がより一層叫ばれるようになったような印象を持っています。

そう言えばプレミアムフライデーって?

働き方改革の一貫?だったと思いますが、月の最終金曜日を時短にするプレミアムフライデーってどうなってます?最初は大手のクライアント企業でその時間は誰も捕まらなくなった事がありました。が、今では普通に皆さん仕事しているような印象です。僕の周りでは。

時短や効率化などは良いことです。その分、他の仕事やプライベートなど有意義な事に人生を使えれば、それに越したことはないです。

ただ、もっと稼ぎたい人に規制が入るのはも問題になってきています。

幽霊社員の増加

僕も現場で幽霊社員に会うことが増えてきています。

クライアント企業の担当者から現場で、

大手会社員
大手会社員

今日は僕は幽霊社員なのでいない事になってます

とジョークとして話されることが度々あります。

既に月80時間の残業規制や、休日未消化が確定しているのですが、休むとスケジュール通りに仕事が進行しないので、会社には休んでいる事になっていて仕事をしているという実態です。

これでは、残業手当も休日出勤手当もつかないです。
そういう人には正しく報酬は払われるべきですし、そうしないと企業自体が適切な工数計算やコスト管理ができなくなります。
そのしわ寄せは10年後、20年後により大きな形でやってくるでしょう。

副業推進

働く時間を抑制する中で、昨年から政府が副業解禁を推奨しています。

厚生労働省では、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定) を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っています。

厚生労働省HPより
日本政府
日本政府

別の仕事もしましょう〜。
副業が禁止の企業も認めてあげてね〜

ということです。

副業政策を推進する理由

副業政策を推進する理由は、

  • インフレ目標が達成できない(というか実質マイナスへ)
  • →所得が増えない(というか減ってる)
  • →所得が増えないと消費(内需)が増えない(というか減ってる)
  • →内需が増えないと経済成長(景気回復)しない(というか実質マイナスへ)
  • →景気回復しないとインフレ目標が達成できない(最初へもどる)

という状況の不満を解消するために打ち出したという印象が強く持っています。
簡単に言うと、

政府
政府

株価は上がっても、国民の給与は増えてないやんけ〜
なら仕事をもう一個作って収入を増やしてもらうしかないやんけ〜

って感じです。

働かせたいのか休ませたいのか

もう言わずがなと思いますが、働き方改革の

政府
政府

休みはとれよ〜
残業はするなよ〜
労働時間守れよ〜

に思いっきり矛盾します。

僕自身は副業制度には反対ではないです。集客から販売までのビジネスの重要な考え方やスキルを学べますし、そうした経験を持つ人が増えれば国全体のサービスも経済も向上すると思います。メリットもあるので上手く活かす事ができれば効果は高いのですが…。

が、それだったら、

岩崎
岩崎

本業で稼げる人や稼ぎたい人には、残業や休出もさせれば良いも〜

と思います。
働きたくない人を時間超過で矯正するのがはどうかと思いますが、一律に規制するものでもないでしょうというのは日々皆さんが議論しているところだと思います。

一律的な規制により、所得が減り家族が困り、なれない副業を初めて損失を出したり苦労するより余程良いと考える人もいるでしょう。

政府や役所が主導で時間規制をするなら、まずは公立学校の教員とかをなんとかしてやれやとマジで思います。

副業が一般的になることの問題点

僕は先に書いたように副業自体に反対ではないです。
メリットもあります。
が、同時にデメリットもあるので注意が必要です。

分かりやすいのはサービス業を発生する価格低下です。
これは既に実感しています。

メリットと感じる人もいるでしょうが、全体としてはネガティブに作用します。

ここは深堀りすると、ブログが数本書ける量感になってしまうので、ひとつだけ簡単な実例を。

副業なので小遣い増えればOK問題

典型的な例としては、

とある副業者
とある副業者

私は小遣いが稼げればOKだわ

これは実際に僕の身近にもいます。
平日はレギュラーの仕事をしていたり、配偶者の収入で生活していたりするので、大きな利益はなくて良いという感じの人達です。

具体的には、

とある副業者
とある副業者

土日のみの稼働で月数万円〜10万も増えたら十分

という感じの人達が何人かいます。

なお「私のことだ」と思ったそこのあなた。別にあなたが悪いと言ってはおりませんのお間違いのなきように。メリットもあるけど経済全体としてはデメリットもあるよという話です。何をどうしようが個人の自由です。

まれに「専業にできないかな?」という相談でもないけど雑談を振られることがあります。

岩崎
岩崎

無理っしょ

とある副業者
とある副業者

ですよね〜(笑)
やっぱ旦那大事だわ

という感じです。

試しにシミュレートしてみると

試しに専業になったとしてシミュレートしてみます。
土日で1ヶ月に10万円稼いでたとします。
月の8日で10万円なので、16日にすると20万円です。

休みなく働いても月20万〜30万円しか稼げません。
さらにそこから、税金、社会保険、その他諸々の固定費や販管費を払っていくことになります。

もちろん業態によります。1対マスのビジネスが可能な人はその限りではないす。実例は僕の周りで多い趣味や興味を生かした個人サービスというスタイルです。

一般的には粗利1名に付き1,000万円

経営の一般的な考え方は、一人に付き1ヶ月の粗利が最低80万円、年間で1,000万円が最低必要と言われています。
そこから販管費を抜いて、平均的な所得になります。
もちろんまだまだ年功序列の会社が多いので、比較する年齢のもよります。
が、決して余裕のある金額ではありません。
若いからともっと安い金額をMAXで見積もると、直ぐに抜け出せない泥沼にハマります。

副業は上手くいきやすいのは相場より安いから

つまりこういった副業の場合、調子よく稼げているのは「一般企業より販売価格が安くて儲けが少ないから」です。

副業が広まるとサービスの販売価格は下がる、という例でもう一つタイムリーな話題があります。

タクシー業界に副業の時代がくる?

2020年に入って、次に価格破壊が起こる業界はタクシー業界と最近は言われました。
理由は今年の安倍首相の施政方針演説です。

総理大臣
総理大臣

自家用車による有償の運送サービス制度について規制緩和を行い、外国人観光客の皆さんの地方での足もしっかりと確保いたします

(安倍内閣総理大臣施政方針演説 三 地方創生(観光立国))

これは自家用車でお客さんを運んで収入を得て良いよと取れます。
いわゆる白タク解禁と受け取られ僕のスマホにもフォローしているニュースソースから「これは大きな変革だ」と情報が届きました。(あえてソースは貼りません)

「ただし!」です。
僕が調べた限り1次資料にはその様なワードは何も無いのです…

上記HPの全文はおろか動画をみても特に編集で削除したと思われるところはありません。
(実際に編集していないと断言しているのではありません)

もし「生で見てた。確かに言っていた」という人がいたら教えて下さい。

なぜそんな情報が?デマ?

なぜ?この様な情報が出回ったのか?
色々推察してしまいます。

  • 実際に演説をしたが問題と考え削除した
  • 業界関係者がデマあるいは観測気球を飛ばした

などなどでしょうか。実際の所は分かりません。

もし解禁になったら料金は下る可能性高い

本題に話を戻します。
仮に白タクが解禁されれば、終電帰宅組を狙って、

夜にちょろっと小遣いが稼げればOKだぜ〜

って人が増えるだろうというのは、誰でも想像すると思います。

これと同じことが起こるのが副業解禁です。

働かせたいのか働かせたくないのか

これらの政策は、

岩崎
岩崎

働かせたいのか、働かせたくないのか結局どっちやねん!

と感じてしまうのです。

もっとシンプルに考えると

これらの矛盾は世代や会社などで認識や判断が画一化されていることから起こっているように感じます。

本質はもっとシンプルで、

  1. 病気にならずにできるだけ健康に働いてしっかり稼ぐ
  2. →稼いだ人はどんどん消費して貰う。たっぷり税金を払ってもらう
  3. →それを原資に、働けない人にはしっかりとセーフティネットを整える
  4. →セーフティネットで再び効率よく稼いで納税できる人になってもらう
  5. →1へLOOP

このことに年齢や世代は関係ないし、全員いくつまでとかそういう話でもないようにしか思えません。

常に最適化を意識するべし

現状の問題の本質は、市場が必要としているスキルとこれなら自分はできるというスキルのミスマッチが発生しているからです。
無理に維持するのではなく、さっさと首にすべき人は首にして企業は最適化を図ったほうが、よい収益が上がり税収も増えます。
その分をセーフティネットに回せばよいのです。

首になった方も市場に必要とされていない状態でダラダラと会社にいるよりか、次に必要とされるべく新たに成長できます。
セーフティネット活用しながらまた強靭な人材になっていけば良いのです。

そんなの無理と思う人もいるかもしれませんが、その無理なコストを払っているのは最終的には顧客です。
市場との最適化ができていないということは、となりにいる友人に必要以上に高い値段で物やサービスを売りつけているというの同じです。

今までは過去の資産でなんとかなった

これまでは終身雇用という形でセーフティネットの一部を企業が行ってきました。
が、国外の競争相手の徹底した合理化や最適化に対し、同じ土俵で勝負できない国内企業はどんどんと沈んでいっています。
首を切れない社員の給与や退職金を支払うために、過去の資産を切り売りしてきました。

まさにタコが自分の足を食べている状態。
虎の子事業部も売却し、いよいよ売れる物が無くなってしまったので、

企業
企業

終身雇用、もう無理っす…。

という企業がでてきている事態です。

今後を見据えて常に変化を

取り留めもなく書いてきてしまった感もありまが、かなり自分の脳内整理が出来て気がします。

岩崎
岩崎

常に工夫と改善をしながら、常になにか新しい事を取り入れ続けるも〜

とと纏まりました。

お付き合い頂きましてありがとうございました。
では、また。

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