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【歌劇場】オペラハウスとは?【特徴編】普通のホールと何が違う?

【歌劇場】オペラハウスとは【特徴編】 音楽活動に役立つ
この記事は約7分で読めます。

岩崎将史まさふみです。
オペラハウスについて超絶簡単解説の2回目です。
今回は特徴編ということで、設計や機構などの特徴について解説します。

オペラハウスの特徴

The last minute of a opera scene in Cluj Napoca, Romania.
The last minute of a opera scene in Cluj Napoca, Romania.

オペラハウスの設計状の特徴は主に次の4つです。

  1. オーケストラピット
  2. プロセニアム・アーチ
  3. 馬蹄形のフロア
  4. バルコニー席

それぞれを順番に解説します。

オーケストラピット

オーケストラピット (GRFのある部屋)

舞台と客席の間に設けられたオーケストラが演奏するスペースです。
客席フロアよりも1段低い位置にあり、オーディエンスが舞台を見ている時にオーケストラピットの楽器や演奏者たちを見ることはできません。

Inside Opera – The Orchestra Pit

オーケストラピットの音響特性

オーケストラピットは2つの音響特性を得られるように設計されています。

  1. 奏者に楽器音量が大きく聴こえ過ぎないように
  2. 客席に適度な大きさで均等に聴こえるように

奏者に楽器音量が大きく聴こえ過ぎないように

オーケストラピットは凹んだ窪みになっています。
音楽用途ではない一般的な建築の手法で凹んだスペースを作ってしまうと、過度に音が反射を繰り返し、必要以上に増幅された本来の演奏とはかけ離れたサウンドになります。
その様な場所で演奏をすれば奏者はすぐに耳を傷めてしまいます。

そのためオーケストラピットは、音の拡散、吸収などのバランスをとり、演奏者が適切な音量で演奏できるように設計施工されます。

客席に適度な大きさで均等に聴こえるように

その様に音量をが調整されていますので、客席にも適度な音量で音楽を聴こえさせる事ができます。
演技の迫力や歌唱を邪魔しない、適切なバランスを得ることができます。
そして会場に均等に音楽を聴かせることができるようになっています。

オペラハウス以外でのオーケストラピット

オーケストラピットがないオペラハウスでもオーケストラ公演ができるようになっている場合はかなりあります。

オペラ公演できる多目的ホール

多目的ホールではリフト式のオーケストラピットを備えている場合があります。

通常は客席前列として

オーケストラピットが必要でない公演では、リフトでピットのフロアを客席フロアと同じ高さにして客席を取り付けます。
ピットの必要がない演目では客席数を増やすことができます。
というか、こちらが通常で、オペラ公演の時に客席を取り払いフロアを下げることによりオーケストラピットも作れるという理解が一般的です。

舞台になることも

リフト式のピットを客席フロアよりも高くしてステージと同じ高さにまで上昇させることで、舞台の奥行きを広くできるホールもあります。

コンサートホールでのオペラ公演

通常のコンサートホールでオペラを公演が行われる事もあります。
その場合は前数列の客席を除去し、オーケストラスペースを確保します。
ただし、オーディエンスの視界から演奏者たちを排除することはできません。

東京芸術劇場コンサートホールでの下記公演がそんな感じでした。

プロセニアム・アーチ

パリ オペラ座

プロセニアム・アーチとは額縁とも呼ばれる、客席と舞台の間に設けられたアーチ状の構造物です。
これにより視界を一方向からに限定させることができます。

そうすると多くのメリットが生まれました。

遠近法による舞台セットが可能に

Beijing Opera Stage set (Fashion seeker)

プロセニアム・アーチで客席からの視界を限定することができるので、舞台セットの自由度が増します。
側面や背面を作り込む必要がなくなると同時に、遠近法が取り入れられるようになりました。

オペラカーテン

Metropolitan Opera curtain (wikipedia)

プロセニアム・アーチの登場に合わせて、オペラカーテンも登場しました。
カーテンを閉じることにより舞台セットの転換が出来るようになります。

スライドステージ

舞台セットの転換ができるようになると、次の舞台セットを転換前に準備しておく必要があります。
そのために舞台外の横方向の空間を大きく取ったり、そこにスライドステージと呼ばれる機構を設けたりなどされるようになりました。

多幕オペラの増加

作品も舞台転換ありきの作品が多く作られて主流になっていきました。

照明などの演出機構の増加

通常時はカーテンが上部に引き上げられるため、照明などの上部から吊ってある装置を隠すことができるようになりました。
それにより演出装置を増やしても、会場の雰囲気を壊すことがなくなり、装置が増加していくことができました。

現代のポップスやロックのライブハウスは照明装置が見えるのがむしろ格好良いとなっていてワザと剥き出しにしています。
幕のある学校の体育館みたいなところだと寧ろ格好悪い感じも。

馬蹄形のフロア

客席は馬蹄形になっています。
と言われても現代の若者の多くは分からないと思いますのでこちら。

馬蹄 (life info)

こんな動画もありました。

蹄の手入れ

馬蹄で検索すると馬の蹄鉄よりもキーホルダーしゃ写真の記事や画像がたくさん出てきます。

幸運を呼ぶホースシューというらしく一般的なんですね。
知らなかった。

かなり話がズレました。
オペラハウスの話でした。

馬蹄形のフロアというのはこういうことです。

お客さんはプロセニアム・アーチを通して同じ一方向からしか舞台をみれません。
その上で後席に膨らみを持たせ客席数を確保しつつ音響特性も考えるという作りになっています。

なお日本人では土間どまと呼ぶ人もいます。

歌舞伎小屋 出石永楽館

升席のある1番低い部分を土間と呼ばれていたためです。

土間と呼ばれる場所は昔はどこの家にでもあったものです。
が、今の学生世代に土間と言っても全然通じません。

とある学生
とある学生

土間??何ですかそれ?おいしい物?

まあ、大抵は美味しいものを作っていたところではあります。

バルコニー席

Royal Opera House, Bow St, London, UK

馬蹄形の壁面が垂直に立ち上げってバルコニー席になっています。

日本ではオペラハウスでも桟敷さじきと呼ぶ人もいます。

安政5年 (1858) の江戸市村座 (wikipedia)

土間に対して高くなっているのが桟敷席です。

古来の祭りなどでは身分の高い人が1段高い桟敷を作り上から見物。
庶民は地べたでという習慣があり、上級な席となっています。

ボックス席

Inside one of the boxes at the Hungarian State Opera House in Budapest (Inspiring Travellers)

近世まではバルコニーの柱と壁で区切った部屋単位をボックスと呼び貴族や富裕層市民がオペラのシーズン単位で購入していました。
ドアもついていて独立した部屋となっています。
椅子は固定ではなく、スツールを複数おいてあります。

ロイヤルボックス

サン・カルロ劇場のロイヤルボックス (ブログ di luna)

初期の頃から存在するオペラハウスには建設ロイヤルボックスと呼ばれる特別席のあるオペラハウスが多いです。

写真が無いので、ストックオプションのリンクを呟いてみました。

以前に上げたヴェネツィアにあるフェニーチェ劇場は市民でお金を出しあって作ったというのがあり、ロイヤル・ボックスを設けず、全てのボックス席を均等に作りました。

ところがヴェネツィアが1808年にナポレオンの支配下に組み入れられるとロイヤルボックスが増設されたりしています。

まとめ

ざっくりとオペラハウス(歌劇場)の特徴について解説してみました。
また気付いたことがあれば随時、修正加筆していきます。

では、また。

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