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ポップガードとは?【オススメも】ボーカルや声からマイクを守る【必須】

ポップガードとは?【オススメも】ボーカルや声からマイクを守る【必須】 DTM・レコーディング系ノウハウ
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岩崎将史まさふみです。

ボーカルや喋りの声を録音するために、コンデンサーマイクを購入する方が増えています。

その際に必ず一緒に購入する必要があるのが、次の2点です。

  1. デシケーター
  2. ポップガード

の2つです。

デシケータについては別記事で書いていますので、そちらを御覧ください。

今回はポップガードについて解説します。

ポップガードって何?

NEUMANN U87AiとSTEDMANのポップガード
フルハウス所有のマイクNEUMANN「U87Ai」とSTEDMANのポップガード

ポップガードの役割は主に2点です。

  1. 「吹かれ」ノイズを押さえる
  2. 「湿気」を押さえる

「吹かれ」ノイズを押さえる

「吹かれ」ノイズとは、おもに「ハヒフヘホ」などの「ハ行」のセリフや歌詞を発生した時にでる「ボフッ」という感じの低域を中心とした音です。

主に息の成分が中心になります。

湿気を押さえる

「吹かれ」ノイズは余分な雑音としてだけでなく、マイクにとっても良い音ではないです。

低音を中心とした振動エネルギーの強い音ですので、ダイアフラムに負荷が掛かります。

ダイアフラムとは
音=空気の粗密の振動を受け止める部分です。カメラでいうとレンズにあたります。
コンデンサーマイクなどのダイアフラムは薄い金属も膜で作られており、繊細な音=振動も逃しません。それだけにダメージ耐性は強くないです。

ただの大きな低域であれば楽器も同様ですが、「風」と「湿気」という強敵がダイアフラムを襲います。

人間の出す息には相当すうの水分が含まれます。また、唾や唾液などの飛沫もダイアフラムには大敵となります。

湿気や人の飛沫はマイクの大敵です。

ボーカルやセリフなどの歌、声を録音するときにはしっかりと対策しましょう。

様々な名称で呼ばれる「ポップガード」

スタジオ「フルハウス」所有のSTEDMANのメタル製ポップガード
スタジオ「フルハウス」所有のSTEDMANのメタル製ポップガード

ポップガードは実に色々な呼ばれ方をしています。

  • ポップガード
  • ポップフィルター
  • マイクガード
  • ウインドスクリーン
  • ポッピングガード
  • ポップ ブロッカー
  • マイク ブレス ガード

ざっと検索しただけでも、様々な名称が見つかりました。

ロケで使われるウインド・ジャマー

ボーカル用に限定しなければ、ウンドジャマーなどという呼び方の商品もあります。

マイクに「もふもふ」した素材の物を被せます。

屋外ロケでの収音などの際に、風の音などを押さえる効果があります。

作用としてはポップガードと同じです。

AKGのC414などは、ポップガードとしてもウインドウジャマーとしても使えるマイクに被せるパーツが同梱されています。

岩崎
岩崎

全部に付いているのではないかモ〜。
僕が購入したC414にはセットで付いていたモ〜

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ポップガード内臓のマイクもある

フルハウス所有のダイナミックマイク「SHURE SM58」
フルハウス所有のダイナミックマイク「SHURE SM58」

ボーカル用のダイナミックマイクとして定番のSHURE「SM58」系には、最初からポップガードが内蔵されています。

SM58のマイクガードを外す
SM58のマイクガードを外と中にはウレタン系のポップガードが

「SM58」のマイクガードを外すと、内側に黒のポップガードが内蔵されています。

SM58はダイアフラムの前にもポップガードが付いている
SM58はダイアフラムの前にもポップガードが付いている

さらにダイアフラム側にもウレタン系のポップガードが。

SM58はボーカル用マイクとして設計されたために、この様に二重のポップガードが内蔵されています。

似た型番のSHURE「SM57」系にはポップガードが内蔵されていないので、注意が必要です。

もしポップガードがなかったら?

もしポップガードがないと、マイクの劣化が早くなります。

下手をすれば1シーズンで、本来の性能とはかけ離れた音質になることも。

最大の敵は「カビ」や「飛沫の汚れ」です。

僕も経験がありますが、飛沫は1つ着くだけで、ダイアフラムがビビる様になってきます。

ある時、U87Aiの1つが、

岩崎
岩崎

なんか音が割れるというかチリチリするモ〜

ということで、メーカーにメンテに出しました。

メーカー
メーカー

確認した所、飛沫の汚れと思わるものがダイアフラムに付着していました。
クリーニングしておきました。

なるほど、心当たりがあります。

レンタルで一度、マイクを貸し出したことがありました。

それ依頼、マイクの貸し出しはしないことにしました。

ということで、無事に戻ってきて正常に使えるようになりました。

ですが、クリーニングやメンテナンスには結構な費用がかかります。

  1. デシケーター
  2. ポップガード

この2個は余裕で買える金額になりますので、必ず最初に合わせて購入しましょう。

どのようなポップガードが良いのか?

ポップガードが必ず必要ということは、お分かり頂けたかと思います。

ポップガードと言っても、実に色々なタイプがあります。

どのような物でも良いのでしょうか?

とある読者から、この様な質問を頂きました。

相談者
相談者

ポップガードを購入してみたけど、音が籠もる気がする

岩崎
岩崎

確かにそうなる物もあるモ〜

音が籠もるポップガード

まず布クロス製のポップガードは多かれ少なかれ音が籠もる傾向にあります。

僕らは良く

岩崎
岩崎

これは結構ハイ落ちするモ〜

などといいます。

「高域のピッチが高い成分の音=Hi」の「量感が減る=落ちる」で「ハイ落ち」と言います。

当然ですが、空気の流れをシャットダウンしてしまいます。

大きな振幅である低域は通過しますが、微弱な小さな振動でる高域の音ほど止まってしまいます。

できるだけ薄く、網目の隙間の大きな物が原理的には「吹かれ」を予防しますが、その分、効果は落ちるとも言えます。

クロス製はプロは使わない?

プロのスタジオでもクロス製は割りと使われています。

相談者
相談者

「籠もる」のになんで使われているの?

プロが使う録音機器は感度が高く、ある程度の高域が少し落ちることも想定して作られている場合が多いのです。

カメラでいうとセンサー部分の感度が高く、暗くてもしっかり撮影でき、あとで問題なく明るさを調整できるというイメージです。

とはいえ、できるだけ良い音で録れるに越したことはないので、近年はクロス製以外のポップガードが主流になってきています。

音が籠もりにくいポップガード

音の籠もりを気にされる場合は布クロス製よりも、

  • メタル製
  • 樹脂製

の方が良いです。

オススメのポップガード

オススメ OK 女性

オススメのポップガードを紹介していきます。

主に3つの種類があります。

  1. 布クロス製→安価
  2. メタル製→高域が籠もりにくい
  3. 樹脂製→サウンドは最高だが高価

となっています。

それぞれのオススメを紹介します。

クロス製

クロス製のメリットは何と言っても安価なことです。

音質への影響は多かれ少なかれあります。

僕もクロス製のポップガードをいくつか持っていますが、大人数ボーカルで「ポップガードの数が足りない」という状況でない限り、使うことはないです。

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メタル製

高域成分の低下、音の籠もりを押さえてくれるのが布クロス製ではなくメタル製(金属)のポップガードです。

オススメは「STEDMAN」社のポップガードです。

僕のスタジオ「フルハウス」でも、ここ10数年のほとんどの作品でコレを使っています。

網目の隙間もあるので、高域が減少する傾向はありません。

ただし唾を飛ばしがちな人は注意が必要です。

極稀に「金属の音の感じがするから嫌だ」というエンジニアに遭遇することがあります。

100人に1人くらいでしょうか。

気にされる方は、次の樹脂製のものが良いと思います。

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樹脂製

JZ MICROPHONESジェイゼットマイクロフォンズ」社の「Pop Filterポップフィルター

プレスチック製と言ってよいのかどうか分かりませせんが、そんな質感の素材でできているポップガードです。

予算があるかたなら「JZ MICROPHONESジェイゼットマイクロフォンズ」社の名前が「Pop Filterポップフィルター」。

高価ですが性能は抜群で、サウンドも最高品質でイチオシです。

形状が面白くて凹凸があります。

この形状もあって効果的にポップノイズを拡散しています。

ポップガードを使ってマイク資産を守ろう

OK 守る 女性

今回はポップガードについて解説してきました。

適切に使用することによりマイクなどの録音機器への負担を減らし、コンディションを適切に維持することができます。

大切なマイク資産を守るためにも、ぜひマイクと合わせて購入してください。

僕のスタジオ「フルハウス」では、様々な音楽制作やレコーディングなどを行っています。

プロの技術やスピードが必要な時には、お役に立てると思います。

よかったら覗いてみてください。

株式会社フルハウス | 音楽づくりとサウンドのプロフェッショナルカンパニー
音楽づくりとサウンドのプロフェッショナルカンパニー

 

では、また。

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