こんにちは、岩崎将史です。
名古屋フィルハーモニー交響楽団(通称:名フィル)のコンサート録音について時々ブログに書いてきました。
先日は久しぶりに豊田市コンサートホールでの本番でしたので、このホールの場合での録音を少し書き残しておきます。
場所は名鉄豊田駅前。
大きなビルの中にあり正式には「豊田市コンサートホール・能楽堂」というホールです。
豊田市コンサートホール
名前の通り能楽堂が別フロアにあります。
僕はこれまでどちらも何度となく訪れています。
様々な案件で携わってきましたが、能楽堂は「豊田ジャズスクェア」というジャズフェスでのメイン会場で僕が何度か舞台監督や進行などを努めていました。
コンサートホールも様々なコンサート仕事で訪れていますが、BBCオーケストラのアジアツアーでの録音などが特に印象深く記憶に残っています。
吊りマイクはステレオ回線が2システム
豊田市コンサーホールは吊りマイクの機構を2システム持っています。
1つはステージ框上。
もう1つは客席前から1/3あたりの位置です。
それぞれがステレオ1回線(モノラル2回線)ですので、上手に組み合わせて録音する必要があります。
框上にはDPA4015を設置しました。
客席上はいつもはB&K4006 (DPA4006) を吊りますが、豊田市コンサートホールはSCHOPESのぼーるマイクが常設されています。
これは無指向性の素晴らしいマイクなので使わせて頂きました。
複数の近接マイクも合わせて設置
ステージ上にもいくつかの近接スポットマイクを設置しました。
いつもどおりにSCHOEPSなどのスポットマイクを設置しつつ、
今回は2つ新たな試みを加えました。
パイプオルガンの前にソロマイク
1つ目はパイプオルガン前へのマイク設置。
理由はこちらのツィートにあります。
川瀬賢太郎の指揮で、ゲネプロが始まりました! まずは、ソプラノの原田幸子さんにお入りいただいて、マーラー『子供の不思議な角笛』の「浮世の生活」から。ここで死んでしまった子供が天国に昇り、「交響曲第4番」の第4楽章では「天上の生活」を送ることになります。 pic.twitter.com/kOn3cl9ziP
— 名古屋フィルハーモニー交響楽団 (@nagoyaphil) February 25, 2023
演出上の効果を狙ってパイプオルガン前、2回バルコニー部分にてのソプラノ歌唱となりました。
マイクはB&K4011を1本設置しました。
この位置でもソロ歌唱集音は初めてだったのですが、凄い良かったです。
寧ろ舞台上でやるよりもオーケストラとの適度な分離感や音の反響感など。
この位置で声楽のCDや動画などの作品レコーディングしたいと思いました。
是非、どなたかご依頼ください😆
バックアップシステムに Avid MTRX Studio を導入
録音もいつもどおり堅牢な安定の完全ダブル録音システム。
メインはいつもどおりに「Millennnia」の マイクプリアンプと
「APOGEE Symphony I/O mk II」の組み合わせ。
ただしバックアップシステムのオーディオインターフェースはこれまでの「APOGEE Symphony I/O mk I」から「Avid MTRX Stduio」に変更になっています。
MTRX Studio 導入についてはブロク記事化できていなかったので、どこかのタイミングでしっかりしたレビュー記事を書く予定です。
「APOGEE Symphony I/O mk I」はヤフオクに載せてみたのですが、30万円で買い手が付かなかったです。
それより安く売るくらいなら複数現場位にも対応できるようにトリプルシステムで持っていようと思います。
アナログ入出力カードを 32インプット/32アウトプットに増やして購入したので、購入時の価格は120万円ほどだったのですけどね。
らトラブルが発生しても大丈夫な用に完全に2重化しています。
CD-Rでミックスを録音。マルチのデータは保管
いつもどおりに2台のCD-Rにミキシングしながら録音。
コンサート終了直後に主催者に納品して業務完了です。
マルチトラックのデータは後日の作品化などにも対応できようにHDDで保管。
YouTube にVLOGもアップ
今回の内容はVLOGにしてYouTubeにもアップしてみました。
良かったらご覧ください。
ということで、今回はこの辺で。
ではまた。