こんにちは、岩崎将史です。
先月の2月4日に開催された 近藤晃央 10th ANNIVERSARY LIVE「BOUQUET」 の録音と撮影を担当しました。
今回は半年ほど前に近藤晃央さんから僕の会社「フルハウス」へご連絡を頂きました。なんでも収録後のミックスや動画編集はご自身でされるとの事。
凄い!
まあ、僕も全部やりますがDAWはLOGICで動画はFinal Cut Proとのことで、使っているアプリケーションまで僕と全て一緒。
更にはMacBookをM1 Maxで僕と一緒で親近感バリバリです。
もうこうなると限られた条件の中とはいえ、できるだけ最高の品質での収録をできるようプランを考えました。
収録プラン
収録は音声と映像に分けて考えます。
音声については、
- 全てのマイク回線をマルチトラックで
- オーディエンスマイクも追加
- 3台の録音システム
としました。
映像について、
- 出せるだけのミラーレス
- マンカメ5台
- スライダーとジンバル
をテーマにプラン。
それぞれどの様なプランにしたのかを解説していきます。
複数台でのマルチトラックレコーディング
全てのマイク回線をマルチトラックで録音
録音はライブやコンサート収録の際は、僕は必ず全てのPAマイク回線をマルチトラックで録音します。
マルチトラックで録音することで、後日スタジオでミキシングを行いアーティストが求める理想に近いサウンドを再現することができます。
安易に考えている業者だとPA回線やエアと呼ばれる会場のマイクだったりします。
PA回線を個別で録音するとしてもドラムがステレオにまとまっていたりする場合も。
こうなるとバンドなどの音楽物は極端にミキシングで調整できる事が減ってしまい、音質にも悪影響を与えます。
そのため必ずマルチトラックで全てのマイク回線を個別に録音するようにしています。
オーディエンスマイクは必須
ライブ録音の場合はオーディエンスマイクと呼ばれる会場の歓声や拍手などを集音するマイクも必須です。
僕のブログでも毎回書いていますが、今回ももちろん設置しました。
3台の録音システム
録音システムは今回は念には念を入れて3システムを用意しました。
通常はメインとバックアップの2つのシステムで望みますが、今回は3台。
『Zepp NAGOYA』はPA環境が充実していて、DANTEと呼ばれるデジタルでの録音がやり安くなっています。
そのためそれほど機材(≒予算)を投入しなくても3台目の録音をすることも可能。
今回は僕のMacBook ProでLOGIC Proでの録音と同時に2台のCubaseにて録音しました。
16台の撮影カメラを投入
出せるだけのミラーレス
バンド系のライブ映像は僕はできるだけ多くの固定カメラを用意します。
常に演奏や表情は押さえておきたい。
少ないカメラでそれぞれを追いかけるのは無駄にリハーサルや本番で人的エネルギーを消費するので、必ず1名1台以上用意します。
明日のライブ収録で弊社が持ち出すEマウントのカメラ立ち。
— 岩﨑将史(Masa Iwasaki) (@masafumi_iwa) February 3, 2023
いつの間に増えたんだろう…。
これにカメラマン持込みカメラが7台追加予定。
GoProも何台か仕込むよ。
もしかして結構贅沢な収録じゃないかい?? pic.twitter.com/GUdKBh7OMh
今回は、
- ドラムに1台
- ベースに1台
- ギターに1台
- キーボードに3台
- ヴァイオリンに1台
を用意しました。
キーボードが多いのはいくつか理由があって、
- 上手下手の両方の位置が欲しい
- オーバーヘッドなど指も含めて全体が入る位置が欲しい
の2つが主な理由です。
そしてキーボードは楽器の配置上、客席側からの有人カメラだと演奏している指が撮れないのです。
そのためいつも台数を多めに用意しています。
カメラとしては、
- SONY α7SIII 2台
- SONY α7IV 2台
- SONY ZV-E10 2台
- LUMIX GH5 1台
- GoPro HERO 9 1台
を用意しました。
客席には6台のカメラ
客席には6台のカメラを用意しました。
そのうち5台はマンカメとかマンCAMと呼ばれるカメラマン付きの有人カメラです。
もう1台は常に全体を収録する固定フィックスカメラ。
5人のカメラマンで役割分担
ボーカル系バンド物で難しいのはカメラワークです。
メインとなるボーカルには常に複数のアングルが必要です。
常に一定の画角では視聴者は飽きてしまいます。
ボーカルは動きますので有人カメラで追いかける必要があります。
有人カメラが2名や3名だと、センターに上手、下手でボーカルを狙うだけで終わってしまうため、楽器やダンスなどを撮ることができません。
楽器やダンスが入る場所を指示して狙いを変えると、その間はボーカルを撮れなくなるので、編集時にとても違和感のある繋ぎしかできなくなります。
そのため、僕は必ず役割分担を明確にし撮れ高を確保するようにしています。
今回は2台をボーカル近藤さん中心。
1台を自由に。
もう2台はダンスや楽器を中心にという役割分担をしました。
これらのカメラには、
- SONY PXW-Z450
- SONY FX6
- SONY FS7II
- LUMIX AG-CX350 3台
を用意しました。
ドリーとスライダーとジンバル
バント系ライブの醍醐味といえばカメラの動きも大切です。
そこで今回は3つの動くカメラを用意しました。
- SONY FS7II にドリー三脚
- LUMIX S1H に電動スライダー
- SONY α7SIII にジンバル
ジンバルについては僕の記録、Vlog用なのですが後半は盛り上がる客席全体を撮るべく、僕自身で動き回りました。
構成譜を見ながら的確にカメラワークを指示
今回、僕が考えた最大のポイントはスイッチャーによるカメラワークの指示です。
クラシックコンサートの場合は、インカムでの指示で問題ないですがバンド系コンサートの場合はそうはいきません。
音楽の音量が大きいのでインカムの指示が適切に聞こえないのです。
そこでスイッチャーを用意。
各カメラマンはお互いに何を撮っている分かるようにモニターを用意するのですが、そこにカメラマンへ指示するようのアイコンをインサートしました。
例えばバイオリンソロが始まる時は4小節前にアイコンを点滅表示。
楽器系のカメラマンはバイオリンへ画角を合わせフォーカスと露出を合わせれば、ソロを引き始める前に映像は撮り始められます。
そうすることで的確な編集を行ってもらえるようにしました。
e+で配信視聴できます【期間限定】
土曜日の収録データを整理中。
— 岩﨑将史(Masa Iwasaki) (@masafumi_iwa) February 6, 2023
めちゃっくちゃ格好良いライブで良い映像と音が録れました😆#近藤晃央 #zepp名古屋 #recording #video @fullhouse_st https://t.co/uKpTAtiNMH
今回の映像ですが、近藤晃央さん自らの編集ミックスによる作品としてe+で視聴できます。
申し込みは期間限定となっています。
2023/3/27(月)21:00までとなっていますので、今すぐぜひ!
視聴は2023/3/27(月)23:59まで可能です。
終演後は神戸の現場へ即ハネ
収録後は僕はZepp名古屋を飛び出し新幹線で神戸へ移動。
昨日は前日深夜に新幹線終電で駆けつけてからのホテルオークラ神戸でのイベント。
— 岩﨑将史(Masa Iwasaki) (@masafumi_iwa) February 6, 2023
36 tracks の multi track recording。
昨夜のうちにとんぼ返り。
神戸らしい物何もなし😅#ホテルオークラ神戸 #イベント #Recording @fullhouse_st pic.twitter.com/4jg945cdY4
翌日の収録があり深夜のリハーサルでした。
流石に仕込みは別スタッフチームに先乗りして仕込んでおいてもらいましたが。
という感じで日々、録音や撮影などの収録業務も行っています。
ライブの録音や撮影のご依頼待ってます。