こんにちは、岩崎将史です。
- CDを作りたい
- 音楽配信をしたい
- YouTubeと作りたい
このような相談を受けた時、僕は主に4つの場所を提案し選んでいただいてます。
レコーディングをする4つの場所
提案する4つの場所は、
です。
この4つのうち、
私はどこでレコーディングするのがベストかしら?
について、わかりやすく解説します。
【比較】4つの場所を一覧でざっくりと比較
まず4つの場所の特徴を一覧表にしてみました。
総合的おすすめ度 | CD 音楽配信 |
◎ | ◯ | 企画次第 | △ |
YouTube 動画配信 |
◯ | ◎ | ◎ | △ | |
スタジオ | ホール | ライブ | 自宅 | ||
楽器の音 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |
部屋の音 | ◎ | ◎ | 場所による | X | |
響の量 | 少なめ | 多め | 場所による | 使えない | |
ノイズ | ほぼない | 少し入る | 多い | 多い | |
電源 | ◎ | ◯ | △ | X | |
費用 | 普通 | 少し高 | プラン次第 | プラン次第 | |
時間 | 早い | 遅い | 決まっている | 遅い |
スタジオやホールといっても、それぞれのスタジオやホールごとに全然違うので、よく使う場所でのざっくりとした解釈です。
僕が使いたくないレベルのスタジオやホールなど考えに入れてないも〜
【詳細】4つの場所。それぞれのメリットとデメリット
それぞれのメリットとデメリットなど詳細を解説します。
レコーディングスタジオでのメリットとデメリット
レコーディングスタジオは録音専用に作られていますので、ほとんどがメリットばかりです。
コンサートホールでのメリットとデメリット
ライブレコーディングでのメリットとデメリット
動画をメインで考えるならライブレコーディングを考えたいところです。
自宅録音でのメリットとデメリット
自宅録音については、演奏者が自分でレコーディングするというのは、今回は説明から外します。
機材を持ってきていただいて録っていただくことは出来ますか?
という場合を想定しています。
話がややこしくなるからゆるしても〜
サウンドクォリティーに拘らないのであれば、安価な機器を用意して自分でレコーディングするのが最も費用がかからないです。
そういったレコーディングのミックスとマスタリングを依頼されることもよくあります。
【選び方】オススメの場所とオススメしない場所
スタジオやホールと一言でいっても物凄くピンキリです。
オススメする、しないのポイントを解説します。
スタジオでの場合
スタジオの重要な3つのポイント
最低限のポイントを書くと3つです。
- 外騒音、空調音などが正しく調整されている
- 建築音響が正しく作られている
- 専用電源が適切に敷設されている
上記が最低条件です。
それ以外のことは、ベストではないにしろレコーディングであればなんとかなります。
外騒音、空調音などが正しく調整されている
外の騒音が入って来ないことが重要です。
スタジオとして営業していても、トラックや電車が通るたびに走行音や振動を拾うスタジオもあります。
空調ノイズに関しては、演奏時だけ切れば良いので問題ないです。
高価なスタジオでは常時オンもできますが、そこは予算との兼ね合いで選んだということであれば妥協できると思います。
ただしスタジオによっては、それとは別にビルの空調や換気扇が回っていて、切れないという場所もありましたので注意が必要です。
建築音響調整が正しく行われている
セオリー通りにマイクを立てたときに、そのままで良い音、使える音で拾えてればOKです。
EQでの調整、ローカットやハイパスフィルターなどで低音を処理しないと音がこもる、などのスタジオはダメです。
せっかくの同じ時間と費用を使うのですから、わざわざ悪い音で録音するのは勿体ないです。
専用電源が適切に敷設されている
僕のスタジオであるフルハウスや、良く使う他のスタジオでは、専用にこだわった電源回路を敷設しています。
録音機器は電気をエネルギーにして動いていますので、ここの設備が良くないスタジオだと、どれだけ良いマイクや機器を持ち込んだとしても本来の100%の音にはなりません。
ダメなスタジオの見分け方
技術的なことで説明してきましたが、音楽家だと判断できないと思います。
そういう場合に一番に簡単なのは料金です。
料金は主にスタジオと人件費の2種類から成り立っています。
スタジオ
スタジオは土地、建物、設備です。
土地と設備は都会か地方かでも大きく変わりますので一概には言えませんが、どんなに安いところでもスタジオだけで1日3万円を切っているところは、何か大きく手を抜かないと無理というのが僕の意見です。
何も処理をされていない、ただ吸音材が貼ってあるというだけのスタジオに下見に呼ばれたことが度々あります。
人件費
人件費に関しては、1日2万円を切っているようなスタジオはダメだと思います。
これまでも人件費に関しては記事にしてきました。
色々な意見があるとは思いますが、この人手不足の時代にその金額で仕事を請けているというのは、プロとは言えないのでは?と僕は考えます。
総合するとつまり
スタジオの規模によるのですが、1日5万円を切ってくるようなスタジオは総じて何かがおかしいと考えています。建築音響や設備にほぼ投資をしていないか、人件費が世の給与水準より極端に低いということが考えられます。
オススメのホール
クラシックなどのアコースティックなアンサンブルを前提とします。
ホールにはコンサートホールと多目的ホールがあります。
他にもありますが、大まかにこの2つのが多いです。
レコーディングにはコンサートホールであることが必須です。
多目的ホールで反射板を使うことも出来ますが、多くのホールでは反射版を使わないコンサートや演劇なども想定して、せっかくのホールでのレコーディングなのに理想の残響音ではない、となります。
では、コンサートホールの中でもどのような場所が良いのか?というのは、個別あります。
が、音響的な性能面よりも、
など、運営面でもチョイスが重要になることが多いです。
相談いただければ、場所は色々ご提案しています。
【結論】音の良さはスタジオ。クラシックの場合はホールも。動画にするならライブ
当たり前ですが、CDや音楽配信など音だけのコンテンツを作るなら、圧倒的にレコーディングスタジオでの制作がクォリティも高く、費用も時間も抑えられる場合がほとんどです。
クラシックの場合は、音楽の特性上からホールでのレコーディングもオススメです。
映像も含めての作品にしたいなら、ライブのレコーディングと撮影というのが視聴者としては一番楽しいです。
ということで、この辺で。
では、また。
過去には渾身の魂を込めた1テイクの途中で救急車が…という場合もありました。
音楽家が、
どうしてもココで録音したいので…
ということで場所を選んだので、頑張ってもう1テイク弾いていただきました。